システムエンジニア(SE)に興味を持った人たちが、必ず一度は耳にする「3K」という言葉があります。
これは、「きつい・帰れない・給料が安い」というワードの頭文字を取ったもので、IT業界を盛り上げたい僕からすると、悲しいイメージを持つ言葉です。
一昔前のIT業界では、SEがいいように使われていました。若いうちは徹夜で仕事をしてシステムを完成させて、35歳を過ぎる頃には捨てられる文化があったのは事実です。
給料だって、中間業者に中抜きされて、決して高くはなかったでしょう。
しかし、世界におけるITの重要性が増すにつれて、エンジニア不足が発生するようになりました。そこで、今では転職市場に出るだけで、エンジニアが引っ張りだこになるようになっています。
IT業界全体で、無理な労働を抑制したこともあり、今では「きつい・帰れない・給料が安い」という話も、事実ではなくなっているのです。
あなたがIT業界に興味を持っているなら、巷の噂に流されずに、正しい情報を取り入れて人生の決断を行う必要があります。
そして、学生時代から合わせて10年以上もIT業界と関わっていた僕だからこそ、IT業界の現状をあなたに伝えられると確信しています。
そこでこのページでは、「IT業界における3K(きつい・帰れない・給料が安い)は本当か?」という話と、「当サイトの管理人ヤマダが考えるIT業界の新3K」について熱弁します!
Contents
「きつい・帰れない・給料が安い」は本当か?
はじめに、IT業界の「きつい・帰れない・給料が安い」は本当か? について、解答していきます。
結論からいうと、これらの全てが「たしかに当てはまる会社もある」としかいえません。
しかし、これはIT業界に限った話ではありません。営業でもきつい仕事はありますし、コンサルティング会社に勤めている人は三時間睡眠で働いていることもしばしばです。
IT業界で働くエンジニアの平均年収は400万円を余裕で越えていますが、それより安い給料で働く労働者も大勢います。
「IT業界の実態は、ネット掲示板の数行のコメントでは把握できないほど、複雑になっている」
これが、当サイトの管理人ヤマダの意見です。
そこで、ここからは管理人ヤマダの経験を元に、IT業界の3Kの実態を暴いていきます。
- IT業界は実際きついのか?
- IT業界は会社から帰れないのか?
- IT業界は給料が安いのか?
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
IT業界は実際きついのか?
IT業界全体できつい仕事をこなしている事実はありません。一部の会社や一部のプロジェクトのみが、ブラック企業(現場)として残っている状況です。
そもそも、何を理由に「きつい」といっているのかも、根拠が曖昧といえます。同じ現場でも、楽にこなしているベテランITエンジニアもいれば、苦労している新人ITエンジニアもいるからです。
あえていうなら、以下の3点に当てはまる場合、きつい現場だといえるでしょう。
- 納期が厳しすぎてきつい
- 一時間当たりの密度が濃すぎてきつい
- 長時間労働がありきつい
上記のうち、最も可能性が高いのが1.の「納期が厳しすぎてきつい」です。これは、厳密な納期が決まっている製品開発の現場で起こりやすい状況です。
例えば、家電製品・携帯電話・ゲームなど、発売日が決まっている製品の開発では、意地でも発売日に間に合わせる必要が出てきます。
このような状況では、上記の1.~3.までが同時に発生して、辛くなることはあるのです。
次に、2.の「一時間当たりの密度が濃すぎてきつい」と3.の「長時間労働できつい」という状況は、人手不足の現場や管理が厳しい現場では起こり得ます。
ただし、長時間労働に関しては、業界全体で無理な残業の話は聞かなくなっています。
例えば、僕はIT業界で5社以上経験していますが、毎日2時間以上の残業があった現場など、最初に就職したITベンチャー企業ぐらいです。社員数名程度からの発展期だったため、楽しんで業務の拡大に取り組めていました。
その他の現場では、大手企業の協力会社社員として働いていたこともあり、ほぼ残業0で働けています。
近年ではIT業界全体が無理な徹夜労働などを抑える方向に向かっています。
ただし、納期に追われているときだけは、「プレッシャーがきつい・業務量が多すぎてきつい・労働時間が長くなってきつい」という状況に追い込まれることには注意してください。
それが嫌なら、「納期が厳しいプロジェクトだけは避ける」というテーマを決めて、IT業界に就職すればOKです。
IT業界は会社から帰れないのか?
