長い間システムエンジニア(SE)の仕事を続けていると、さまざまな理由で当初の情熱が失われていくものです。
実際に、情熱を持って20代のほとんどをITエンジニアとして費やした僕であっても、以下のようなことが原因で「会社を辞めて別の職種に就きたい!」と考えたことは、一度や二度ではありません。
- 火を噴いたプロジェクト
- 意地悪な上司
- 成長できない環境
このような状況を打開するために、僕は何度か転職に踏み切りました。
複数回転職を経験した結果、転職しても良い場合と悪い場合があることに気がつきました。この見極めができていないと、あなたの転職が失敗する可能性が高まります。
そこでこのページは、複数の転職によって、酸いも甘いも噛み分けてきた経験を元に「SEを辞めたい人が転職しても良い場合と悪い場合」を解説します。
Contents
SEを辞めたい理由を明確にする
SEを辞めたいと考えたとき、始めに確認しておきたいことがあります。
それは、「SE自体を辞めたいのか?」あるいは、「今の職場に嫌気がさしているだけか?(職場が自分に合っていないか?)」の区別をつけることです。
この区別をつけないと、SEという職種自体は向いているのに、適性がないと思い込んでしまい天職から離れてしまう可能性があるからです。
特に転職経験がない人の場合、現在勤めている会社を客観的に見ることが難しいです。
これは実際に僕が経験したことであり、限りなく黒に近いグレー企業に転職してしまったことがあるから間違いありません。
僕(管理人)が転職して人生を捨てずに済んだ話
僕が27歳で転職した会社は、某官庁系ネットワークを一手に担っている企業であったため、世間からは良い会社だといわれていました。
しかし、そこでは「部下に雑用を押し付けて寝ている先輩社員」や、「適切な指示もなく怒鳴りつける上司」など、今までの職場にはない陰湿性があったのです。
その上、こういった職場に限って「ここで上手くいかなかったら、どこに行っても上手くいかないよ(笑)」という上司のありがたい? お言葉を何度も頂戴していました。
もし、ここで僕が新卒入社であれば、「会社が合わないのは僕のせいだ…」と自分を責めていたかもしれません。
しかし、今までの経験を考慮すると、「どう考えても会社がおかしい」ということはわかっていました。
そのため、転職後すぐに再び転職活動を始め、3ヶ月後には別会社で働き始めました。そこは世間一般的には有名な企業ではなく、独立系のネットワークセキュリティ系の会社です。
ありがたいことに、職場環境もホワイトで給与も転職前より、3万円ほど上がったのです。
もし、世間知らずの新卒のまま継続的に働いていたら、一生「自分は無能だ」と信じたまま働き続けたかもしれません。
そのため、あなたが「SEを辞めたい」と考えているのであれば、会社側が悪いのに、自分を責めてしまっているだけかもしれないのです。
まずは今一度、冷静になり、客観的に考えてみることから始めるようにしましょう。
そこを踏まえたうえで、以下からは「SEが会社を辞めても良い場合と悪い場合」をそれぞれ解説します。
会社を辞めてはいけない場合
辞めてはいけない場合は、人によって異なるため、複数あります。
その中で最も気をつけなければならないのは、「今後改善の可能性がある一時的な苦しみから逃れたい場合」です。今の会社が嫌になり勢いで転職してみたものの、「後から冷静に考えると辞めるほどではなかった…」と考える人が多いからです。
例えば、開発中のプロジェクトが忙しすぎてきつかったため、残業が少ない会社に転職したとします。
この場合、転職先では残業代がない分給与が下がり、仕事に物足りなさを感じる人は多いです。人生の優先順位が「プライベートな時間」ではなく「生活水準・やりがい」であれば、仮に今忙しすぎて大変でも、改善の余地がある限り少しは堪えたほうがよいのです。
多忙であっても、こだわりを持って仕事に取り組めているのであれば、それは幸せなことであると再認識しましょう。
他にも、上司に恵まれずに転職を決意する人はいます。
ただ、危険な転職です。
もちろん、小規模企業のワンマン社長・上司が非情な人であれば転職によってしか解決できない場合もあります。
しかし、ある程度大きな企業の場合、数年単位で上司が変わることも多いです。そのため、この場合は会社に踏みとどまることを考えるべきでしょう。
運悪く最悪な上司に当たってしまったときのワンポイントアドバイス!
