未経験からシステムエンジニア(SE)になろうとしたとき、身近な人やネットの書き込みから情報を得ようとするはずです。そこで、「SEはやめておけ」「未経験からSEはきつい」などの意見を聞くと、尻込みしてしまいます。
しかし、このような意見には注意が必要です。
例えば、「SEはやめておけ」というネットの書き込みも、ほかの業界を調べてみたら、「営業だけはやめておけ」「コンサルだけはやめておけ」のように、ありとあらゆる業界で「やめておけ」という意見が見受けられます。
実際には、未経験からSEになることは難しいことではありません。特に、SEとして職歴を積むと、転職市場で引っ張りだこになるITスキルが身につくので、積極的に挑戦しても良い仕事です。
ただし、未経験からSEになる方に特有の「きつさ」は存在します。その「きつさ」をあらかじめ把握しておかないと、転職後に心身が疲弊することもあり得ます。
そこでこのページでは、「未経験からSEになったときに「きつい」と感じる2つのポイント」と「未経験からIT業界で生き延びる必勝法」を解説します。
Contents
仕事のきつさを乗り越えるとSEの労働環境は天国になる
はじめに、「SEが仕事のきつさを乗り越えると、労働環境が天国になる」ということは、どうしても伝えておきたいです。どのような仕事も楽ではないですが、苦労の先に希望があるかないかで、仕事に対する取り組み方も変わってきます。
それでは、「きつさを乗り越えると労働環境が天国化する」とは、具体的にどういうことか?
結論からいうと、SEとして高スキル人材になることで働き方に多様性が生まれ、好きなように人生を設計できるということです。
例えば、就職先でステップアップして、「プログラマー → システムエンジニア → プロジェクトマネージャー」と成長する、普通の会社員としての道は当然あります。
しかし、IT業界では、転職にとってステップアップするのも一般的です。どんどん優良企業に転職して、労働条件を高められます。
ほかにも、フリーランスエンジニアとして独立して、中間搾取の少ない働き方に転身することもできるのです。さらに、近年ではリモートワークと呼ばれる、自宅に居ながら会社の仕事ができる企業も増えています。
どこの企業にも所属せずに、フリーで在宅仕事を請け負うエンジニアもいます。在宅ワークなら、週7日間働いていても誰にも文句を言われないため、ワーカホリックには最適です。
身につけたスキルで、起業家になる人もいるでしょう。
- 一企業で職種をステップアップ
- 転職で優良企業にステップアップ
- フリーランスエンジニアに転身
- リモートワークで楽々仕事
- 在宅フリーランスで好きなだけ働く
- 起業家になる
SEという仕事にチャレンジすれば、これだけの選択肢の中から好きな道を選べます。
現在では、企業が定年まで守ってくれなくなりました。ならば、どこでも通用する能力を身につけて、人生の選択肢を増やすのが正しい生き方です。
そして、人生の選択肢を増やせる職業が、SEという職種といえます。
IT業界の多様な働き方について、より詳しいことが知りたいなら以下の記事も参考にしてください。
未経験からSEになったときに「きつい」と感じる2つのポイント
ここからは、IT業界の仕事のきつさについて解説させてください。
未経験からSEになるには、「ある種のきつさ」を乗り越える必要があります。当サイトの管理人ヤマダは、コンピュータの専門学校を中退してベンチャー企業に就職した経緯があり、「新卒以外でIT業界に入ったらどのようなきつさがあるのか?」を身をもって痛感しています。
そこで、まずは未経験からSEになったときに「きつい」と感じるポイントを解説します。具体的には、以下の2点は未経験SEが苦労するところです。
- 学校のように手取り足取りスキルを教えてもらえるわけではないので、終業後の学習も必須
- 納期に追われるので、体力と精神力が必要
これらの事実から目を背けてはいけません。「何がきついのか?」を理解しているだけでも、痛みは軽減されます。
(不意打ちで殴られると耐えられないものですが、殴られる場所とタイミングさえ理解していれば、我慢できるのが人間です。SEのきつさなど、実際に殴られることに比べれば、軽いものですよ。^v^)
それでは、順を追って解説させて頂きます。
1.学校のように手取り足取りスキルを教えてもらえるわけではないので、終業後の学習も必須
新卒ではなく中途採用でSEになった場合、横並びの研修があるとは限りません。また、軽い研修だけでは必要なスキルは身につかないため、終業後にも自主的に学習する必要があります。
企業は学校ではないので、手取り足取りスキルを教えてもらえることを期待してはいけません。
この事実は、あなたが企業に雇われていることを考えれば、すぐに理解できるはずです。企業はあなたの労働力にお金を払っており、給与以上の働きを期待しています。
そのため、少なくとも周囲の同年代のスキルレベルに追いつくために、終業後にも学習する必要があるのです。未経験だからという言い訳をしていれば、そのうち会社に居場所がなくなるでしょう。
これは、厳しい現実です。ただし、時間の使い方を工夫することで、学習時間を捻出することは可能です。
例えば、IT業界は、職場が都会に集中していることが多く、通勤には電車を利用する機会があります。出勤時と帰宅時で合計1時間程度使えると仮定すると、1年間で245時間の時間を捻出できます。
(365日 – 年間休日120日 = 245日 × 1時間 で計算)
