システムエンジニア(SE)が求人を探すとき、複数の選択肢があります。その中から、「SEの求人数が多い」・「サポートが手厚い」・「手軽に応募できる」などの条件で絞り込み、理想のサービスを見つけることになります。
ここで、SE転職に向いているサービスを選ばなければ、労力だけが発生し結果が得られないこともあるのです。
SEの仕事で忙しい中、余計な時間を使わないためには、求人の探し方を知っておく必要があります。
そこでこのページでは、SEが転職するときの求人の探し方と、サービス別のメリット・デメリットを解説します。ちなみに、本日解説するのは、以下の3サービスです。
- 転職サイト
- ハローワーク
- 転職エージェント
順を追って解説させて頂きます。
Contents
転職サイトに登録
転職サイトとは、会員登録することでサイト上に掲載されている求人に応募できるサイトのことです。
インターネット以前では求人情報紙だったものが、インターネットの世界ではWebサイトで同じことをやっていると考えてください。
誰でも閲覧や応募ができるもの・会員登録をしないと利用できないもの、などサイトによって特色があります。
しかし、概ね以下のようなメリット・デメリットがあるため、それぞれ解説します。
メリット1.好きなタイミングで使える
転職サイトは、24時間365日、好きなタイミングで利用することができます。基本的に、サイトにあるすべての求人が公開されているため、自分のタイミングで閲覧したり応募したりできます。
例えば、夜勤の仕事をしていて、夜の時間にしか自由な時間が確保できないとします。
この場合でも、サイト上から簡単に応募して、面接の日程調整などを行えるのは、従来の求人情報紙にはないメリットです。
メリット2.サービス数が多い
転職サイトは、現在インターネット上に大量に存在します。1つのサイトに不満がある場合、別のサイトに登録して利用することができます。
また、登録してもサイト側からしつこい連絡がくることもありません。
転職サイトに登録した後は、機械による自動メールの連絡がくるぐらいのものです。
そのため、転職サイトに登録するための無料メールアドレスを取得しておけば、登録後に余計な営業メールに悩まされることもないでしょう。
デメリット1.面接対策や日程調整など、すべて自分で行う
転職サイトを活用する場合、応募後の日程調整や面接対策などは、すべて自分一人で行う必要があります。
そのため、初めて転職する場合、履歴書の書き方や面接における応対を間違えたまま、複数の企業面接に臨んでしまうことがあり得るのです。
例えば、履歴書の志望動機一つを取っても、「なぜ、その会社を志望しているのか?」・「いかにして会社の利益に貢献できるか?」などを的確に記載する方法論は存在します。
このようなノウハウを何も知らないまま面接を続けても、面接の突破率は高くなりません。
一人で転職活動を行うときは、誰かに相談するときと比較して、「客観性を失ってしまいがち」という点に注意してください。
それでも一人で転職活動を行いたいなら、以下の記事で履歴書の書き方を学んでください。
デメリット2.SE専用の転職サイトが多いわけではない
転職サイト自体はインターネット上に数多く存在します。
しかし、SE専用の転職サイトが多いわけではありません。
SEに限定している場合、転職サイトの求人数が多くても、SEの求人数には数に限りがあります。
結局のところ複数サイトに登録して、理想の求人を探すことになるため、後述する転職エージェントと相談して転職を決めても、手間は変わらない傾向にあります。
ハローワークの活用
ハローワークは、別名「公共職業安定所」とも呼ばれています。その名称の通り、国が運営する職業斡旋機関です。
ハローワークでは、職業訓練の案内・仕事の紹介・失業保険の給付など、失業者に対してさまざまな支援活動を行っています。
ハローワークで仕事を探すメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット1.より地元に密着した企業を見つけやすい
ハローワークで仕事を探すと、より地元に密着した企業の仕事を探すことができます。
特に、中小企業の場合、大手の転職サイトを利用しても人材が集まらないため、ハローワークで人材を募集していることがあります。
そのため、地元企業でITの知識を活かせる仕事につきたいのであれば、ハローワークを活用しても良いでしょう。
メリット2.お金はないが伸び盛りの企業が求人を出している
お金はないが伸び盛りの企業が求人を出していることがあります。これは、企業側がハローワークに求人を出すのが無料であることに理由があります。
