あなたがシステムエンジニア(SE)になりたいと考えていても、働き方がイメージしづらいことがあります。IT業界で働いた経験がないと、実際の働き方はわからないものです。
ここで、働き方を理解しないまま、SEに転職してはいけません。転職後に、こんなはずではなかったと後悔する羽目になります。
反対に、平均的なSEの1日の仕事の流れがわかれば、あなたがIT業界に飛び込む勇気が湧いてくるでしょう。
プライベートな時間を事前に算出することで、家族と過ごす時間を身内に相談したり、自己研鑽に費やせる時間帯を把握したりできるのです。
そこで今回は、当サイトの管理人が複数職種のSE経験を元に、「平均的なSEが過ごす、1日の仕事の流れ」を解説します。
Contents
データセンターでの運用SE時代
8:15 | ■出社 8:30の始業時間までに、メールチェックや経済誌確認 |
8:30 | ■朝礼開始 その後、チームメンバー6名と、スケジュール認識合わせ |
8:45 | ■業務開始 午前中はデータセンターへの入館申請に対応 |
12:00 | ■昼休憩 チームのメンバーと昼食 |
13:00 | 各種Windowsサーバーのバックアップデータ収集 |
14:00 | 不正ログイン確認のためのログ収集 通常とは違うログが存在したため、上司に報告 |
15:00 | 上司が不正ログの原因を解決 |
15:30 | 上司から、ログの簡単な見方やおすすめ参考書籍のレクチャーを受ける |
17:00 | 週報と日報の作成 |
17:30 | ■定時退社 |
上記は、データセンター内の運用SEとして、ネットワーク業務に従事していたころの、僕の1日のスケジュールです。
始業時間の15分ほど前に出社して、パソコンを立ち上げたり、メールをチェックしたりしています。また、厳密にいうと仕事は開始していないため、経済の週刊誌を読んで、世の中の経済の動きを把握しています。
始業時間がくると、形式だけの朝礼(笑)が始まり、次にチームのメンバーによる「スケジュールの認識合わせ」が行われます。
この職場では、自分がやるべき仕事を30分単位でスケジュールしなければならず、前日から予定表を作り、チームのメンバーと共有しています。
顧客のセキュリティに関わる仕事をしていることもあり、規律が厳しい企業といえるでしょう。
ミーティングが終われば、作業を開始します。この日は、データセンターに入館申請を受理する仕事に午前を費やしました。
セキュリティの厳しいセンターだからこそ、このような仕事も存在します。ITの技術的にどうのこうのというよりも、ヒューマンエラーを起こさずに処理する仕事も運用SEの世界では多いです。
昼休憩になると、チームのメンバーと昼食に向かいます。普段からコミュニケーションを取っていると、ミスが起こったときなどにも、心理的にカバーしやすい雰囲気になります。
「知らん人が突然オナラをしたらムカつくけど、友達が突然オナラをしたら面白い」というやつです。
いくらSEが技術職だといっても、技術だけで仕事をしているわけではありません。また、どのような職場でも人間関係の不満は発生するものです。
そこで、普段からチームのメンバーとコミュニケーションを取り、「こいつは仲間だ」と思われるのは、実はSEが職場で円満に働くために最も重要です。
午後からは、サーバーのバックアップデータ・ログ収集の仕事をしています。これは、定期的に行うことが決まっている定型業務で、これ以外にも多くの細かい定型業務はありました。
データセンター内は、場合によっては窓のない部屋で作業することもあり、時々こうして席を外す機会があるのは良いことです。
コンピュータ系の仕事は気が滅入ってしまう人も多いので、無理やりにでも用事を作って、定期的に外の空気を吸うと良いでしょう。
