システムエンジニア(SE)が転職を検討したとき、「転職に適した時期」が気になるものです。
- 転職が活発な時期とそうでない時期があるなら、活発な時期のほうが求人が多いのではないか?
- しかし、転職が活発な時期をあえて避けることで、転職エージェントから手厚いサポートが受けられるのではないか?
このような疑問が、いくらでも沸いてきます。
僕も、初めてSE転職に踏み切ったときは、同じような悩みで二の足を踏んでいました。転職のことは職場で相談することができず、孤独な活動になりがちですよね?
ここで適切な転職時期を見極めることができなければ、転職が長引いてしまい、貯金が減ったり精神をすり減らしたりしてしまうものです。
そこでこのページでは、「SEにとって最適な転職時期はいつ頃か?」について解説します。
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避けたほうがよい時期がある
結論からいうと、「適切な転職時期は見極めが難しいが、転職活動を避けたほうが良い時期は存在する」というのが現実です。具体的には、「GW前、お盆休み前、年末年始」のような長期休暇をはさむ時期は、転職活動が思うように進みません。
これは、あなたが現在働いている職場を思い浮かべたらわかりやすいでしょう。
GW前、お盆休み前、年末年始のような長期休暇の直前は、こなしておかなければならない業務が山ほどあります。さらに、長期休暇後も平常通りの業務は難しく、仕事が忙しくなる傾向があります。
また、長期休暇の直前から面接などを受けていても、回答が長期休暇後になることもあり得るのです。長期休暇中に面接を受けることは稀ですし、面接の回答が長期休暇後になると身動きが取れない状態になってしまいます。
つまり、長期間通常業務が止まってしまう状況では、企業側も忙しく面接にリソースを割けないのが実情です。
すでに退職しているならガンガン転職活動しよう
上記の「避けたほうがよい時期」は、あくまで一般的な企業の話です。企業によっては当てはまらないこともあります。
また、あなたの状況によっても、必ずしも当てはまらないのです。
例えば、前職の仕事を辞めなければならなかった理由があって、すでに無職になっている場合、多少時期が悪かろうとガンガン転職活動を行うべきです。
無職期間が長引けば長引くほど、転職活動は不利になります。
- すでに退職しているため、足元を見られやすくなる
- 転職活動が長くなると、精神的に疲弊してしまう
このような状況から一刻も早く抜け出すために、冷静になりながらもガンガン転職活動に取り組んでください。
職歴に長期的な空白期間がある方は、こちらの記事も参考にしてください。
転職市場が活発な時期
続いて、転職市場が活発な時期についても解説していきます。
結論からいうと、以下の時期では転職する人間が多くなるのです。
- 2月~3月
- 9月~10月
2月~3月のタイミングが転職市場を賑わすことに、疑問を持つ人は少ないでしょう。4月という時期は、人事異動・新卒入社・退職など、人材が流動するタイミングです。
そして、4月のタイミングで人材を採用しようとしたら、2~3月に求人を出す必要があります。ゆえに、2~3月は求人数が多くなるのです。
また、9月~10月に再び転職市場が活発化するのは、秋採用の影響があるでしょう。それに、6~7月は夏のボーナス時期であり、それを受け取ってから退職したいと考える人も多いです。
お盆休み前などの転職は避けたほうがいいというのは前述の通りですが、実際にはお盆休みは転職の準備期間としては最適です。
- 7月にボーナスを受け取り、生活費のセーフティネットとして貯金しておく
- 8月のお盆休みに、履歴書や職務経歴書など、作成に時間がかかるものに取り組む
- 9月から転職活動をスタートさせる
上記のような流れで転職活動に取り組むことができるため、9月からの転職は活動しやすい時期といえます。
なお、経理職などでは、決算期が終わって業務が落ち着く時期に求人数が集中する傾向があるものです。ただし、SEの場合でいうと、一年間を通して求人数は安定しています。
これは、プロジェクトによって、納期などがバラバラなためだと考えられます。結論として、SEであれば「長期休暇前」などを除くと、一年中転職活動に取り組めるということです。
転職時期と同じくらい大切なのは、現職の在籍期間
そもそも、あなたが「適切な転職時期」を気にしていたのは、「今より条件の良い(自分の希望が通る)企業に転職したいから」だと考えられます。
この場合、転職時期だけではなく、「自分が現在の職場に何年間在籍しているか?」も気にしてください。いくら転職時期が適切でも、職歴がお粗末だと転職は成功しないからです。
IT業界において、SEの転職は当たり前です。
しかし、それでも1つの会社で3年程度は働いていないと、「嫌な仕事から逃げた」と面接官から解釈されることがあります。