例えば、管理人が人生で初めて就職したベンチャー企業は、ハローワークの紹介でした。
就職した当初は、アパートの一室で経営していたぐらい、とにかくお金がない会社だったのです。
しかし、一年後には20人規模になるほど成長し、僕が辞める頃には、街の求人情報紙やインターネットの転職サイトに求人を掲載できるまで、会社が成長していました。
この会社では、立ち上げ期に入社できたこともあり、20代前半ながらマネジメントや採用活動まで担当することができました。
このときの経験が、後々のキャリアに繋がったことは言うまでもありません。
このように、設立したばかりの伸び盛りの企業に入社すれば、重要なポストにつける可能性も高まるのです。
メリット3.ハローワーク職員によるサポートがある
ハローワークでは、職員による職業の紹介や助言が受けられます。
また、ハローワークの求人に応募するときは、原則としてハローワークを通さなければならないため、そこで指摘を受けることもできます。
僕の例でいえば、勤務地があまりにも遠すぎる企業に応募しようとしたとき、先に電話連絡で大丈夫かどうかを確認してもらった経験があります。
そのときは、企業側が近場の人材を探していたこともあり、応募前にNGだということが判明しました。
このように、採用される見込みのない企業を最初から省いてくれるのは、ベテランの職員がいたからだと考えられます。
それ以外にも、定期的に再就職のセミナーなどが開催されているため、転職を考えているなら、最寄りのハローワークに行ってみるのも良いでしょう。
デメリット1.ブラック企業が多い
ハローワークでは、どのような企業でも無料で求人を出すことができます。そのため、ブラック企業が混じっている可能性も高まります。
通常の転職サイトであれば、求人を掲載するだけでもお金がかかります。企業側も、よくよく検討して求人の掲載を決めるでしょう。
一方、ハローワークであれば無料でいつでも求人を出すことができるのです。そのため、「とりあえず出しておく」というタイプの求人が多いのがデメリットです。
また、定期的にハローワークの求人を確認していると、毎回出ている求人があります。
このような求人も、人材を積極的に採用している時期でなければ、「ブラック企業だから人が集まらない」だけの可能性が高いです。
ハローワークで応募する前には、募集企業のホームページやネットの情報も、あわせて確認することを心がけてください。
デメリット2.応募が面倒くさい
ハローワーク経由で仕事を探す場合、ハローワークを経由しなければなりません。
企業によっては、ハローワークの紹介状を必須としているため、ハローワークに出向いて応募しなければならないのです。
これは、民間のサービスにはない面倒くささです。
しかし、応募する際に応募者数を聞くこともできるため、倍率が高すぎる求人を避けるメリットもあることは留意してください。
転職エージェント
転職エージェントとは、会員登録すると求職者一人ひとりに担当者がついて、転職を支援するサービスのことです。
担当者と希望職種や条件を話し合い、自分にとって最適な企業の紹介をうけることになります。
転職エージェントは、企業に人材を採用させて利益を得るビジネスモデルです。そのため、仕事の紹介だけではなく履歴書の作成や面接対策まで、フォローがあるのが特長です。
転職エージェントを利用するメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット1.細かいサポート
転職エージェントでは、細かいサポートが受けられます。転職エージェントは転職希望者を採用させて利益を得ているため、本気のサポートが受けられるのが特長です。
例えば、履歴書の書き方ひとつとっても、採用する企業側の立場から適切な助言を受けることができます。
転職サイトを利用して自分一人で転職活動を行っていた場合、自分の問題点を企業側から指摘されることはありません。
間違いを犯したまま面接の数をこなすより、最初に的確な助言を受けたほうが効率が良いのです。
また、転職エージェントによっては、面接対策を受けられることもあります。
企業側は、面接の際の応募者が、応募者の最高の姿だと認識しています。面接の応対に失礼なところがあると、それだけで不採用が決定してしまうこともあるのです。
現在では、スマホの撮影機能を活用して自分の話している姿を録画することが可能です。そこで、自分が客観的にどう見えているかを判断することはできます。
しかし、そのような煩わしい作業を行わずとも、転職エージェントに模擬面接を実施してもらえば、採用される面接テクニックが身に付きます。
