システムエンジニア(SE)がIT業界で長く活躍するには、正しいスキルを身につける必要があります。会社が支払うお金以上の仕事ができれば、年齢に関係なく重宝されるからです。
ここでいうスキルとは、ITスキル(技術力)だけではありません。
- 人と人とのつながりを作り出すコミュニケーション能力
- 自然とITスキルの向上を楽しめる処世術
- ITスキルと組み合わせてオンリーワン技術者になれるスキル
上記のように多種多様なスキルアップに取り組むことで、長期的にIT業界で輝ける人材になるのです。
現在では、将来安泰と思われていた一流企業が、突然倒産の危機に陥ることもあります。特にIT業界は、日進月歩で技術革新があり、昨日の勝ち組が今日の負け組になり得る業界です。
会社の仕事だけをこなしていて、ある日突然失業して転職もままならない状況に追い込まれては、目も当てられません。
そこでこのページでは、「変化の激しいIT業界でSEが生き延びるためのスキルアップ術」を解説します。
Contents
ひとつの会社に依存しないこと
IT業界で生き延びたいのであれば、ひとつの会社に依存してはいけません。常に、幅広い分野からスキルを獲得したり人脈を広げたりすることで、どこの現場でも通用する人間になれるからです。
特に、IT業界は、栄枯盛衰が激しいのが特徴です。運よく優良企業に入社しても、10年後には倒産していることもあり得ます。
そこで、自分のエンジニアとしての幅を広げる取り組みが必要になります。
具体的には、以下の5点は視野を広げられる活動です。
- 人脈を広げるのではなくコミュニティを作る
- 勉強会に参加する
- 専門誌を購読する
- 社内外に師匠を作る
- 各種スクールに通う
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.人脈を広げるのではなく、コミュニティを作る
IT業界で長年活躍したいのであれば、社外の人脈を大切にしてください。社内の人間関係だけで完結していると、企業の倒産や転職などで人間関係がゼロになってしまうからです。
このとき、人脈を広げようとするのではなく、「コミュニティを作る」ことを考えてください。
例えば、「Rubyを使用して、月50000円の広告収入が得られるWebアプリを作る会」のように、目的のある会を作るのです。
そこで、あなたと誰かが繋がるだけではなく、誰かと誰かが繋がる場所を用意してください。
たとえあなたが主役になれなくても、コミュニティを用意したあなたには、多くのメリットがもたらされます。
- マネジメント能力が身に付く
- コミュニティのメンバーから感謝されて、見返りがある
- 他業界の人と仲良くなれる
上記のようなメリットは、コミュニティを作ったからこそ得られるものです。
これは、ただただ大量の人と出会うだけの異業種交流会より、よほどためになる人間関係が構築できます。
(実際に、管理人ヤマダが作った「毎日一皮剥ける会」の福岡在住メンバーと、大阪で落ち合っている様子。何の会かは、秘密です。)
そもそも、異業種交流会は、「何となく、人と出会って人脈を広げたい」と考える人間の集まりです。人脈を広げたいもの同士が集まっても、打算的な会話になってしまう可能性があります。
一方、前述のような「共通の目標を持ったコミュニティ」であれば、同じ志を掲げた人たちが自然と集まります。
そこでの集まりは、一生の仲間ができるポテンシャルを秘めています。
2.勉強会に参加する
勉強会に参加するのも、IT業界で生き延びるために必要です。知識・スキル・レベルの高い人脈が手に入るからです。
例えば、自分が学びたい言語に関する勉強会に出れば、間違いなくその分野において自分より詳しい人と出会えます。
(管理人ヤマダが、某勉強会の後にビールを飲んでグダッている様子。)
休日に勉強会に集まる人たちは、お金のためにプログラミングをしている人と比較したとき、どのような特徴があるかを考えてみてください。
結論をいうと、彼らは「心からプログラミングを楽しんでいる人たち」が多いです。
あなたの会社にも、会社に命令されたわけでもないのに、新しい技術を学んでいる社員はいませんか?
そのような人たちが、ひとつの目的の元に集まって学習するのですから、会社で働いているだけでは出会えない人とも出会えます。
そこで、有能なエンジニアから刺激を受けてスキルを高めたり、人脈を作って転職に生かしたりできるのが、勉強会に参加するメリットです。
「コミュニティを作るのはハードルが高い」
このような考え方を持つ方は、まずは他人の勉強会に参加してみてください。
3.専門誌を購読する
専門誌の購読も、他のライバルに差をつけるために有効な手段です。業界の最新事情を追うことで、次に流行る技術などを見出だすことができるからです。
(大手書店では、通信販売でしか売っていない日経ネットワークなどが、特別に販売されていることも!)
