フリーランスエンジニアになりたいと考えたとき、誰もが「フリーランスエージェントへの登録」を検討します。企業常駐型フリーランスエンジニアであれば、フリーランスエージェントに登録するだけで仕事が見つかるからです。
ここで、フリーランス初心者がフリーランスエージェントに頼るのは、最適解といえます。
案件探し・確定申告フォローなど、一人では困ることを無料でフォローしてもらえるからです。
しかし、フリーランスエージェントのメリット・デメリットを知った上で活用したほうが、より多くのメリットを享受できるでしょう。
そこでこのページでは、「フリーランスエージェントを活用するメリット・デメリット」について解説します。
Contents
フリーランスエージェントとは何か?
はじめに、フリーランスエージェントの存在を知らない人のために、「フリーランスエージェントとは何か?」を解説します。
結論からいうと、「企業常駐型の仕事を紹介してくれるフリーランス案件仲介会社」といえばわかりやすいでしょう。
そもそもIT業界は、ひとつのプロジェクトに複数企業のITエンジニアが参画しているのが一般的です。プロジェクトの元請けだけでは足りない人材を、他社のエンジニアで埋め合わせます。
このとき、どこかの企業の正社員が別プロジェクトに参画するのが普通です。
しかし、中には個人事業主としてどこの企業にも所属せずにプロジェクトに参画する人もいます。
これが、企業常駐型のフリーランスエンジニアです。
フリーランスエージェントとエンジニアを派遣するIT企業の違いは、所属エンジニアの雇用形態の違いに過ぎません。
フリーランスエンジニアになることで、月々の報酬が高くなる・副業が自由・余計な自社の仕事をやらなくてよい、などのメリットがあります。
フリーランスエージェントを活用する5つのメリット
ここからは、フリーランスエージェントを活用する5つのメリットを解説します。細かいメリットをあげると5つでは足りないのですが、ここでは主なメリットをお伝えさせてください。
- 単価の高い仕事を紹介してもらえる
- 営業の必要がなくなる
- 思ってもいなかった仕事との出会いがある
- どのようなキャリアを形成したいか相談できる
- フリーランスエンジニア向けの福利厚生・確定申告などのサポートがある
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.単価の高い仕事を紹介してもらえる
単価の高い仕事を紹介してもらえるのは、フリーランスエージェントを活用するメリットです。正社員では実現できない高単価の仕事を受けられます。
例えば、当サイトがおすすめしているレバテックフリーランスでは、在籍しているエンジニアの平均年収が862万円です。
正社員では到達できない領域に簡単に到達できて、月々に使えるお金も増えます。
このお金で豪遊することもできますし、将来のための自己投資に費やすこともできるでしょう。
- 20代の給料が少ないうちは、フリーランスエンジニアに転身して豪遊 & 自己投資
- 30代中盤の、正社員の中途市場で価値が高い時期に正社員に戻る
フリーランスエンジニアの報酬があれば、上記のような生き方ができます。
反対に、十分な実力が身に付いた30代からフリーランスエンジニアになる道も当然あります。フリーランスのキャリアに関しては、以下の記事を参考にしてください。
フリーランスエンジニアのキャリア戦略【IT業界歴10年の考察】
ようするに、単価の高い仕事を紹介してもらって、人生の充実度を高めてください。
2.営業の必要がなくなる
営業の必要がなくなるのは、フリーランスエージェントを活用するメリットです。企業に対して営業活動を行うのは苦労します。
例えば、フリーランスエージェント経由で仕事をすれば、自分に適した案件をエージェントの営業が紹介してくれるものです。
面倒な契約書類も、すべて用意されています。
(契約書なども、言われた通りのことをこなせば用意してくれます)
一方、自分で企業に営業をかけるなら、仕事をくれる企業探しから始める必要があるのです。さらに、契約書なども、原則自分で用意する必要があります。
そして、そこまで一人のエンジニアに労力を割いてくれる企業も多くはありません。
自分で企業と直取引するのは、元々知り合いが経営している企業にお世話になるときなどに限定されるでしょう。