どれだけ優良企業に就職できたとしても、運悪く嫌な上司に当たってしまうこともあります。
このとき、自分との相性の問題であれば諦められます。
しかし、多くの企業でほとんどの部下から疎まれている上司はいるものです。そのような人を、「尊敬しろ」というのは難しいですよね?
こういった上司がいる場合「スキルに頭を下げている」と思うと怒りが収まります。あなたにとって嫌な上司でも、自分より優れている部分は1つはあります。そのようなスキルを盗むために、頭を下げると思い込むことによって、人生の難所を切り抜けるのです!
このとき、「上司には自分より優れているところが1つもない」と考える人がいます。
しかし、これは大きな勘違いです。
あなたの上司には、「自分の最低さ加減を疑わない」という圧倒的なスキルを持っています(笑)。彼らのような人間でも堂々と生きていることを考えて、善良なあなたがこれ以上思い悩むことはないことを認識しましょう。
会社を辞めてよい場合
次に、「現在の会社を辞めてもいい場合」をお伝えします。
ちなみに、SEの世界は昔から転職が多い業界です。プロジェクト単位で人が集まり、別会社の人やフリーランスの人と同じ職場で働く機会も多いため、会社に帰属している意識も薄いからです。
そのため、転職自体は悪いことではなく、むしろSEの業界では人生が好転するきっかけになる可能性があります。
特に、成長志向であれば転職でステップアップすることも容易です。以下を参考にして、会社を辞めてもいいか確認してください。
技術のレベルを上げたい・新しいことをしたい・ステップアップしたい
技術レベルを上げて、高みを目指している場合であれば、転職してもよいでしょう。具体的には、以下のようなパターンです。
- 同職種でステップアップしていきたいけど、今の会社では実現できない
- 会社の中で自分が1番技術力が高いので、もっとレベルの高い会社に行きたい
- 同じSEでも、別の業界に行きたい
あなたがこのような考え方を持っているなら、転職を検討してください。SEとして長く働きたいのであれば、常に成長を実感できるところで働きたいと思うものです。
井の中の蛙になってしまわないためにも、常に成長するエンジニアに囲まれて仕事をしたいなら転職は最高の選択肢です。
技術的についていけない(開発が疲れた)
キャリアアップが目的ではないとしても、次のような方も転職を考えてもよいでしょう。
- 数年間会社で頑張ってきたが、どうしても技術的についていけない(興味を持てない)
- もう開発に疲れた…
このような悩みを持っている場合も、転職が必要になります。
ただし、仮にもSEが多数在籍する企業で積んだ多くのキャリアや知識は、転職先でも活かしたいものです。
SEとしては並みの実力でも、一般企業の方のITスキルと比較すると、圧倒的な差がついているものです。
そのため、仮に開発者としては限界であっても、社内SE(一般企業のIT部門)やIT営業に転職することによって、今までの経験が強みになるケースはたくさんあります。
新卒だが、明らかに向いていない
新卒でSE(プログラマも含む)に就職したが、「自分には向いてなさそうだ」と考えた場合、転職を考えてください。
ここで必ず「まずは3年働いてから…」という意見がでますが、騙されてはいけません。
新卒の場合、年数ではなく「景気」を重要視する必要があるからです。
勘違いしている人も多いですが、転職が上手くいくかどうかの分かれ目は、景気が大きく影響していることが多いです。
実際に、2008年のリーマンショック後は、凄腕のSEでも職からあぶれました。
その一方で、2017年の好景気では、どこの企業も人手不足が騒がれています。現在は第二新卒の転職が充実しているため、最も大事な20代前半は一生懸命頑張れる仕事を選択してください。
ただし、厳密にいえば「まずは3年…」という話もあながち間違いではありません。