例えば、現在インフラエンジニアにとって、仮想化の技術はどこでも使われるようになりました。
たまたま仮想化の技術を使っていない現場にいたとしても、専門誌を読んでいたら必ず目にする機会があります。
そこで、いち早く仮想化の技術を身につければ、転職市場で面接官から「うちに不足しているスキルを持ったエンジニアだ!」と判断されます。すると、経験不足や年齢の壁を破って、良い仕事を得られるのです。
IT業界では技術の移り変わりが激しく、ベテランより若手の方が特定の技術に詳しくなるチャンスがいくらでもあります。
学歴や今までの職歴に自信がない方でも、これから流行る技術を身に付けて、ステップアップしてください。
また、すでに良い仕事に就いている方でも、時代に取り残されないように、継続して業界の最新事情を専門誌で追うのが好ましいでしょう。
4.社内外に師匠を見つける
社内外に師匠を見つけるのも、IT業界で常に成長し続ける手段です。自分が目指すべき人間像を明確にすることで、現状の自分に足りないものがわかるからです。
(師匠たちからカメラを向けられて、ご満悦の管理人ヤマダ。)
このとき、社内では先輩や上司、社外では勉強会などのコミュニティメンバーに師匠(心の師匠を含む)になってもらうことでしょう。
そこで、「クレクレ君」になってはいけません。ちなみにクレクレ君とは、貰うことばかり考えていて与えることを考えない人のことです。
あなたは、貧乏人から「お金をクレクレ」とせがまれたら「うざいな乞食…」と感じませんか?
しかし、上記の不快さは、お金以外の「スキル」や「時間」でも同じことがいえます。
その人がスキル獲得に使った費用や、有能なエンジニアが持っている時間のことを考えずに、無料で受け取ることばかり考えていると、最終的には必ず嫌われます。
そうならないために、あなたは師匠に対して何かをお返しする必要があります。
例えば、相手が甘いものが好きだったら、行列ができる洋菓子店で買ったお菓子をプレゼントするのも良いかもしれません。
ほかにも、エンジニアは仕事で女性と絡む機会が少ないです。あなたに学生時代の女性の友人などがいるなら、女性を交えた飲み会を開催するだけでも、喜ばれる機会があるでしょう。
このように、師匠になって欲しい人間が何を求めているかを見極めて、積極的に与えることを意識してください。
これで信頼関係ができれば、師匠からスキルを頂く土台が出来上がっているといえます。
5.各種スクールに通う
オンリーワンのITエンジニアになるために、各種スクールに通うのも、IT業界で生き延びる秘訣といえます。
他のエンジニアにはないスキルを身に付けることで、あなたにしか出せない価値を生み出せるようになるからです。
例えば、運用SEの現場では、開発スキルを持った人間が少ないです。このような現場でExcelのVBAを使いこなせると、業務量を減らせるツールが開発できます。
「運用スキル + VBAスキル」という組み合わせで、オンリーワンの価値を生み出しているのです。
このような組み合わせは、いくらでも思い付けます。
例えば、IT業界では「英語」と出くわすことがよくあります。特に、海外製の機器を使う、ネットワーク業界や組み込み業界では、少し深いところを調べると英語の解説しか存在しないこともしばしばです。
そこで、英語を読むところまでは、エンジニアが何とか乗り換えられるところです。
しかし、「英語で、海外の方とメールでやり取りする」となると、大半のエンジニアが脱落します。
仮に、あなたが「海外の人とメールで意志疎通できるレベルの英語力を有している」となれば、あなただけの価値を出すことも容易いのです。
他にも、リーダーとして出世していくなら、「話し方教室」も面白いでしょう。
朝礼・夕礼・報告会・プレゼンテーションなど、まとめ役になればなるほど、人前で話す機会は増えます。そこで堂々と話せる人間は、それだけで頼もしい人間だと認識されるのです。
このように、スクールに通うことで多くのスキルを身に付ければ、ITスキルと組み合わせて独自の価値を生み出せます。
まとめ 自己成長を楽しめるエンジニアは無敵になれる
あなたがITエンジニアとして生きているなら、技術力だけで生きていけるエンジニアは少数だと感じているはずです。
- 業務知識
- 同僚と円滑に連携を取るコミュニケーション能力
- マネジメント能力
- 英語やトークスキルなど、技術力以外のスキル
上記のように、複数のスキルや知識を組み合わせて、自分独自の価値を出す必要があります。
そこで大切なことは、「ゲーム感覚で自己成長を楽しむこと」ではないでしょうか?
本記事で紹介した施策も、嫌々やっていたのではら何の意味もありません。
RPGで主人公を育てるのと同じように、ビジネスというゲームで自分を育てていると考えてみてください。
RPGでは、キャラクターのスキルを高めて、より強い敵を倒す冒険に出発していますよね?
ビジネスにおいても、新しいスキルで実績を上げて出世したり、Webサービスを立ち上げたりして、冒険のように世界を広げることができるのです。
ゲームのレベル上げは、ゲームに飽きたら無意味になりがちです。
しかし、ビジネスのレベル上げを実践すると、最低でも60歳まで続く仕事人生を楽しむことができます。