「IT業界は会社から帰れないのか?」という疑問に関しては、「そのような現場も稀に残っている」といえる程度です。
僕は社会に出てから5社以上経験していますが、深夜まで働いた現場は、最初に就職したITベンチャーだけでした。
そのITベンチャーも、深夜労働の翌日は昼出社させてもらうなど、最低限の労働条件は確保されていたのです。
ただし、元プログラマの先輩の話によると、たしかに残業時間が200時間を超える現場に当たったことがあるそうです。
企業の合併に伴う新システムの導入作業だったとのことですが、期日が厳密に決まっており、その期日に間に合わせるために死ぬほど働いたそうです。
信じられない話ですが、長時間労働が常態化している現場だったため、精神科の受診が強制されたそうです(笑)
「この模様が何に見えるか?」
ある画像を見せられた後このような問いがあり、「花の模様、コウモリの大群、血溜まり」などの選択肢から選ばせることで、精神が不安定ではないか確かめられたとのことでした。
…衝撃的です。
「このような配慮があるぐらいなら、無理な納期を何とかしろよ!」と言いたくなるようなエピソードですね。
このような例からもわかるように、稀にブラック現場も残っています。
ITエンジニア経験者でスキルが身に付いているなら、最悪転職して次の現場に行けばいいだけです。
しかし、新人で何のスキルもないのに、ブラック現場から抜け出したら、何のスキルも残りません。そうならないためには、最初の会社選びでブラック現場を避ける方法論が必要になります。
ブラック企業の見極め方を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
マトモな環境で数年間は働いて、転職市場で通用するスキルを身に付ければ、ブラック現場にNOを突き付けられる人間になれるのです。
ようは、「IT業界は会社から帰れないのか?」という問いには、「稀にそのような現場はあるが、スキルさえあれば転職によって回避できる」と答えることができます。
IT業界は給料が安いのか?
IT業界の給料が安いかどうかは、「比較する業界によって決まる」としかいいようがありません。
医者や弁護士と比較すると低いに決まっていますし、介護士や保育士などと比べると高いといえます。
また、IT業界でひとくくりにしても、Googleのように年収1000万円を軽く超えるグローバル企業から安い給料しか払えない下請け企業まで様々です。
「ITだから給料が安い」というのは暴論でしかありません。
僕が推測するに、イケテないITエンジニアが、自分の会社の給与が安いのを「IT業界の給料が安い」とネットで愚痴っているのでしょう。
IT業界の給与に関して僕なりの結論を出すと、「稼げる技術を身に付ければ、学歴や特別な資格がなくても稼ぎやすい職種」だということです。
例えば、以下の求人では学歴不問で第二新卒歓迎の求人であるにも関わらず、月給は30万円スタートになっています。
未経験から仕事を始めて最初から月給が30万円を超える業界が、IT業界以外にいくつあるというのでしょうか?
こう考えたとき、「IT業界は給料が安い」という意見は、間違いだと言わざるを得ません。
当サイトが定義する新3K
これまでの説明で、IT業界の3Kが間違いだということがわかりました。
そこでここからは、当サイトの管理人ヤマダが考える「IT業界の新3K」について解説していきます。
僕はIT業界のことを3つのKで表現するなら、以下の3つの言葉を選択したいです。
- カッコいい
- 賢い
- 金持ちになれる
決してIT業界の太鼓持ちというわけではなく、現在のIT業界は上記の言葉がピッタリになっています。
1.カッコいい
IT業界で働く人たちは、皆カッコいい人たちです。これは、顔やファッションのことをいっているわけではありません。
IT産業という、全ての産業と関わりが深い場所で、影響力を発揮しているところがカッコいいのです。
もはや、ITなしでは社会が成り立ちません。スマホ・ATM・予約システムなど、ありとあらゆるインフラがITによって支えられています。
人工知能(AI)によるホワイトカラー業務の自動化、RPA(業務自動化ツール)による単純作業の置き換えなど、IT業界の影響力は今後も増すばかりです。
また、少人数でも世界を変えられるプロダクトを提供できるところもカッコいいといえます。
Web上で自分が作った便利ツールを提供すれば、少人数でも世の中に大きなインパクトを与えることも不可能ではないのです。
例えば、ITエンジニアが活躍する現場の多くで、「秀丸エディタ」というエディタが使われています。これも、元々会社員をやっていた作者が自作ソフトウェアを世の中に公開して、どんどん影響力を持ったものです。