たしかに、同期入社の人たちと比較して、「自分は向いていないのではないか?」と考える人は多いです。
しかし、同期入社の人たちと自分では学生時代に学んできた知識や経験が違うため、成長スピードも当然異なります。
高いスキルレベルまで早く到達することと、どれだけ高いスキルレベルまで到達できるかは別です。それがわかっているからこそ、先輩方も新卒の人たちには、辛抱強く仕事を教えます。
仮に同期と比較して劣っていたとしても、SEの仕事にやりがいを持ち昨日の自分より成長しているなら、今の会社に留まるほうがよいかもしれません。
一時の感情だけで転職するのではなく、一度冷静になり、自分自身を見つめなおしてみましょう。
残業が多い
プライベートな時間を確保したいのに残業が多いのであれば、転職を考えるべきです。
世間では、なぜか「SE = 忙しい」という共通認識があります。
しかし、僕自身の経験やSEになった同級生5人の意見を聞いたところ、忙しいときに終電までの残業が2週間ほど続くことがある人が2人で、残りの3人は月20時間程度でした。
残業が多い会社の従業員は、他のSEと接する機会も減るため、長時間労働が当たり前になっている傾向があります。
そのため、同僚に残業が多いことを愚痴っても「SEである限りどこも同じようなものだろう」といわれて可能性が高いです。
しかし、これは間違いです。
SEといっても納期に追われる開発職ばかりではありません。社内SEや運用SEであれば、「決められた就業時間 + 月0~20時間程度の残業」で業務が終わることがほとんどです。
「残業代が給料に反映されない方」や、「給与よりプライベートを優先させたい方」は、転職によって間違いなく仕事環境を改善できるでしょう。
給料が少ない
「生活水準に不満があり、もっと年収を上げたい!」と考える人は、転職を検討してください。
SEは、同職種(WEB系からWEB系、銀行系から銀行系)へのステップアップ的な転職なら、根気よく転職活動を行えば年収を上げることが可能だからです。
スキルを高めて会社を渡り歩くことで年収を上げることができれば、最終的にフリーランスになり完全実力主義でお金を稼ぐことも可能なのが、この業界の魅力です。
まとめ:まずは前向きな転職をしたいと考えること
あなたが資産持ちでない限り、「SEを辞める」とは新しい会社に転職するということです。
つまり、ゼロからのスタートになることとイコールです。
これは非常にもったいないことであり、大きな収入に繋がる可能性があるスキルを捨てることになってしまいます。
まずは「SEを辞める」ことを考える前に、「前向きな転職」を考えてみてください。今より良い環境で、給料アップや自由な時間も手に入る可能性があるからです。
たとえば、以下の2人の求職者がいた場合、あなたはどちらの人間を採用したいと考えるでしょうか。
求職者A.〇〇を辞めたいから、あなたの会社の△△という仕事をしたいです。
求職者B.あなたの会社にある△△という仕事に情熱を持って取り組めます。
通常であれば、Bの人を採用したいと考えるはずです。
もし、あなたがこれから転職を検討しているなら、SEを辞めたいから転職するのではなく、前向きに取り組める仕事をして成果を出したいから転職する、と考えを改めてください。
労働条件を高める良い転職を実現できる転職エージェントを活用してください。
素晴らしい転職を実現したいなら、労働条件を高められる転職エージェントを活用するのが一番です。労働条件を上げれば、同僚・仕事のレベル・報酬など、多くが満たされます。
ここからは、「労働条件を高めて前向きな人生を送る」という観点からおすすめできる転職エージェントを紹介します。
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