誰もがシステムエンジニア(SE)になりたての頃、目の前の仕事に一生懸命取り組んでいたと思います。全てが初めての経験であり、学生時代と比べて経済的な自由度が高まり、未来が輝いていたことでしょう。
しかし、長年SEをやっていると、過去の経験から「また、このパターンか…」と感じる機会が増えます。
これは、ある側面から見ると、経験を積んだことで問題に対して適切に対処できる実力がついたともいえます。
一方、別の側面から見ると、同じパターンの仕事を経験することで仕事に飽きてしまい、「モチベーションが湧かない」という問題に直面しているともいえるのです。
実際、僕の同僚でも、ホワイト現場で安定した働き方を実現しているのに、「成長を感じられなくなった」という理由で転職してしまう人がいました。ただ、世の中には家庭などを背負っており、気軽に転職できない人もいるのです。
そこでこのページでは、「SEがモチベーションを保つ方法」について解説します。
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どのような仕事も最後は飽きる
自分の仕事に対してモチベーションが湧かなくなるのは、SEに限った話ではありません。僕はSE以外にも、製造業などで働いていましたが、最終的には全ての仕事でモチベーションは低下していました。
自分のビジネスを所有したり天職に出会ったりしない限り、あなたが仕事のモチベーションを保てないのはおかしいことではないのです。
ただし、やる気なく仕事をしていると、上司からの評価が悪くなるほか、作業効率も落としてしまいます。
そこで、SEであれば以下の3点を意識して仕事に取り組むことで、モチベーションを保てばよいでしょう。
- ゲーム感覚で仕事に取り組む
- 自分が作りたいサービスを意識する
- ソフトウェアを開発しているのではなく、それを使う人間の幸せを開発していると考える
あなたがモチベーションを取り戻す方法は存在します!
1.ゲーム感覚で仕事に取り組む
ゲーム感覚で仕事に取り組むのは、SEがモチベーションを取り戻す手段の一つです。目標達成を数値化することで、自分がレベルアップしていく過程を楽しめば、モチベーションを保てます。
例えば、Aという定型作業に10分かかっていたとします。このとき、「Aを5分でこなすための方法はないか?」と考えるのです。
ここで、作業の効率化を図ったり作業を自動化するツールを作ったりすることで、作業時間を短縮してください。
ほかにも、1ヶ月分のミスをカウントしておいて、翌月には前月よりミスを減らすというのも、ゲーム感覚で取り組めます。
大事な仕事を忘れないようにするためには、Windowsのタスクスケジューラを活用できますよね?
大切な顧客からのメールを受信するとアラートが鳴るように設定することも、アウトルックを使えば可能です。
こうして、作業効率化とミス抑制だけでもゲーム化して取り組むことで、モチベーションを保ちながら仕事ができるSEになれます。
仕事ゲーム化の秘訣は「時間を意識すること」
仕事のゲーム化を進める秘訣は、「時間を意識すること」です。Windows画面の右下には、時計がついていますよね?
まずは、その時計を頻繁に確認する癖を身につけて、「○○時△△分までに××という作業にケリをつけるぞ!」という意識で仕事に取り組んでください。
自ら時間に追われる状況を作ることで、生産性を高められます。
ゲームでも、時間制限があると焦るのと同じように、仕事でも時間制限があることで、火事場のバカ力が発揮されるのです。
また、時間に追われて集中しているときは、時間を忘れてしまいます。作業開始から30分程度で時間を知らせるタイマーアプリの1つでも用意しておけばよいでしょう。
なお、人間が集中できる時間は決まっており、数時間も集中力は持続しません。
30分~45分に一度程度は5分ほどの休憩をはさみ、作業効率が高まるように自分の体を調整してください。
こうして、「限られた時間をどのように使うか?」を意識するのが、あなたの生産性を高めるのに効果的な手法です。
2.自分が作りたいサービスを意識する
将来自分が作りたいサービス(ソフトウェア)を意識して仕事をするのは、SEがモチベーションを保つ秘訣といえます。自分が構想しているサービスを生み出すために足りない知識を、仕事で吸収しようと考えるからです。
そもそも、SEになる人間は、一度ぐらいは「こういうサービスがあればなぁ…」と空想したことぐらいはあるでしょう。
そこで、「自分が作りたいサービスを実現するのにスキルが足りない」と思うなら、仕事で少しでもスキルを獲得して、自分が作りたいサービスの糧にすればよいのです。
もし、ここで「自分が作りたいサービスを開発するのに十分なスキルがある」と判断すれば、実際にサービスを作り始めてください。
プライベートでの開発ライフが充実しているなら、仕事での開発を楽しめる素質はあるはずです。
また、「自分が作りたいサービスはあるがスキルが足りず、会社で得られるスキルでは理想のサービスは開発できない」というのであれば、必要なスキルが身に付く会社に転職することをモチベーションにして働いてもよいかもしれません。
ようは、最終的な目的として「○○を開発したい」という強い動機があれば、そこに到達するまでの過程が登山の道中のように楽しくなります。
人生に目的がなければモチベーションが湧かないような仕事でも、将来的に自分の糧になる仕事に早変わりするのです。
3.ソフトウェアを開発しているのではなく、それを使う人間の幸せを開発していると考える
ソフトウェアを開発しているのではなく、それを使う人間の幸せを開発していると考えるのも、青臭い話ですが、SEがモチベーションを保つ秘訣です。
製品ではなく「製品を手に取る顧客の幸せ」を意識することで、どのような仕事にでもモチベーションを生み出せます。
例えば、僕が夜勤のネットワーク監視の仕事をしていた頃、手順書通りの仕事をやってはいけない環境で働いていました。このような環境では、目の前の仕事自体にはクリエイティビティなどありません。
しかし、僕が運用しているシステムは、有名なネットゲームのサーバーを監視していました。
そこで、「こんな真夜中にもお前たちがネットゲームをプレイできているのは、俺がサーバーを監視しているからだ」と考えて、自分の仕事にモチベーションを保っていたのです。
ほかにも、深夜にもオンラインショップが利用できるのも自分が仕事を頑張っているからで、その結果、日中に買い物に行けない人でも生活必需品を難なく手に入れているところを想像すると、自分の仕事にも意味があると思ったものです。
こうして、自分の仕事で最終的に消費者が幸せになるところを想像すれば、自分の仕事を「つまらない仕事」と感じていた頃の自分が、幼くみえることでしょう。
あなたの仕事は、大勢の人間を幸せにしています。その事実は、何よりもモチベーションの源泉になるはずです。
どうしてもモチベーションが高まらないなら、ホワイト企業に転職するための修行だと考える
本記事を読んでも、「どうしても今の会社ではモチベーションが高まらないんだ…」と感じるSEはいると思います。どれだけ仕事を頑張ってもブラック経営者が暴利を貪るような会社では、たしかにやる気はでないです。
この場合、いっそのこと、「ホワイト企業に転職するための修行」と考えて、仕事のモチベーションを高めてはどうでしょうか?
必ずしも、今の会社に貢献することが正義ではありません。IT業界の中には、SEを不当に安い給与でこき使おうとする経営者も多いです。
しかし、その代わりとして、未経験者でもSEとしてIT業界に潜りやすいのも事実といえます。あなたも、現在の会社に入社したときは、実力不足ながら採用してくれた会社があったでしょう。
その会社に雇ってくれた恩義を返しつつ、将来的にはSEに素晴らしい労働環境を与えてくれるホワイト企業への転職を目指して、モチベーションを保ってください。