ITエンジニアという名前を聞くと、「賢そう」というイメージを持つ人が多いです。コンピュータでソフトウェアを開発するというと、理数系のイメージがあるからでしょう。
実際に、「ITエンジニアに興味があるけど、自分はバカだからなれないのだろうな…」と考える人も大勢います。
しかし、何を隠そう当サイトの管理人は、平均未満の偏差値でITエンジニアになった人間です。
また、IT業界には、僕よりもっともっとバカでも仕事をしている人たちがいます。自分の知力が高くないからといって、ITエンジニアになる夢を諦めるのは早いかもしれません。
そこでこのページでは、「バカでもITエンジニアになれるのか?」という各種考察と、「許容されないレベルのバカ」について解説します。
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偏差値50未満の僕でもITエンジニアになれました
当サイトの管理人は、学生時代から合わせると、かれこれ10年以上IT業界に身を置いています。高校生までは文系だったのですが、「バカでも手に職をつければ生きていけるのではないか」という思いから、IT系専門学校に進学しました。
当時通っていた高校の偏差値をネットで調べてみると、偏差値50未満の高校です。知力でいうと、平均未満しかないと断言できます。
しかし、情報処理技術者試験のソフトウェア開発技術者試験(現、応用情報技術者試験)に合格するなど、ITの分野だけは勉強して、今ではフリーランスエンジニアになれました。
専門学校に通っていた友人も、普通の成績であれば皆、IT系企業に就職したものです。
体感としては、ITエンジニアになるためには、偏差値よりも適性が大切ではないかと思われます。
もちろん、難しい理数系の知識を必要とする分野では、難関大学出身の人間しか採用しない企業もあるでしょう。
しかし、流行りのWeb系企業、昔から存在しているSIerを頂点とする業務系企業など、中学レベルの基礎学力で対応できる仕事も多いです。
「ITエンジニア = バカにはなれない」という図式は成り立ちませんので、ご安心ください。
有名企業への道は、バカだと険しい
ここまでの説明で、バカでもITエンジニアになれることは説明済です。
ただし、バカでもITエンジニアになれるとはいいましたが、有名企業に就職できるとはいっていません。大抵の場合、大手の下請け企業に就職することになります。
例えばIT業界には、SI(システムインテグレータ)業界と呼ばれる世界があります。SIを端的に説明すると、「大企業が自前で作れないシステムを丸ごと請け負い、企画・開発・運用を引き受ける」というビジネスモデルです。
日本においては大手SI企業の影響が大きく、業務系の現場は大抵大手SI企業が仕切っています。その現場に、下請け企業(協力会社)のITエンジニアとして参画するのが一般的です。
このSI業界を図解すると、以下のようになります。
大手SIerの年収が700~1000万円程度だったとすると、下請けIT企業の年収は400~600万円程度でしょう。
それでも、エリートでなくても目指せる仕事として、これほど恵まれている仕事はありません。
- 飲食業界は休日も不定期で給料も安い
- 工場勤務は派遣ばかり
- 介護は夜勤があるにも関わらず低収入
- 美容師も日曜日に仕事で激務薄給
- 整備士も肉体労働で薄給
- 営業はスキルが身に付かず将来が不安
エリートでなくても目指せる仕事をリストアップすると、大抵ITエンジニアよりも条件が悪いことが多いです。
ITエンジニアの場合、よほどのブラックではない限り、以下のような条件が自然と手に入ります。
- 年収は400~600万円
- スキルに汎用性があり、転職が容易
- フリーランスエンジニアやリモートワークなど、働き方に柔軟性がある
有名企業に入社するには難関大学を卒業している必要がありますが、そもそも企業に依存しない働き方ができる時点で、ITエンジニアは恵まれているほうです。
また、現場は有名SI企業が仕切っていることも多く、現場の仕事のレベルも高い傾向にあります。
フリーランスとしてステップアップすると、有名企業内で高額報酬を稼げる可能性あり
ITエンジニアになると、主に2つのステップアップがあると考えられます。
1つは、組織の中で出世して、マネジメント側に回る生き方です。以下のようなルートで出世していきます。
- 開発に従事するプログラマー
- ソフトウェアの設計に従事するシステムエンジニア