現在では、ほぼ全ての国民が携帯電話を持ち、携帯電話はWebとつながっています。
Webという販路を使えば、日本だけでも1億人、世界では60億人に対してリーチできるのです。
ちなみに、当サイトも管理人ヤマダが一人で制作しているサイトです。
僭越ながら、「日本中のITエンジニアたちが、転職の際に当サイトを訪れるようになれば、世の中に良い影響を与えるプロダクトの一つになるのでは?」と考えています。
このように、IT業界が世界に与える影響は、これからも増すばかりです。さらに、少人数からでも世界を変えられるITエンジニアは、どのような職種よりもカッコいいのです。
2.賢い
ITエンジニアは、賢い人たちです。より正確にいうと、賢さが仕事に反映されやすいのがITエンジニアなんです。
例えば、僕がかつて入社した開発会社では、社員一人一人の生産性をグラフ化していました。
そこでは、数倍程度の生産性の違いも当たり前の世界だったのです。
自分の生産性が高まったら、フリーランスエンジニアなどに転身して、産み出したプロダクトの分だけお金を得る人もいます。
例えば、以下の企業常駐型フリーランス案件は月80万円の仕事であり、年収約1000万円です。そこに加えて、副業をこなせば余裕で一千万円を越えます。
他にも、小規模な開発案件を受注して、自宅で仕事をこなすITエンジニアもいるのが、この業界の特徴です。例えば、小規模開発案件の仲介サイトでは、以下の画像が示すように5~100万円程度の幅広い仕事が募集されています。
賢ければ賢いほど、高い生産性を使って幅広い仕事ができるのがITエンジニアです。
3.金持ち
近年お金持ちになっている人の多くは、IT企業の創業者やITを駆使した企業を創業した人間です。ITは技術の発展と共に多くのチャンスが生まれるため、一攫千金を狙いやすいのです。
例えば、現在世界一の大富豪として度々紹介されるMicrosoftの創業者ビル・ゲイツは、パソコンが一般化するときにWindowsOSを普及させることに成功して、多くの財を築きました。
他にも、楽天市場で有名な三木谷社長は、インターネットが普及し始める時期にネットモールを立ち上げることで、多くの財を築いています。
上記のビル・ゲイツさんや三木谷社長が作り上げたプラットフォームの上でも、アプリ長者や有名ネットショップが大量に生まれたのです。
2010年代からは、スマートフォンがパソコンの役割を果たすようになり、新たなビジネスチャンスが生まれています。
なお、独立せずに会社員をするなら、外資系有名IT企業で働くのが高給取りになる秘訣です。
例えば、Googleで働くエンジニアは、以下の口コミサイトが示すように、とんでもない高給で働ける人もいます。
ここまで有名IT企業に入社するのは難しいですが、フリーランスエンジニアとしてマネジメントスキルを身に付けて独立すれば、以下のような案件で働くことができます。
上記は企業常駐型SEのフリーランス案件でしたが、受託開発で仕事を受注して、自宅で高年収を目指せるのもITエンジニアの特徴です。
さらに、ITエンジニアの時給が高い性質を生かして、週三日勤務やリモートワークに対応してくれる企業も増え続けています。
例えば、以下の求人では報酬を下げることで、週3日勤務を実現しています。
このように、ITエンジニアになるとお金を効率的に稼げるばかりか、生産性を武器にして最低限の労働時間で十分な収入を得ることもできます。
昨今のITエンジニア不足もあり、企業がITエンジニアに支払う報酬も増していくばかりです。
医者・弁護士のように難関資格に突破しなければならない職業とは違い、自分のスキルだけでお金を稼げるITエンジニアは最高の職業といえます。
3Kは間違いだ!
3Kという言葉は、元々「きつい・汚い・危険」という頭文字を取って作られた言葉でした。
IT業界の大変さを伝えるとき、安易に新3K「きつい・帰れない・給料が安い」を定義してしまい、必要以上にIT業界の悪い部分が強調されすぎてしまったように思えます。
実際には、僕はIT業界を選んだおかげで、「充実した生活・残業ほぼ0の生活・平均以上の年収」を手に入れています。
もちろん、僕もブラック企業に当たってしまい、人生が狂いかけた経験はあります。
当サイトの管理人ヤマダの転職失敗談が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ただし、IT業界の素晴らしいところは「一つの現場で身につけたスキルが他の現場でも通用する」というところです。
どのような業界にもブラック企業が存在する中、ITエンジニアとしてのスキルを身につけると、ブラック企業から逃れるための転職も容易だといえます。
これは、組織に残るしかない人たちにとって、誰もが羨ましがる労働条件なのです。