その後、上司にログが通常のモノと違うことを報告すると、即座に原因を解決してくれました。この日は、時間的な余裕はあったため、「なぜ、そのログで問題がないか?」「日経ネットワークを購読すると勉強になる」など、技術的な解説からアドバイスまで受けました。
最後は、日報や月報を仕上げて、定時退社です。
ちなみに、データセンターに入館するためのカードキーは、絶対に紛失してはいけなかったので、業務終了後の飲み会は禁止されていました。
カードキーを失くしたら、当事者の解雇や、上司の左遷までありうるレベルです。
このような事情があり、お昼休憩が、唯一メンバー同士でコミュニケーションが取れる場となっていたのが、この職場の特徴でした。
物流系システムの開発系SE時代
9:30 | ■出社 フレックス制なので、始業時間を1時間コントロールできる 先輩の書いたソースコードを読む |
10:00 | ■始業 物流システムの操作画面の詳細設計をExcelで作成 |
12:00 | ■昼休憩 昼休憩直前に、詳細設計を上司に提出 |
13:00 | ■報告会 それぞれの社員が、赤字社員か黒字社員かを表としてまとめたグラフを見る 凄腕プログラマーの実力に感嘆 |
14:00 | ■会議終了 詳細設計のOKが出るまで、上司のソースコードを読む |
14:15 | 詳細設計のOKが出たので、プログラミングを開始 |
19:00 | ■退社 同僚と飲み会 |
上記のスケジュールは、僕が物流システムを開発する企業に勤めていたころのものです。この会社では、自社の社員を客先に常駐させることなく、すべて仕事を自社に持ち帰って業務を行っていました。
この企業には、フレックスタイムという制度がありました。これは、総労働時間内であれば、出社時間と退社時間を社員が自由に決められる制度です。
凄腕の開発者を有する企業では、このような制度が整っていることがあります。個々が自分のペースで、最大限の力を発揮すればよいと経営者が考えていた場合、「皆で一緒に…」という日本的な考え方にはこだわらないのです。
あなたも、これからSEになるなら、フレックスタイム制を導入している企業はねらい目です。凄腕の開発者は、ストレスなく働ける職場を好むため、そのような人に囲まれていると自分のスキルアップにもつながります。
始業時間後は、プログラムの詳細設計から始めています。この職場は少数精鋭の組織だったので、「プログラムの基本設計、詳細設計、実装、単体テスト」まで、すべて自分で行います。
あなたがSE未経験であれば、イメージしづらいかもしれませんが、以下のように認識しておいてください。
- 基本設計→大まかな設計
- 詳細設計→画面構造や機能などをすべて洗い出した設計
- 実装→プログラミングによって、ソフトウェアを開発
- 単体テスト→ほかのSEのプログラムとは結合せずに、自分のプログラムだけをテスト
小規模な企業だからこそ、分業ではなく多くのことを自分でこなせるSEになる必要があり、多くの能力を見つけることができました。ちなみに、小規模な企業のほうが、ビジネスの単位が小さいので事業の全体像が見えやすいです。
独立心が旺盛な方は、意識しておいてください。
昼休憩の後は、フレックスタイムで出社した社員が全員揃っていることもあり、「報告会」が開催されました。この企業では、社員一人ひとりの生産性を計算して、どの程度会社に黒字をもたらしているのかを、Excelの表にして公表していました。
そのため、凄腕のSEであれば、年齢が若くても多くの報酬を受け取るという仕組みが実現していたのです。僕は、大先輩や凄腕SEの実力に、感嘆するばかりでした…。
会議の終了後は、詳細設計を元に、プログラミング作業を開始しました。その後に余計なスケジュールが入っておらず、集中してプログラミングを行い、無事に定時を迎えました。
その後は、同僚との飲み会です!