- プロジェクトをまとめるマネージャー
このような生き方ができれば理想ですが、マネージャーの枠はとても狭く、有名大学を卒業した人たちで埋まってしまうのです。
そこで、卓越した技術力を手に入れて、フリーランスエンジニアとなるのが、非エリートが高額報酬を稼ぐ現実的な手段になります。
例えば、以下のような案件を受注すると、年収1000万円近くを目指せるのです。
こうして、企業に常駐するフリーランスエンジニアになって働くと、年収1000万円も視野に入ります。なお、そのとき常駐する企業はITエンジニアに高報酬を支払える企業であり、周囲の人材のレベルも総じて高いです。
バカといっても許容されないレベルのバカもある
ここからは、「バカといっても許容されないレベルのバカもある」という話をします。笑えないレベルでバカな行動を繰り返すと、人手不足のIT業界でも追い出されることでしょう。
具体的には、以下の3点に当てはまるバカは、現場から嫌われてしまうものです。
- 一般常識がないバカ
- 何でも人に聞くバカ
- 向上心のないバカ
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.一般常識がないバカ
一般常識がないバカは、IT業界でも敬遠されます。常識がない人間は他人と協調できず、組織の和を乱してしまうからです。
例えば、髪の毛がボサボサである・無精髭がはえているなど、最低限の身だしなみは整えておかないといけません。
ほかにも、日本で働くのなら、始業5分前には席についておくことが求められるでしょう。退社も、時間ちょうどに帰るのではなく、退社時間になってから帰宅する準備を始めてください。
勤務中も、怠けているとみなされないよう背筋を伸ばしたり、足を組まないようにしたりして、注意する必要があります。
ようするに、「人から見られているということを意識する」のが一般常識ということです。
2.何でも人に聞くバカ
何でも人に聞くバカも、現場のITエンジニアからは敬遠されます。人に聞く前に、自分で考えて調べる癖が身についていないのです。
例えば、「○○ってどうやるんですか?」という質問は、質問前に何も考えていないのが丸分かりといえます。
正しくは、「○○をやろうとしているのですが、△△というやり方でよいでしょうか?」が印象の良い質問です。
どうしても分からないときも、「○○という仕事を△△という手法でこなそうとしましたが、できませんでした。30分ほど調べて考えても分かりません。何か良い方法は知りませんか?」のような質問であれば、努力がみられます。
このような思考・調査もないまま、身の回りのエンジニアに質問してばかりいると、バカ扱いされて嫌われていくでしょう。
周囲の同僚・先輩・上司は、Wikipediaではないのです。
3.向上心のないバカ
向上心のないバカも、現場からは敬遠されます。成長スピードが遅いのは大目に見れても、成長せずにお荷物となっている社員が許されるほど、世の中は甘くありません。
端的にいうと、「バカは仕方がないことだが、バカを言い訳にして向上しないのは良くない」という話です。
現場の先輩だって、あなたのポテンシャルを見極めた上で仕事を割り振ってきます。スーパーエンジニアでないと出来ないような仕事は回ってきません。
そもそも、バカでも入社できた時点で、努力すれば勤め先の仕事ぐらいできるはずです。
それなのに、「僕はバカですから…」といって、成長まで放棄してしまうと、周囲の印象は最悪になるでしょう。
バカはバカでも行動するバカになろう
今一度、結論を出します。
ITエンジニアは、バカでもなれる職業です。
有名企業には入れないかもしれません。難しい理数系の知識を駆使する開発も無理でしょう。
しかし、世の中の多くのITエンジニアが、義務教育レベルの知識で仕事をしています。
たとえ下請け企業であっても、年収400~600万円程度稼げれば、結婚をして家庭を持つことだってできるのです。
ただし、バカにも笑えるバカと笑えないバカがいます。社会人としての振る舞いが身についていないバカは、ITに限らず受け入れてくれる企業はありません。
一方、恥をかくことを気にせずに、技術を身につけるために行動するバカは、意外にも歓迎されます。一世を風靡したアイドルグループの中には、演者の成長を楽しんでもらうという戦略で売れていったグループもあるぐらいです。
上昇志向のある行動バカであれば、必ずIT業界で輝けるでしょう!