フリーランスエンジニアになろうと考えたとき、フリーランスエージェントに登録するのが一般的です。フリーランスエージェントに登録すれば、開発系以外の運用系・インフラ系など、ありとあらゆるIT職種から好きな案件を探せます。
ここで、ひとつのフリーランスエージェントにしか登録しなかったがゆえに、不当な条件で働いているフリーランスエンジニアが後を絶ちません。
フリーランスエンジニア自体は危険な働き方ではありませんが、エージェントを複数活用しないのは危険と言わざるを得ないのです。
そこでこのページでは、「フリーランスエンジニアが複数のエージェントを活用すべき5つの理由」について解説します。
Contents
フリーランスエージェントとは何か?
フリーランスエージェントのことを知らない人のために、簡単に「フリーランスエージェントとは何か?」を説明しておきます。
結論からいうと、「フリーランスエンジニアの案件を大量に取り扱っていて、案件紹介をしてくれるサービス」だと考えてください。転職エージェントのフリーランス版だと考えれば、よりイメージしやすいでしょう。
主に、企業に常駐して働く案件を紹介してくれます。
企業内のITプロジェクトは複数企業からITエンジニアが派遣されており、その中にフリーランスとして入場するイメージを持ってください。
ただし、フリーランスエージェントの中には低マージンを謳っているところもあり、そのようなエージェントを活用すれば、搾取のない働き方を実現できます。
複数のフリーランスエージェントを活用しなければならない理由
ここからは、複数のフリーランスエージェントを活用しなければならない理由について解説します。「活用したほうがよい」ではなく、「活用しなければならない」と強目の口調でお伝えしているのにも理由があるのです。
具体的には、以下の5点の理由から、エージェントへの複数登録をおすすめします。
- フリーランスエージェントによって案件の種類が異なるから
- フリーランスエージェントにも相性があるから
- 複数のフリーランスエージェントを天秤にかけられるから
- フリーランスエージェントによってサービス内容が異なるから
- フリーランスエージェントが独占している案件があるから
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.フリーランスエージェントによって案件の種類が異なるから
フリーランスエージェントによって案件の種類が異なるのは、複数のエージェントに登録すべき理由です。自分のやりたい職種の案件が豊富でない場合、少ない選択肢の中から仕事を選ばないといけません。
例えば、当サイトでおすすめしているPE-BANKというエージェントは、マージン率が低いというメリットがある一方、取り扱っている案件は開発系案件がほとんどです。
ほかにも、当サイトでおすすめしているレバテックフリーランスは、Web系の案件が豊富です。
ちなみに、僕が現在活用しているベンチャー系フリーランスエージェントは、運用系の仕事を多数取り揃えているという理由で選びました。
自分の職種にマッチした案件を紹介してくれるエージェントを探さないと、サービス面で手厚くとも肝心の仕事面で満足できなくなります。
2.フリーランスエージェントにも相性があるから
フリーランスエージェントとあなたとの間に相性があるのも、複数のエージェントに登録するべき理由です。ひとつのエージェントしか取引がないと、エージェントが間違っていても「そういうものか…」という理由で受け入れてしまいかねません。
例えば、僕が人生ではじめて登録したエージェントは、IT業界でよくある多重請負構造の下段側の仕事ばかりを取り扱っていました。
しかし、僕は正社員時代から下請けITエンジニアだったため、「僕の今の実力では、この程度になるのだな」と勝手に納得していたのです。やはり、そのような案件を受けていると、ITエンジニアを大切にしない現場と当たってしまい、プロジェクトから身を引くことになりました。
そこで、ためしに別のエージェントに登録してみました。すると、驚いたことに、エンドユーザーからの直請け案件(中間搾取がない案件)ばかりを紹介して頂けたのです。
つまり、下請け案件ばかりを紹介されていたのは僕のせいではなく、適切なエージェントに登録しなかっただけといえます。
このように、自分と相性の悪いエージェントに登録してしまうと、不遇な立場で働かされる危険性もあるのです。
また、エージェント自体がホワイトでも、担当者とたまたま反りが合わないなど、人間的な相性の問題もあります。
このようなミスマッチを防ごうと思ったら、複数のエージェントに登録するしかありません。
3.複数のフリーランスエージェントを天秤にかけられるから
複数のフリーランスエージェントを天秤にかけられるところも、複数のエージェントに登録すべき理由です。エージェントも、自分の会社から案件を紹介したいと考えているため、本気度が変わります。
例えば、企業面談のアポイントを取ってもらうときに、別のエージェントからも案件の提示があることをほのめかせば、急ぎでアポイントを取ってもらえるでしょう。