SEには大人しい系の人が多く、飲み会をしていても悪ノリなどがなくて、居心地が良いです。スマホゲームの話題で盛り上がる人もいましたが、僕は上司から「仮想通貨で損した話」を楽しく聞いていました。
僕はすでに退職していますが、あの上司、今は仮想通貨で儲かっているのだろうか…。
ネットワークセキュリティ企業での運用SE時代
20:45 | 出社 退社まで外に出られないため、夜食と飲み物をコンビニで購入しておく |
21:00 | ■始業 基本待機 |
21:00 ~ 8:45 |
アラートが発生した場合のみ、手順書通りに対応。 |
9:00 | ■退社 うどん屋で大盛うどんを食す |
上記のスケジュールは、僕がネットワークセキュリティ企業で運用SEをやっていたころのものです。この企業では、夜勤専属の運用SEとして働いていました。
21:00~9:00という12時間労働の代わりに、3勤3休という特殊なシフトが組まれており、一か月でたった15日間働けばOKという職場でした。
この企業に入社した当時は、どうにかして経済的に独立するために、Webライターの仕事を開始したり、ホームページ制作の学習をしたりしていたので、自己成長よりも時間を捻出する必要がありました。
そこで、「突発的な残業が発生せず少ない労働時間でも稼げる、夜勤の運用SE」という立場を選択したのです。
ここでの仕事は、「運用オペレーター」とも呼ばれる仕事であり、基本的にはサーバーから届いたアラートに対して、手順書通りにサーバーを操作する仕事です。もちろん技術力が高いに越したことはありませんが、手順書以外の操作を行ってはいけないため、ミスなく作業を完遂することが第一でした。
ここでミスをしてしまうと、顧客企業からの損害賠償もありうる世界なので、間違った操作はご法度です。
しかし、そこさえ気をつけていれば、待機時間は何をやっても良いという自由な職場でした。
僕はそこで、Webライティングの学習書をスマホでこっそり読み、就業時間中ながら自分を高めていました。同僚や上司は、ずっとスマホゲームばかりしていたので、僕のやっていたことに文句はつけられないでしょう。
本記事の最初に紹介した運用SEの会社とは、180度運営方針が異なります。
始めに紹介した会社でも、運用オペレーターの社員はいましたが、飲食禁止、遊び禁止と、制限が多かったです。
一方、この会社では、おやつ自由、飲み物自由、待機時間の遊び時間が自由と、自由な職場でした。高い志がなければ、10年でも20年でも働きたいと考えてしまったほどです。
大手企業ではなく、独立系の中小企業だからこそ、このような目に見えないメリットが存在します。遊ぶために会社にいくのはご法度ですが、面接でそれとなく社風を探ることで、ストレスなく仕事ができるかどうかを判断するのはありでしょう。
最後に
本記事では、「SEの1日の仕事の流れ」を3つの例でお伝えしました。全ての企業で社風が異なるのが、大きなポイントです。
- 大手企業とその協力会社で構成されていて、体裁や規律を重んじる組織
- フレックスタイムを導入するなど、優れた開発者がストレスなく仕事ができる少数精鋭組織
- やることをやっていれば、遊んでいられる組織
あなたなら、上記の3つのうち、どの組織の一員になりたいと感じるでしょうか?
さまざまなSEを経験した僕から言わせてもらうと、仕事内容よりも、「組織の価値観が自分に合うかどうか?」で職場を決めるのもアリだと思います。
俗にいう、「世間的にしっかりしている人」になりたいなら、1の企業を選択するべきです。真面目な組織で一歩ずつステップアップしていくことで、規律を重んじるSEになれます。
「スキルを卓越させて、有能なSEとして合理的に働きたい」なら、2の企業で決まりでしょう。ストレスなく働けるように経営者が配慮していて、合理的に職場が回っているのも、有能な人物にとっては都合の良い組織です。
3の組織も、目的によっては十分選択肢に含まれます。「夢をかなえるための時間を確保したい」、「前職がブラック企業だったので一時的に楽な仕事に就きたい」などの理由があれば、ドンピシャな職場だからです。
極論を言えば、どの職場も仕事の進め方が異なり、新しい知識を覚えなければならない苦労は必ず発生します。
ただ、価値観の合う組織に長年いれば、おのずと組織の色に染まり、自分も同じような人間になれるでしょう。一度仕事を覚えてしまえば、価値観の合う仲間と働くのは快適です。
そう考えると、10年後に自分がどうなっていたいかを考えて、「組織の価値観が自分に合うかどうか?」で会社を決めることが、理想のSEに近づく秘訣となることは間違いありません。
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対象年齢 | エリア | 未経験 |
20~30代 | 全国(首都圏・関西圏多数) | 〇 |