未経験からシステムエンジニア(SE)になりたいなら、志望動機を練り上げる必要があります。何となくのイメージでSEになりたいと伝えても、「本気でSEになろうとしていない」と面接官に解釈されるからです。
ここで、面接官を納得させられる志望動機には共通点があります。
例えば、「なぜSEになりたいのか?」「どのようなSEを目指すのか?」「具体的な行動を起こしているか?」などは、面接官が知りたがるポイントです。
ここで、地に足のついていない志望動機を伝えてしまうと、学歴や潜在能力が優れていても、「SEに不適合である」という烙印を押されてしまうでしょう。これでは、何社受けても面接を通過できません。
そこでこのページでは、「履歴書で映える志望動機の作り方」を解説します。
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SEに志望する動機を強くしていく
未経験からSEを目指す場合、面接官や面接に同行するSEに「この人はSEとして一人前になれる」と思ってもらう必要があります。今まで別職種で働いてきた人が、他のSEのレベルに追い付くには、努力が必要になるからです。
そこで、まずは強い志望動機を作り上げなければなりません。志望動機は履歴書に必ず記載しますし、面接でも口頭でより深く問われます。
また、履歴書が映えるように、自分の行動まで変えていく必要もあります。そうすることで、「口だけではなく、本当にやる気なんだな」と面接相手から認識してもらえるのです。
具体的には、以下のことを考えて志望動機を考えれば、あなたの志望動機が強くなります。
- なぜSEになりたいのか?
- どのようなSEになりたいのか?
- SEになるために行動しているのか?
- 仕事としてやっていけるのか?
- なぜ応募先企業でないといけないのか?
順を追って解説させて頂きます。
1.なぜSEになりたいのか?
「なぜSEになりたいのか?」は重要です。未経験からSEになる場合、誰しもきっかけがあるからです。
ここで、漠然としたきっかけしか示せないようでは、面接官に悪い印象を与えてしまいます。
具体的には、以下のように具体的な理由を示す必要があります。
私は幼い頃からコンピュータの活用が得意で、現在の職場でも中高年の上司からは、パソコンの操作方法を聞かれたりトラブル対応をまかされたりしています。
会社で導入されているシステムもいち早く使えるようになりましたが、そこで「もっと、◯◯の部分をこうしたほうが良いのでは?」と疑問に思う機会が増えました。 しかし、経理職を担当している今の立場では、あくまでソフトウェアの活用までしかできません。 そこで、自分の将来像を考えたところ、経理の学習をするよりコンピュータに費やす時間のほうが多くなっていることに気がつきました。 これからのキャリアを考えると、興味や関心を持つことができるSEという職種で生きていくことが正しいと判断して、今回応募させて頂きました。 |
このように、「職場での具体的な経験からSEという職種に興味を持った」という理由は好印象を与えます。
2.どのようなSEになりたいのか?
「どのようなSEになりたいのか?」も大切です。自分の将来の方向性を示すことで、面接官に「この応募者にはビジョンがある」と認識してもらえるからです。
あなたは現状、SEという職種について多くのことは理解していないでしょう。それでも、漠然とした方向性は示せるはずです。
例えば、以下のような方向性を示すことが可能です。
私は今まで、ユーザーにソフトウェアの使い方を解説するコールセンターの仕事に取り組んできました。
そこで、多くのユーザーが同じような箇所で躓いているところを見て、「もっと分かりやすいソフトウェアがあればいいのに」と考えていました。 実際にソフトウェアを操作方法をマスターしていくうちに、自分の頭の中に「ここをこうすれば、ユーザーは直感的に操作できるのに」と思う機会も増えました。 そこで、SEになったあかつきには、ユーザーにとって使いやすく負担を減らせるような、「ユーザーに寄り添うSE」になりたいです。 |
ようは、「どのような将来設計があるか?」を示すことで、継続的に目標に取り組む姿勢を見せるのです。
3.SEになるために行動しているか?
