ITエンジニアとして生きる人たちは、ほかの職種の人と比べて「市場価値」を意識して仕事をします。転職市場で正しく評価されやすいスキルがあるため、市場価値を高めれば給与を高められるからです。
しかし、見方を変えると、市場価値を考えて仕事に取り組まないと、将来的に役立たずと判断される可能性もあるのがITエンジニアともいえます。
ボケっと生きていると、市場価値がなくなり、会社にしがみつくしかなくなるのです。
そこでこのページでは、「ITエンジニアが市場価値を意識する理由・市場の知り方・市場価値を高める方法」について解説します。
Contents
ITエンジニアが市場価値を意識する理由
はじめに、「なぜ、ITエンジニアが市場価値を意識するのか?」について解説します。
結論からいうと、冒頭でも触れたとおり、市場価値を高めることで、労働条件をどんどん上げられることに起因しているのです。
そもそもITエンジニアには、スキルという明確な基準があります。どこの現場であっても、使っている技術が同じであれば、同じような運用がなされているものです。
であれば、技術力を磨いておけば、転職市場で評価されて給料も上がることが想定されます。
また、会社が中途採用や外部社員を活用している場合、自分の能力も転職市場から入ってくるITエンジニアとの競争になるものです。
すると、安定企業に入って若い頃に多少頑張っていても、いつの間にか時代遅れになってしまうこともあります。
- 市場価値を高めれば、転職市場で条件の良い転職が可能になる
- 市場価値を高めなければ、中途採用で入社した人についていけない
以上2点のことがあるため、優れたITエンジニアは市場価値を意識しているのです。
まずは市場を知ること
ITエンジニアが市場価値を高めるために、まずは市場を知ることが重要です。そして、どのような求人が出ているかを知れば、市場を知ることになります。
最も効率的なのは、大手転職サイトやフリーランス案件紹介サイトで、技術別の案件数を把握する方法です。
例えば、当サイトでおすすめしているPE-BANKでは、以下のような検索が実装されています。
このような検索エンジンで案件数を調べれば、IT業界で何が求められているのかを把握できるのです。
市場価値の高め方5選
ここからは、ITエンジニアが市場価値を高める方法を指南していきます。
市場価値を高めることで、以下のような恩恵を受けられるでしょう。
- いつでも条件の良い会社に転職できる
- 会社に依存する必要がないため、無茶な仕事をこなす必要がない
- フリーランスエンジニアとして独立すれば、即座に大金を稼げる
そして、上記のような恩恵を受けるために、以下のような方法で市場価値を高める必要があります。
- 主流の技術を抑えておく
- これから流行する技術を学習する
- 一つの技術を深く学ぶ
- 社外のレベルを知っておく
- スペシャリストになるかマネージャーになるか決めておく
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.主流の技術を抑えておく
主流の技術を抑えておくのは、ITエンジニアが市場価値を高めるときの常套手段です。どこの現場でも広く使われている技術を身につければ、多くの現場で活躍できるエンジニアになれます。
例えば、Javaという開発言語は、他の開発言語よりも多くの現場で利用されているものです。
フリーランスエージェントのサイトで案件検索すると、以下のような結果が出ます。
このように、現在主流の技術を抑えておくだけで、さまざまな現場で潰しがきくITエンジニアになれるのです。
2.これから流行する技術を学習する
これから流行する技術を学習するのも、ITエンジニアが市場価値を高める方法の一つです。需要があるのにITエンジニアの数が少ない売り手市場では、あなたに高い報酬が支払われます。
例えば、Pythonというプログラミング言語は、2000年代において影の薄い言語でした。
日本には、日本人が開発したRubyという言語があり、Pythonを学ぶぐらいならRubyを学ぶ人が多かったです。
しかし、民間企業で人工知能の活用が進むことで、人工知能開発で多用されるPythonが人気言語に躍り出ました。
人工知能が流行すると考えて、いち早く人工知能で使われている技術を習得した人間は、市場価値を高めて高報酬を獲得できたことでしょう。
このように、市場が必要としているのにITエンジニアがいないという状況を見つけ出すことができれば、あなたは市場価値を高められます。
3.一つの技術を深く学ぶ
一つの技術を深く学ぶのも、ITエンジニアが市場価値を高める方法です。ある技術に対して深い洞察があれば、他のITエンジニアには出せない価値を出せます。
例えば、以下の2パターンの人材がいたとします。
A.C言語1年・Java2年・PHP2年。ただし、全て詳細設計を元にプログラミングをしてきた
B.C言語5年のみ。ただし、プログラミングだけではなく詳細設計・基本設計にも参画しており、デバッグにも熟知している
上記の例でいえば、汎用性が高いITエンジニアはAです。
しかし、言い方は悪いですが、いつでも取り替えが可能ともいえます。
一方、Bは開発の深いところまで学ぶことで、取り替えのきかないITエンジニアになっています。紹介できる案件数ではAのほうに分がありますが、優良案件にドンピシャでハマれば、Bのほうが安定的に高報酬を狙えるものです。