この時間を使って、プログラミング言語の構文を覚えたり、アルゴリズムの学習に費やしたりすれば、相当な実力が身につくはずです。
プログラミングの学習はパソコンの前でやりたいというなら、資格学習の時間にも使えます。
僕の実感ですが、SEの中で通勤時間などを学習に充てている人は、全体の一割程度だと考えられます。現状、周囲に後れを取っていても、毎日コツコツ積み上げれば、数年後には十分追いつけます。
2.納期に追われるので、体力と精神力が必要
(SEの仕事に体力が必要と気がついて、ダンベルを上げ始めた管理人ヤマダ)
あなたが開発系のSEになる場合、必ず納期が存在します。「ソフトウェアを開発して、顧客に納品する期日がある」ということです。
SEの仕事では、どうしても納期前に残業が発生します。開発中にも仕様変更が繰り返されることなど日常的であり、当初の予定通りに開発が進まないことがあるのです。
そのような事態でも、仕事でやっているため、「できませんでした」では済まされません。バグを0にすることは難しくても、一応の完成形までは持っていかなければならないのです。
ここで、無理な残業や徹夜作業がある場合、相応の体力が必要になります。
さらに、未経験からSEになった場合、体力だけではなく精神的につらい思いをする可能性があります。
なぜなら、自分自身のスキル不足のために、「自分がこれから覚えるスキル(未知のスキル)を使って、納期までにソフトウェアを完成させろ」と、無茶ぶりされているような状況に追い込まれるからです。
実際には、実力に応じて仕事が割り振られるので、大抵の場合はソフトウェアは完成するものです。ただし、納期前になると、普段は人間のできた先輩でも、あなたに構ってられる時間はなくなります。
このような精神的なプレッシャーを、必ず乗り越える必要があるのが、未経験SEの辛いところです。
なお、納期前のプロジェクトを乗り越える秘訣は、「嘘だけはつかないように気をつけること」です。
「分からないなら分からないと伝える」「出来そうでないなら、出来そうにないことを伝える」ことを心がけて、プロジェクトに迷惑をかけないようにしてください。
時には無能扱いされて、悪態の一つもつかれるかもしれません。
しかし、これもプロジェクトに不測の事態を起こさない処世術なのです。しょせん悪態や説教では、肉体的なダメージまでは受けないと考えて、我慢してください。
プロジェクトが終われば、いつもの優しい先輩が戻ってくるでしょう。^v^
未経験から挑戦するときは、体調が万全であることが前提
ここまでの話で、未経験SEが「きつい」と感じる状況が理解できたはずです。あらかじめ、どのような苦しさがあるのかを理解していれば、これらの状況も楽しめるかもしれません。
また、未経験からSEに挑戦して、新人のきつさを乗り越えるためには、「体調が万全である」ことが必須になるでしょう。精神的にも、肉体的にも万全な状態で転職しないと、転職後に挫折してしまう可能性が高まります。
あなたが現在、体調が万全ではないなら、転職は控えるべきです。
また、現在の体調が万全で、転職を検討しているなら、SE転職後も体調を維持できるような習慣を持つのが望まれます。
例えば、一日中コンピュータの前に座っていることもある職業なので、運動不足が予想されます。そこで、ランニングを趣味にしたり、駅から自宅までを歩いて帰ったりする習慣を持つことで、運動不足を解消できます。
ほかにも、目や手からくる肩こりや、椅子に座り続けることによる腰痛に悩むSEは多いです。あなたが同じ悩みを持たないように、あらかじめ評判の良い整体師を見つけるのも一つの手段です。
このように、工夫次第でSE特有のストレスを解消することを意識してください。
SEの職場で溜めたストレスを解消して、心身ともに健康を維持する方法を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
未経験からSEに転職するなら、「転職する前提」で悪い条件を3年我慢する
未経験からSEに転職するなら、「いずれは好条件の職場に再転職する前提」で悪い条件を3年我慢する気概を持つ必要があります。スキルの習熟度には人それぞれ違いがありますが、SEとして3年働けば転職市場でも歓迎されるようになるからです。
例えば、職務経歴書やスキルシートにスキルの習熟度を記載するときも、「経験年数を記載する項目」は用意するものです。
技術担当者はスキルの習熟度を深掘りしてきますが、非技術者の場合、経験年数だけでおおよそのスキルを測ろうとする場合もあります。
転職市場が発達した現在でも、「まずは3年働いてからじゃないと…」と考える面接官も、まだまだ多いです。彼らを納得させるために、3年ほどは悪い条件でも働き続ける気持ちを持ってください。
そこで、職場内・職場外を問わず、ITスキルを磨く行動を起こせば、3年後には条件の良い企業に転職できるでしょう。
ちなみに、IT業界の中で最も潜り込みやすいのは「SI業界」です。この業界は、建築業界と同様のピラミッド構造を取っており、一つの元請け企業の下に、多くの下請け企業がぶら下がっているような業界です。
具体的には、以下のような構造を取っています。
この業界は、ピラミッドの下のほうであれば、SE未経験で学歴がなくても採用されやすいのが特徴です。また、元請け企業では設計やマネジメントしかせず、下請け側ではプログラミングや設計などを行うのも、この業界の慣習です。
この慣習も、未経験から開発スキルを身につけたいと考える方にとっては、好都合です。