そのようなコネがないなら、迷わずフリーランスエージェントに登録したほうがお得です。
3.思ってもいなかった仕事との出会いがある
思ってもいなかった仕事との出会いがあるのも、フリーランスエージェントを活用するメリットです。世の中には自分が想像もしない仕事があり、さまざまな仕事の紹介を受けることで自分の視野がひろがります。
例えば、僕がフリーランスエージェントを利用する前、Windowsサポートやサーバー監視オペレーターの仕事を探していたものです。
しかし、フリーランスエージェントに登録してみると、大学のシステムを構築するインフラエンジニアの仕事・運送会社内での大規模システムを回す仕事など、さまざまな仕事の紹介を受けました。
最終的に大規模システムを回す現場の一チームに入場するのですが、そこでの仕事は2勤2休のシフト制ということもあり、月の半分が休日です。給料もほかと変わらず、プライベートも充実させられます。
表現が悪いですが、しばしばニートが妄想する「あまり厳しくない事務仕事で給料もそこそこ」のイメージにピッタリの仕事です。
このように、自分の想像を越えた仕事を紹介してくれるのは、フリーランスエージェントのメリットといえます。
4.どのようなキャリアを形成したいか相談できる
どのようなキャリアを形成したいか相談できるのも、フリーランスエージェントを活用するメリットです。フリーランスエージェントの営業は多くのエンジニアと面談しており、エンジニア本人よりキャリアについて詳しいことが多々あります。
例えば、僕がフリーランスエンジニアになりたての頃、自分がどのようにキャリアを形成するか迷っていました。
そこで、「3ヶ月~半年」程度の長短期案件をこなして、数年間は様子を見ようとしたのです。その計画を営業に伝えたところ、「それは、職歴的には今後不利になるので絶対にやめておきましょう」と返されました。
営業がいうには、「たとえフリーランスエンジニアであっても、1つの現場で1~2年ぐらいの経験があるほうが印象が良い」とのことでした。
たとえフリーランスエンジニアで短期案件という理由付けがあっても、短期案件ばかりこなすのは印象が悪いと気がつけて、僕もあらためてキャリアについて真剣に考えるようになったのです。
その結果、運用系のフリーランスエンジニアという主軸を決めて、現在もIT業界で活躍できています。
自分一人で考えていると他者からの視点が欠けてしまうものです。そして、第三者の視点を持つために、フリーランスエージェントの力を借りてください。
5.フリーランスエンジニア向けの福利厚生・確定申告などのサポートがある
フリーランスエンジニア向けの福利厚生・確定申告などのサポートがあるのも、フリーランスエージェントを活用するメリットです。一人では何かと不安のフリーランス生活も、企業のサポートがあれば安心できます。
例えば、当サイトがおすすめしているPE-BANKでは、PE共済会と呼ばれる福利厚生が存在します。
この共済制度に加入すると、万が一働けなくなったときに所得補償を受けられたり入院費用を負担してくれたりして、生活を守ってくれるのです。
ほかにも、多くのフリーランスエージェントでは、確定申告のサポートを実施しています。
報酬を支払ってくれるフリーランスエージェントが確定申告をサポートしてくれるため、何でも聞きやすいでしょう。
こうして、フリーランスエージェント向けの福利厚生などのサポートを受ければ、一人で仕事をしているときと比べて安心して働けるのです。
フリーランスエージェントを活用するデメリット
ここからは、フリーランスエージェントを活用するデメリットを解説します。エージェントは無料で活用できますが、見えないところでコストがかかっているものです。
具体的には、以下の2点はフリーランスエージェントを活用する上で気を付けてください。
- 会社員と同じような働き方になる
- マージンを抜かれる
ただし、デメリットがあるとはいっても、フリーランスエンジニアになるのを諦めるほどではありません。
デメリットを理解した上で、しっかりと対策を練ってください。
1.会社員と同じような働き方になる
会社員と同じような働き方になるのは、フリーランスエージェントを活用するデメリットです。正社員と企業常駐型フリーランスでは雇用形態が異なるだけであり、働き方自体は変わりません。