「SEになるために行動しているか?」は志望動機をより一層強くします。口だけではなく、経験や行動が伴っていることが、SEになりたいという根拠になっているからです。
例えば、自分で簡単なソフトウェアを制作してみたり、プログラミングスクールに通ったりすれば、プログラミング未経験から職種未経験にランクアップすることができます。
*SEになるために、どのような行動を起こせば良いかを知りたい方はこちらの記事も閲覧してください。
上記の行動を取ったという前提で、以下のような志望動機にすれば良いでしょう。
私は、現在〇〇という企業で総務の仕事をしています。しかし、より商品の生産に近いところで働きたいという思いがあり、普段からネットショップを活用していたので、このシステムがどうやって作られているかに興味を持ちました。
そこで、プログラミングスクールに入会して、PHP言語(*プログラミング言語の一種)でのWebプログラミングを経験して、実際に小規模ネットショップシステムを構築しました。 自分で体験した結果、適性があると自負しています。わからないところを、自分で調べる癖もすでに身についています。貴社のWebサービス開発に携わることで、よりスキルを高めて会社への貢献を増やしていくつもりです。 |
このぐらいの行動力と気概があれば、会社にとって利益のある人材だと判断されるのです。
4.仕事としてやっていけるのか?
「仕事としてやっていけるのか?」を予め示すことで、未経験者を採用する心理的なハードルを下げることができます。この業界に長くいると、憧れで入社したものの、結局仕事としては続けられずに業界を去る人を多くみているからです。
仕事としてやっていけることを示すためには、「困難を乗り越えた経験」が有効なアピールとなります。
例えば、前述の「SEになるために行動」にプラスして、以下のような志望動機をつくると印象が良くなります。
~まずは、SEになりたい理由を列挙~
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇。 また、今回未経験からSE職種に応募するにあたって、開発未経験では失礼だと考え、独学で簡易電卓のソフトウェアを制作しました。具体的には、マイクロソフト社のVisual Studioをインストールして、VB.netで開発しました。 開発ツールのインストールの問題やプログラムのバグなど、多数の困難がありましたが、インターネットの質問掲示板やグーグル検索を駆使して、完成までたどり着きました。この困難を解決する姿勢は、貴社の業務でも役立てることができると考えています。 そこで、業務系システムを開発している貴社に応募させて頂きました。 |
ようは、「困難→解決」の経験があれば、仕事での困難も解決できると解釈されるのです。
5.なぜ応募先企業でないといけないか?
なぜ、その企業に応募したかという理由も、志望動機に盛り込んだほうが良いでしょう。
どこでもいいから雇ってほしいと考えていると、あなた自身もその他大勢として扱われてしまうからです。
人は、関心を持ってくれる人に関心を持つものです。そこで、志望動機を書く前に、応募先企業の情報を極限まで収集してください。
- 求人サイトの情報
- ホームページ
- 雑誌やWebメディアの取材
このような媒体から、その企業ならではの事業や独自の取り組みに参画したいという気持ちで志望動機を書くことが好まれます。
僕の例でいえば、かつて就職していた開発会社では、中国からエンジニアを採用したり、中国での事業を展開したりしていました。
そこで、以下のような志望動機を用意したところ、無事に採用されたのです。
私は現在までに、情報処理技術者試験の応用情報技術者を取得しており、ITエンジニアとして働くための土台があると自負しています。今まではベンチャー企業でITサポート業務に従事していましたが、開発者としてのスキルを身につけて、末永くIT業界に携わりたいと考えています。
そこで、開発会社の求人を数十程度ピックアップしたところ、「中国から積極的にエンジニアを採用している」「ホームページ上にエンジニアの勉強会で制作したアプリを公開している」など、他社にはない意欲的な取り組みを行っているところに興味をひかれました。 私も、意欲的にスキルを磨いて、必ず会社に利益をもたらすSEになるので、貴社のエンジニアの皆様と切磋琢磨させてください。 |
このように、その会社ならではの取り組みに関心を持つことで、その後の面接の会話も弾むでしょう。
まとめ:履歴書に書ききれない場合、強調したい点だけを記載して、後は口頭で伝えられるよう準備しておく
今回解説した点を踏まえて志望動機を作成すれば、面接官の心に響く志望動機が完成するでしょう。場合によっては、書きたい志望動機に行動を合わせていく気概が必要です。
例えば、実際にプログラミングを試してみたり、プログラミングスクールに入会したりして、SEを目指す思いを強くするのは良い選択です。
また、上記で解説した5点をすべて含んだ志望動機をつくるのは、文字数の関係で難しいと思います。
そこで、自分が強調したい所だけは履歴書に記載し、その他の部分は面接の際に口頭で伝えられるように、準備しておくことが大切です。