他にも、採用後の給与の交渉なども、自分の代わりに行ってくれるのが、転職エージェントのメリットです。
給与は転職するに当たって、もっとも重要な要素のひとつになります。
しかし、面接中に給与のことを逆質問すると、業務内容を逆質問した時と比較して、印象が悪くなるものです。
そこで、転職エージェントに代わりに交渉してもらうことで、面接中は自分の印象を高めるための逆質問に集中できるのです。
このように、転職エージェントでは、採用前の履歴書や面接対策から、採用直前・採用後の給与交渉まで、転職者を総合的にサポートしてくれます。
メリット2.専門性が高い
現在では、SE専用の転職エージェントサービスが充実しています。このような専門性の高いエージェントを利用すれば、IT業界に理解のある担当と相談しながら転職を進めることができるのです。
例えば、自分が開発系SEとしてのキャリアを積んでいるとします。
このとき、開発系SEとしてスペシャリストになっていくか、それともマネジメントができるSEになっていくか、悩んでしまいがちです。
ここで、自分の市場価値をもっともよくわかっているのは、専門性の高い転職エージェントです。
彼らは、多くのSEを企業に採用させてきた実績を持っています。あなたが何をすれば理想のキャリアを構築できるのかを、的確に助言することができるのです。
多くの転職サイトやハローワークでは、業界ならではの知識を深く理解した上でサポートできる人は多くありません。
SEであれば、SE専用の転職エージェントが存在するため、積極的に有効活用してください。
デメリット1.現在と同職種を勧められる可能性が高い
転職エージェントを活用すると、現在と同職種を勧められる可能性が高いです。現在と同職種の面接を受けたほうが、採用される確率が高まるからです。
これは、転職エージェントのビジネスモデルを考えれば理解できます。
転職エージェントは、企業に人材を採用させて手数料で利益を出すビジネスです。採用確率の低い企業を受けさせても、お互い徒労に終わってしまうと考えてしまいがちです。
中には、強引にブラック企業を受けさせる、悪質なエージェントも存在します。
転職に失敗しないために悪質なエージェントを見極めたいなら、以下の記事も参考にしてください。
別職種に転職することも考慮しているなら、複数の転職エージェントに登録したり、通常の転職サイトで自主的に別職種の面接に臨んだりする必要があります。
2.煩わしい時間のロスが発生する
転職エージェントを利用した場合、転職活動に時間がかかる可能性があります。それは、面接の日程調整などが、以下のようになるからです。
自分→転職エージェント→企業
自分←転職エージェント←企業 |
また、基本的には、面接のときに初めて企業の担当者と会話することになります。そのため、電話応対やメール対応で「どのぐらいのレベルの企業か?」を判断できないまま、面接に臨むことも一般的です。
このようなやり取りが煩わしいと思う場合、転職サイトを使用したほうが無難です。
しかし、それでも転職エージェントを使うメリットはあります。
例えば、転職エージェントと該当企業が長い付き合いだったとします。この場合、すでに転職エージェントと企業の採用担当者の間に信頼関係が生まれていることがあります。
すると、「いつも優良な人材を紹介してもらっているし、この転職エージェントの紹介だから、採用してみよう」と企業側に考えてもらえることがあるのです。
これは、一から信頼を獲得しなければならない他の手段では考えられないメリットです。
まとめ:上記3サービスの比較
上記の3パターンが、SEが転職活動を始めるときに求人を探す手段となります。他にも、街の求人情報紙などを使う手段はありますが、SEの求人数があまりにも少ないため、今回はカットしています。
また、上記の3パターンのメリット・デメリットは以下のようになります。
転職エージェント | 転職サイト | ハロワ | |
求人数 | 〇 | ◎ | ◎ |
専門性 | ◎ | △ | △ |
手軽さ | 〇 | ◎ | △ |
企業情報 | ◎ | △ | △ |
転職のサポート | ◎ | △ | 〇 |
初心者向け | ◎ | △ | ◎ |
このように、複数のサービスを比較すると、転職エージェントが大きなデメリットのない選択肢だということがわかります。
ただし、手軽さや求人数では転職サイトに分があるため、転職上級者であれば転職サイトを利用するのも良いでしょう。
そこで、複数の転職エージェントに登録したり、「転職エージェント + 他のサービス」という選択肢を取ったりすることで、一サービスでは網羅できない部分をカバーするのが、SE転職にとって最適だということが分かります。