例えば、開発者として企業に常駐するなら、週5日のフルタイムで働くことになります。
フリーランスエンジニアという肩書きに憧れていたり、自由な人生を夢想したりしているなら、肩透かしを食らうことでしょう。
ただし、働き方は同じでも、正社員とフリーランスエンジニアではマージン率が異なります。優良フリーランスエージェントと使えば、会社員と同じ働き方ながら、搾取のない世界で働けることは忘れないようにしてください。
2.マージンを抜かれる
フリーランスエージェントを活用すると、マージンを抜かれるのもデメリットです。彼らも慈善事業ではないため、企業から入るお金からエンジニアに届く報酬の間でマージンを抜く必要があります。
ただし、優良フリーランスエージェントであれば、マージン率は10%前後です。エンド直請け案件も多く、エンドが支払ったお金の多くがエンジニアに渡ります。
仮に、月60万円の案件を紹介されたとすると、月6万円のマージンになります。個人の努力で、企業から60万円の仕事が取れるなら、このマージンも納得いかないでしょう。
しかし、自分で企業に営業をかけてフリーランス案件を取ってこれるエンジニアはほとんどいません。ゆえに、マージン率が低い限りは必要経費と考えたほうが、精神衛生上気持ちよく過ごせます。
フリーランスエージェントを活用する際の注意点
ここからは、フリーランスエージェントを活用する際の注意点も解説しておきます。
当サイトは、決してフリーランス礼賛ではありません。あなたの状況次第では、フリーランスエンジニアにならないほうが良いと感じています。
例えば、あなたが有名企業に勤めており、会社に在籍しているだけで年収1000万円前後を目指せるなら、無理にフリーになる必要はないでしょう。
一方、社会に出てから努力してスキルを身に付けているのに、下請け企業でくすぶっているなら、中間搾取の少ないフリーランスエンジニアは理想の仕事です。
ここでフリーランスエージェントに登録して、自分を客観的に見つめ直すのは、あなたにとって最良の手段です。
しかし、一つ問題点があります。
基本的にフリーランスエージェントの営業は、「あなたにフリーランスエンジニアになってほしいと思っている」ということです。
一人企業に紹介するだけで、月々○○万円のマージンが取れる世界なので、優秀なエンジニアは逃したくない「金のなる木」のように見えています。
そこで、営業のトークに騙されて、みすみす安定した立場を捨ててしまう人もいるのです。
そこで大切なのは、「正社員転職・フリーランスエージェントの両方を取り扱っている企業」に相談することです。
当サイトがおすすめしているレバテックフリーランスは、同じ企業内でレバテックキャリアと呼ばれる正社員転職のサービスを展開しています。
レバテックフリーランスは、僕がフリーランスエンジニアになる前に登録したエージェントですが、面談時に「あなたがフリーランスは無理だと感じるなら、レバテックキャリアの者を紹介しますからね」という優しい言葉をかけて頂いた経験もあり、間違いなくおすすめできる企業です。
まとめ
フリーランスエージェントは、コネのない正社員ITエンジニアが独立する手助けをしてくれます。将来的には、自分の営業力で受託開発を取りたいと考えている方も、はじめは企業常駐型からスタートすればよいでしょう。
今一度、フリーランスエージェントを活用するメリットを列挙しておきます。
- 単価の高い仕事を紹介してもらえる
- 営業の必要がなくなる
- 思ってもいなかった仕事との出会いがある
- どのようなキャリアを形成したいか相談できる
- フリーランスエンジニア向けの福利厚生・確定申告などのサポートがある
単価の高い仕事を苦労せずに紹介してくれるのは、当然のメリットです。反対に、単価の安い案件しか紹介してくれない場合、別のフリーランスエージェントに登録しなおしてください。
また、自分の将来のキャリアに関して相談ができて、思ってもいなかった仕事と出会えるのも、忘れてはならないメリットです。自分一人では考え方の幅が狭くなってしまうところで、第三者の視点が大いに助かります。
近年では、フリーランスエンジニアの国からの生活保障が乏しいところをみて、そこを補うサービスを展開しているフリーランスエージェントもあります。
これなら、フリーランスエンジニアに転身する不安も、ある程度は払拭できるはずです。