どの職業に就いている人にとっても、転職は人生の一大事です。
「IT業界」という、転職の多い業界のシステムエンジニア(SE)の場合も同様に、この事実に変わりはありません。
しかし、転職エージェントの口車に上手く乗せられて安易に転職を決めると、転職は必ず失敗します。僕が2回連続で転職に失敗したときは、本気の涙を流したものです。
この経験があるからこそ、失敗から本気で学習し、今では納得のいく形で仕事をしています。
転職に失敗しないためには、どのようなところに気をつければよいのかも、自らの痛い経験から理解できました。
このノウハウを、自分一人のモノにしてはいけないと考えています。あなたが不誠実な企業や転職エージェントを回避することによって、SEの気持ちを考えない企業を減らすことができると、僕は信じているのです。
そこでこのページでは、「恥ずかしい」と思う気持ちを抑えて、「僕の転職失敗談」をあなたに共有させて頂きます。
また、僕が身を削って理解した「転職で失敗しないための5つのポイント」をあわせて解説するため、今後の転職活動に役立ててください。
Contents
SEである僕の転職失敗談
はじめに、僕の20代中盤から後半の頃の話をさせてください。少し長くなりますが、必ずあなたの役に立つはずです。
また、失敗談の後に「転職で失敗しないための5つのポイント」を解説しています。
転職は成功したはずだったが、運悪く再転職するに至った話
24~26歳の頃、僕は運用系SEとしてITスキルを身につけていました。そこで、「今までに培ったネットワークの知識を活かして、ネットワークエンジニアの仕事に転職するか」それとも「以前からの憧れだった開発系SEに転職するか」で悩んでいました。
景気が上向きになり、エンジニア不足が叫ばれ始めていた時代だったからです。
そのため、仕事が見つからないということは考えられませんでした。
そこで、僕は開発系SEに転職することを決めました。理由は以下の2点です。
- 今後、歳を重ねるにつれて、職種未経験で採用してもらえる機会は減る
- 仮に開発系SEが向いていなかったら、早めに見切りをつけてネットワークエンジニアに再転職できる
開発系SEの職種を探した結果、小規模で自社開発専門で事業をしている会社(エンジニアを別会社に派遣させずに、クライアントから仕事を請け負って自社で開発している会社)に転職することができました。
未経験ながら、IT系国家資格である「応用情報技術者」を取得していたことが決め手になったのです。
参考記事→SE転職に資格は必要? 資格を役立てる方法と資格がないときの対処法
「資格だって所有しているし、ここで頑張れば、自分でもついていけるはずだ」
そう考えて、採用後に二つ返事で働き始めました。
しかし、当初の思惑とは違い、その会社での仕事に早い段階で疑問を感じてしまいました。面接時の希望と異なる条件で働くことになってしまったのです。
当時、その会社内には以下の2つのプロジェクトがありました。
A.ほかの会社では需要のない特殊なプログラム言語を用いた開発
B.多くの会社で需要があるプログラム言語を用いた開発
当初は、Bのプロジェクトに入れてもらえる前提で採用されました。
しかし、実際は会社の都合でAのプロジェクトに参画することになってしまったのです。
また、会社の規模も小規模だったため、今後、Bのプロジェクトに参画できる可能性も低いとのことでした。
これが、会社員のつらいところです。新卒であれば2年ほど我慢したでしょう。
しかし、20代後半という大事な時期には、どこの会社でも通用するスキルを身につけようと考えていました。そこで、開発系SEには見切りをつけて、退職することを決めたのです。
ここまでは、転職が完全に失敗したとは思っていません。
転職前の判断は間違えていませんし、Bのプロジェクトに参画できていたら、継続して働いていたはずだからです。
焦って仕事を決めてしまい、大失敗!