いくら選べる案件数が多くても、自分の体は1つしかありません。
常に、世の中に一定数の需要があると踏んでいるなら、1つの技術を深く学ぶことで市場価値を高められます。
4.社外のレベルを知っておく
社外のレベルを知っておくのも、ITエンジニアが市場価値を高める方法です。会社内で働いているだけでは、自分のレベルが見えなくなってしまいます。
例えば、休日にITエンジニアの勉強会に出ることで、他社で働いているITエンジニアの人たちと交流を深めてみてください。
そのような交流会には、意欲の高い人たちが集まっています。
仮に自分の会社では出来る人材でも、彼らと絡むと「自分ってまだまだだなぁ」と感じることかあるでしょう。
ちょうど、学生時代の部活で自分が上手い方でも、大会に出たらボロボロにやられてしまって現実を知ってしまったときと、似ている感情です。
広い世界を見ていないと、いざ転職市場に出たとき、自分のレベルにショックを受けることになります。
社外のレベルを知っておくことで、彼らのレベルにもついていければ、市場価値の高いITエンジニアになれるのです。
5.スペシャリストになるかマネージャーになるか決めておく
スペシャリストになるかマネージャーになるかを決めておくのも、ITエンジニアが効率的に市場価値を高めるときに役立ちます。漠然と生きるより、キャリアの方向性を決めている方が、スキルを身につけやすいのです。
例えば、スペシャリストになるなら、最新技術の動向を抑えておかなければなりません。
僕の先輩の尊敬できるネットワークエンジニアも、常日頃から専門誌を購読して学習していました。
ITエンジニアが所属する会社だからといって、全てのITエンジニアが技術に精通しているわけではありません。早々に、技術だけでは太刀打ちできないことに気がついて、別の能力を磨いている人たちもいます。
そのような中で、技術力を売りにできるのならば、技術のスペシャリストになって市場価値を高めるのが最善手です。
このような技術特化の道に進まないのであれば、マネージャーのような管理者を目指しても市場価値を高められます。
IT業界では、エンジニアよりも彼らを管理する側のほうが高い報酬を獲得しており、生活水準を高めたいなら積極的にマネジメントを覚えるべきです。
また、マネジメントに進むのであれば、以下の2点を重要視してください。
- 会社で出世するための条件
- マネジメント手法の習得
1.の「会社で出世するための条件」は、マネージャー側に回るために必ず知る必要があります。IT企業においても、典型的な出世コースは「管理職側に回ること」になるため、出世しなければマネージャーになれません。
2.の「マネジメント手法の習得」は、人を管理する側になってから、成果を上げるために重要です。
優れたITエンジニアは、部下が自分の思うように動かないとき、「この人はやる気が足りないんだ」と勘違いしてしまいます。技術者として優れていればいるほど、自分よりできない人の気持ちは分からなくなるものです。
しかし、ここで部下の叱責に終始してしまっては、自分自身がマネージャーとして無能の烙印を押されてしまいます。
そこで、マネジメントなど誰でもできるだろうと考えずに、大型書店のビジネス書コーナーに足を運んでください。
マネジメント関連の本だけでも、大量の数があります。さまざまなマネジメント手法があることに、驚くことになるでしょう。
ちなみに、僕のおすすめは「行動科学マネジメント」という手法です。
人の行動に着目して、必要なのに不足している行動・必要がないのに過剰な行動を導き出せるマネジメントであり、理詰めの人が多いIT業界と親和性が高いです。
話は長くなりましたが、スペシャリストになるかマネージャーになるかを決めて、それぞれの分野で研鑽を怠らなければ、市場価値を高められます。
まとめ
本記事では、ITエンジニアが市場価値を高める理由・市場の見極め方・市場価値を高める方法について解説してきました。
ここでお伝えした情報を元に、今日から市場価値を高めるのも良いでしょう。
しかし、もっと効率よく市場価値を高める方法があります。それは、「成果から逆算して自分に足りてないスキルを探す」方法です。
考えてもみてください。
自分が最終的に目指す場所が分かっていれば、無駄な努力を省いて最短距離で自己成長できますよね?
そして、自分が目指す場所を知るには、「転職エージェント」に登録するのが一番です。
彼らは、あなたのレベルに応じた求人を紹介するノウハウを持っています。
彼らに自分の理想の求人を伝えると、「現状のあなたに何の能力が足りなくて、求人に応募できないか?」を導き出してくれるものです。
そこで足りない能力を磨けば、最短距離で市場価値を高められます。
つまり、市場価値を高めてから転職市場に出るのではなく、一度転職市場の様子をうかがってみた後、足りない能力を磨くべきです。
自分では気がついていないだけで、すでに市場価値の高いITエンジニアになっている可能性もありますからね。
- あなたはすでに、市場価値の高いITエンジニアになっており、年収を数百万円アップできる可能性がある
- 現状の市場価値では条件アップが無理でも、自分に足りない能力を的確に見極められる
上記のことを考えると、まずは転職エージェントに登録することが、最も合理的な選択肢であることが理解できるでしょう。