仮に、労働条件の悪い企業で働くことになっても、複数の企業から派遣されたSEが集まって開発を行っているため、プロジェクト内にはスキルの高いSEも在籍しています。
そのようなSEと仲良くなり、知識やスキルを積極的に吸収するのが良いでしょう。
例えば上記求人は、SI業界の求人の典型例です。SI業界の求人では、「多くのプロジェクト先に出向すること」が表記されています。
また、最低月給が27万円で最高月給が60万円と、給与の幅が大きいです。未経験から働くなら、ここで「今は最低の27万円でも、お金をもらってスキルを身につける時期だ」と考えてください。
スキルが身に付いた数年後は、会社に給与を交渉したり条件の良い会社に転職したりできます。ずばり、会社を上手く利用してください。
なお、未経験から好条件を狙いたいなら、自社開発のサービスを展開している企業を当たってみるのが最善です。儲かるビジネスモデルを構築していた場合、人材の教育などで余裕がある可能性が高いからです。
あなたが、学歴や職歴などでポテンシャルを証明できる自信があるなら、始めから優良企業を狙って転職活動を開始してください。
正社員経験がないなら今すぐIT業界へステップアップ、現状正社員ならSEがダメでも戻れる算段をつけたほうが安全
未経験からSEになりたいなら、現状のあなたがどのような立場で働いているかも大切です。戦略的に転職したほうが、職歴を汚さずに済むからです。
例えば、あなたが正社員経験のないままフリーターとして働いているなら、今すぐSEの世界に飛び込んでください。
フリーターとして働いていても、スキルが身に付かないことが多いからです。
また、フリーターとしての職歴は、職歴としてカウントされないこともあります。失うものが少ない状況下では、迷わずSEに挑戦したほうが得られるものが多いでしょう。
一方、すでに正社員経験があるなら、注意が必要です。
例えば、営業職を一年やっていて、SEへの転職を検討している場合、最初の転職は何とか上手くいくはずです。
しかし、SEという職種がどうしても向いておらず、一年足らずで辞めてしまう人も中にはいます。
すると、「営業職の経歴が一年」、「SEの仕事が一年足らず」という何とも中途半端な職歴になってしまいます。これでは、営業職に戻りたくても戻れない可能性まであります。
この場合、最低でも営業職の経験を2年ほど積んで、SEが駄目でも元の職種に戻ってこれるようなキャリアの積み方をしておくと、失敗時の保険になります。
ただし、「新入社員として入社してから3カ月で、すでに在籍している企業と合わない」のように、さまざまなスキルを積み上げる前の段階で仕事が合わないと結論づけているなら、早急に転職を開始したほうが良いでしょう。
あなたを雇っている企業にとっても、仕事や企業風土が合わないまま愚痴を言われて続けられるより、別の場所に転職してもらったほうが、新しい人材を採用できるのです。
このように、SEに転職する前に、「現在の仕事との兼ね合い」を考える必要があります。
まとめ
未経験からSEになることは、難しいことではありません。SE特有の「きつさ」をあらかじめ理解しておくことで、きつさへの耐性を身につけておいてください。
また、仕事の成長段階では、多くの失敗や辛さが存在します。
SEに転職する前に、心身ともに万全な状態にして、辛さを乗り越えられる状態を維持してください。
そのうえで、以下の2点を心がければ、失敗を最小限に抑えて、最大の結果を得られます。
- 「再度、優良企業に転職するという前提」で、悪い条件を3年だけ我慢する
- SEがダメでも、元の職種に戻れる算段をつけておく
これらの事実を理解していれば、未経験からSEに挑戦するにあたっての障害は、一つもありません!
プログラマー・SEという仕事に興味があるなら、以下の記事も参考にしてください。
SEに挑戦する気持ちなら転職エージェントに登録してください
SEに挑戦する気持ちなら、SE専門の転職エージェントに登録するのが一番です。特に、未経験からSEになるなら、業界知識が豊富な転職エージェントに登録することで、あなたを使い倒そうとするだけのブラック企業を避けられます。
ここからは、管理人の未経験向け転職エージェントを紹介します。
・マイナビエージェント×IT
業界トップクラスの求人を抱えているのが「マイナビエージェント×IT」。また、首都圏だけでなく全国に対応していることも、大手ならではの魅力です。
独学でプログラミングを学んだりプログラミングスクールに通ったりしている人なら、未経験でも仕事の紹介を受けられます。
取り扱っているIT業界の職種が、以下のように大量にあるところも大手企業ならではです。
- プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- システムエンジニア(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- プログラマー(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- 社内SE
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
- データベースエンジニア
- システムコンサルタント(業務系、テクニカル系)
- パッケージ導入コンサルタント(ERP、CRM、SCM等)
対象年齢 | エリア | 未経験 |
20~30代 | 全国(首都圏・関西圏多数) | 〇 |