その後の僕は、すぐに退職することを社長に伝えました。せっかく教育した人間が辞めるより、早く次の社員が入社したほうが会社にとって都合がよいからです。
結果として、社長からも「本格的な教育が始まる前に、早めに退職を決断してくれてよかった」といって頂くことができたため、短期間の勤務でしたが円満に退職できました。
そこから、新たに運用系SEの経験を生かしてネットワークエンジニアになるための転職活動を始めることになります。転職エージェントに登録すると、すぐにネットワークエンジニアの仕事をいくつか紹介して頂きました。
その中から、転職エージェントがおすすめする会社に面接に行くことが決まりました。このとき、念のためネットでその会社の評判を調べると、多くの悪評が立っている会社だったのです。
怖くなったため、至急営業社員に連絡し、「ネットで悪評が立っている会社なので、辞退します」とお伝えしました。
しかし、営業社員から「ネットの意見なんて、あてにならないから、とりあえず面接してみて、自分の目で判断しよう」と諭され、一応面接を受けることを決めました。
会社をすでに退職していたこともあり、僕も焦っていたのです。
面接を受けた印象として、面接官の対応はとても丁寧でした。ネットで悪評が立っていたのが、嘘のように感じました。「ネットを信じすぎるのも良くない」と感じていたほどです。
その会社から無事内定が出たため、張り切って働き始めました。
しかし、数日間働くと、今までに経験したことのないグレーな企業だったのです。具体的には、以下のような出来事が当たり前になっていました。
- 指示があいまいにも関わらず、部下の仕事が自分の意図とズレていると怒り、怒声が飛び交う
- マネジメントが根性論
- ベテラン社員が部下に仕事を押し付け、自分は昼寝をしている
端的にいうと、企業としてのレベルが低かったのです。数ヶ月仕事をしている中で、引き継ぎ書類を確認していると、前任者が大量に離職していることも判明しました。
このときは、さすがに落ち込みました。前回の転職は失敗とは言い切れないところがありましたが、今回の失敗は準備不足による失敗です。
そのため、完全に自分の責任です。
自分なりに分析した結果、失敗の原因は、以下の3点だといえます。
- 前職の仕事をすでに退職していて焦っていた
- ネットでの悪評を無視してしまった
- 転職エージェントを信頼しすぎていた
この後、すぐに失敗から多くを学んで転職活動を開始し、今では自分の納得のいく形で仕事を得ています。
しかし、転職を成功させるには、正しい転職の知識が必要だと痛感した出来事でした。
転職で失敗しないために抑えておきたい5つのポイント
ここからは、僕が転職で失敗してきた経験を踏まえて、転職時に抑えておきたい5つのポイントを解説します。具体的には、以下の5点です。
- 転職予定の企業を下調べしておく
- 退職前に転職活動を開始しておく
- 転職の目的を明確にしておく
- 転職先の仕事内容・条件を確認しておく
- 良質な転職エージェントを見極める
どれだけSEとしてのスキルが高くても、あなたに転職経験が乏しい場合、自分にふさわしくない企業に入社してしまう可能性が高まります。
現在では、転職は簡単にできます。しかし、転職を成功させるのは簡単ではありません。
これから上記の5点に関して、順を追って解説させて頂きますので、転職失敗の確率を減らしてください。
1.転職予定の企業を下調べしておく
転職予定の企業を下調べするのは重要です。近年では、悪行がネットで公開されるリスクがあるため、ブラック企業の面接も丁寧になっているからです。
これでは、面接でブラック企業を見抜くことができません。
そこで重要なのが、「信頼できる企業口コミサイト」の情報を確認することです。
ネットの情報では、メディアによって大きく信頼性が異なります。そのような中で、信頼性をもたせようと努力している口コミサイトも存在します。
例えば、以下のような条件に当てはまる口コミサイトは書き込みの質を担保している可能性が高いです。
- 会員登録をしないと書き込みはおろか、閲覧すらできない