また、長いキャリアの中で、一度ぐらいは長期的に働く経験も大切です。特に、1つのシステムに精通した経験があれば、浅いところだけを学んだSEより市場価値は高くなる傾向があります。
1つの職場で長期的に働くメリットを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
なお、1つでも長期的に続いた職場があれば、他の職場のことを「相性が悪かったから短期間で辞めた」といっても説得力があるでしょう。
ただし、短期間に転職を繰り返してしまうと、「このSEには、何か悪いところがあるのでは?」と勘繰られてしまいます。正社員の仕事であれば、「2~3年」程度今の職場で働いてから、次の職場に転職することを検討するのが無難です。
SEにとっての適切な転職回数や在籍期間が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
現在転職に失敗していて、至急次の職場を探している方は、こちらの記事も参考にしてください。
半年~1年程度無職でいられる貯金は用意しておくこと
転職時には、半年~1年程度は生活できる貯金を用意しておく必要があります。生活のために急いで適当に仕事を決めてしまうと、ブラック企業に当たる可能性が高まるからです。
ここで少しだけ、当サイトの管理人ヤマダが、焦って仕事を決めてしまった話をさせてください。
当時の僕は、専業IT系Webライターとして活動していました。
しかし、7月末で一番大きな取引先の仕事がなくなることになり、Webライターの活動を縮小してフリーランスSEになることを決めました。
貯金もそこまで余裕がなかったため、とにかく早く働ける職場を探していました。
しかし、8月中旬からお盆休みが始まることもあり、求人を出している会社自体が少なかったのです。
そのような中で転職活動に取り組み、最終的には面接に通過しそうな会社が2社ありました。そこで、第一志望の会社はお盆明けでないと回答が出せないと言われてしまい、第二希望の会社から内定が出たため、そちらに入社することを決めたのです。
第二希望の会社のほうが経験を活かせる仕事内容であり、SEとしてブランクがあったため、当時は納得して入社を決めました。
しかし、結論からいうと、その会社は人材を使い捨てにするブラック企業だったのです。口コミサイトで確認したら、人材の長期育成で非常に低評価を受けていました。
人材の長期育成の概念がないということは、入社前に確認して覚悟していました。
- 「数年働いて、次の現場にステップアップするぞ!」
そう意気込んでいたのです。
しかし、そのやる気は初日に崩れ去りました。
何と、面接時に聞いていた部署とは違う部署に入れられてしまったのです。
ブラック企業恐るべし。プロパーではなく協力会社の社員として入場しているのに、いきなり契約内容を反故にされてしまいました…。
しかし、これも一年程度働かなくても良い貯金があれば、焦って職場を決める必要はなかったため、起こりようがない事件です。
あなたは、僕と同じ過ちを犯さないように、少しでも多くの貯金をしておいてください。
また、会社を退職する前の社会的信用があるうちに、以下のことをやっておくとよいでしょう。
- クレジットカードを作る
- 賃貸契約を交わす(住宅ローンを組む)
これらは、無職になって社会的信用がなくなった時点で、難易度が一気に高まるものです。仮に会社員に戻ったとしても、勤め先の勤続年数などは必ず確認されます。
現在の職場で数年以上働いているなら、このとき積み上げた信用を使ってクレカを作ったり住宅ローンを組んだりしないと、次に社会的信用が積みあがるまで待つ必要があることに注意してください。
転職が活発ではない時期でも、転職エージェントに相談してつながりを作ることはできる
転職が活発でない時期でも、転職エージェントに相談してつながりを作ることは可能です。転職エージェントに希望を伝えておくことで、希望にマッチする仕事が出た際にエージェントから連絡がきます。
これは、転職サイトで孤独に転職活動を行うより心強いです。何より、毎日忙しい中で、頻繁に求人を確認するなど、不可能に近いでしょう。
例えば、僕が当サイトで紹介しているレバテック様を活用していたとき、自分にマッチする仕事を以下のようにLINE経由で知らせてもらっていました。
仕事を随時紹介してもらいながら、「〇〇というスキルはまだない」「残業を避けたいから、ワークライフバランスを意識した企業が良い」などのように、より詳しい条件をエージェントに伝えて、自分にマッチした仕事を見つけ出してください。
転職サイトの機械的な新着求人通知サービスではなく、心のあるエージェントと相談しながら転職活動に取り組めるのが、転職エージェントとつながりを作るメリットです。
このように、SEは「比較的一年中転職しやすい職種」といえます。仮に転職しにくい時期であっても、転職の準備期間と捉えることで、あなたにできることはあるのです。