フリーランスエージェントは、ITエンジニアを現場に出向させて、マージンを取る商売です。目の前にいる魚を逃さないために、あの手この手で自分たちのサービスを利用してもらうことを考えます。
僕も、現在お世話になっているエージェントに対して、「別エージェントでは、より高い単価の案件を紹介してくれるため、数年以内にそちらに移籍するかも」と伝えたことがあります。
すると、即座に連絡がきて、僕がお酒好きなのを知り居酒屋で御馳走してくれるなど、釣った魚を逃さないように努力していました。
このように、「他のエージェントに取られる可能性があるITエンジニア」という特性を持っていると、舐められずに交渉できます。そして、複数のエージェントに登録するだけで、舐められないための鎧を装備できるのです。
4.フリーランスエージェントによってサービス内容が異なるから
フリーランスエージェントによってサービス内容が異なるところも、複数のエージェントに登録した方がよい理由です。仕事の案件探し以外にも、エージェントはさまざまな面でサポートしてくれます。
例えば、当サイトでおすすめしているレバテックフリーランスでは、報酬支払日が翌月15日です。
報酬支払日が翌々月になることも多いフリーランス業界において、正社員の給与支払いよりスピーディなサービスを展開しているのは評価に値します。
一方、PE-BANKというエージェントでは、原則マージン率を完全公開することで、エンジニアとの取引に透明性を持たせているのです。以下のようなマージン率で契約を交わします。
報酬受取回数 | あなた | PE-BANK分配率 |
1回~12回 | 88% | 12% |
13回~24回 | 90% | 10% |
25回~ | 92% | 8% |
他のエージェントが「低マージン」という単語で言葉を濁す中、PE-BANKの先鋭的な取り組みには頭が上がりません。
PE-BANKでフリーランス案件を探すべき理由3選【体験談あり】
このように、エージェント毎にサービスの特徴は異なるため、自分にマッチしたエージェントに登録する必要があります。
5.フリーランスエージェントが独占している案件があるから
フリーランスエージェントが独占している案件があるところも、複数のエージェントに登録するべき理由です。エージェント毎に懇意にしているIT企業があり、タイミングによっては好条件の案件を紹介してもらえます。
僕の経験からいうと、前述した下請け案件が多い企業でも、いくつかのクライアントではエンド直請けの特別な案件を持っていました。
自分がその案件にマッチしていたりエージェントと深い仲を築いていたりする場合、そのような案件も紹介しているようです。
このように、エージェント毎に特別な案件を持っていることがあります。
複数のフリーランスエージェントに登録する際の注意点
ここからは、複数のフリーランスエージェントに登録する際の注意点について解説します。
基本的には複数登録が必須ですが、以下の点には気をつけなければなりません。
- 2~3社程度に厳選しておくこと
- 複数登録を嫌がるフリーランスエージェントがあることに留意すること
ひとつずつ、解説させて頂きます。
1.2~3社程度に厳選しておくこと
複数のフリーランスエージェントを活用するといっても、2~3社程度に厳選しておいてください。あまり多くのエージェントを利用してしまうと、逆に非効率になってしまいます。
例えば、ひとつのエージェントの面談が入ったとき、他の4つや5つのエージェントに対して現在の状況を伝えなければなりません。
他のエージェントも、あなたの予定に合わせて面談の日程を組むため、情報共有は絶対だからです。ここで、エージェントの数が多すぎると、何が何だかわからなくなるのは言うまでもないでしょう。
特に、在職中にエージェントを活用するなら、暇な時間もそこまでありません。2~3社程度のエージェントに厳選して、活用してください。
2.複数登録を嫌がるフリーランスエージェントがあることに留意すること
複数登録を嫌がるフリーランスエージェントがあることに留意してください。エージェント目線で見ると、複数登録されると企業との調整が難しくなるものです。
例えば、あるエージェントで面談が入っているのに、他所のエージェントで案件が決まったとなっては、面談を予定していた紹介企業に迷惑がかかります。
それなら、「他のエージェントで結果が出てから、新規の案件を紹介する」など、優先順位が下がることもあり得るのです。
こうならないためには、複数のエージェントに登録していることを伝えて、「本命のエージェントには別エージェントの進捗を共有する」など、良い案件を回してもらいやすくする対策が必要でしょう。
正しく活用するならフリーランスエージェントへの複数登録がベスト
本記事では、複数のフリーランスエージェントを活用するメリットと注意点について解説してきました。
結論として、間違ったやり方をしない限り、複数のエージェントを活用したほうがよいです。
特徴の異なる2~3社程度のエージェントと懇意にして、案件探しを有利に進めてください。その際、本命となるエージェントに他社の進捗を伝えて、自分への優先順位を下げさせないことが重要です。
これだけ気をつけていれば、豊富な案件からあなたにマッチする仕事が見つかります。