- 口コミサイトが転職エージェントを兼ねていて、「利用者が何を書き込んだか」を口コミサイト運営者が把握できる
ここでチェックするポイントは、面接を希望する企業以外の、他の有名優良企業の情報です。
優良企業の評価が高かったり、マトモな書き込みがされていたりすれば、真っ当に運営されたサイトである可能性が高まります。
一方、質の悪いユーザが集まるサイトでは、このような優良企業でも悪く書かれています。
このようなサイトで面接予定の企業が酷評されていれば、信憑性がある書き込みと判断できるのです。
例えば、信頼できる口コミサイトの一つである「転職会議」で、グーグルを検索すると以下のようなデータがでます。
一方、管理人ヤマダが以前勤めていた大企業を、別の口コミサイトで検索すると、以下のようになっていました。
社名は伏せますが、人材の長期育成が1.9と著しく低いです。実際に、課長クラスの人間が「今年の新人は、半分残れば良いほうかなぁ」と言っているのを聞いたことがあります。
やはり、社員の口コミは信頼できることも多いのです。
注意深くサイト全体を読み込んで、ブラック企業だと感じたら、応募を辞退する勇気を持ってください。
2.退職前に転職活動をスタートしておく
(キャリアプランを持って、戦略的に転職活動を行いましょう!)
前職を辞めずに転職活動を行うのは、とても重要です。転職先企業に対して、交渉を有利にすすめることができるからです。
企業の面接官は、求職者の足元を見てきます。
まだ、企業で働いている求職者には面接官も強気には出られません。求職者は、いつでも内定を断ることができるからです。
しかし、無職の人間には強気に出てきます。内定が求職者の生活に関わっているためです。
給与の交渉をするときでも同じです。
例えば、「〇〇万円という給与を貰っている(現在形)」というのと「〇〇万円の給与を貰っていた(過去形)」では、面接官に与える印象は、天と地ほどの違いがあります。
現在高い給与を貰っている人間のことは、立派な人間としてみられやすいです。そのため、面接官も軽く扱うことはできないのです。
一方、無職になってしまった時点で、高い給与や社会的地位も過去のものになります。
そのため、心理的に追い詰められた無職の状態で転職活動を行うことに、一つもメリットがないと考えて間違いありません。
よほどの事情がない限り、現在の仕事を退職せずに、転職活動を行ってください。
転職を通じて要領よくステップアップしたいなら、以下の記事も参考にしてください。
3.転職の目的を明確にする
転職を行う際は、必ず「転職の目的」を明確にしてください。これができていないと、人生の軸がぶれるからです。
転職の目的は大抵の場合、以下の3つに分類されます。
1.給料 現在の給料を上げたい! 2.やりがい 仕事にやりがいを見出したい! 3.時間 プライベートな時間を確保したい! |
上記の中で、絶対に譲れない条件を明確にしておけば、転職エージェントも、あなたにマッチした仕事を紹介しやすくなります。
自分の価値観と一致する企業で働けば、失敗の可能性を減らすことができるのです。
4.転職先の仕事内容・条件を確認しておく
転職先の仕事内容や条件を、よく確認しておくことが大切です。後から聞いていた条件と違うという話になれば、再度転職する必要に迫られるからです。
特に、長期的な勤務を前提としているなら、「未来の条件も確認しておくこと」が重要です。
例えば、現在提示された給与が高くても、それが最高額かもしれません。また、大企業であれば、給与には反映されない福利厚生が存在します。
他にも、職種として「開発業務→マネジメント業務」のように、ステップアップできる職場であれば、腰を据えて働くことが可能です。
今の条件だけでなく、未来につながる条件を提示してくれる会社を選択するようにしてください。
5.良質な転職エージェントを見極める
(転職エージェントは、上記のような仕組みで成り立っています)
転職エージェントは、転職の知識がないあなたにとって、心強いパートナーとなります。
転職エージェントは、応募者を転職させて企業から代金を受け取っているため、あなたを内定させようと全力で動いてくれるのです。
しかし、「転職エージェントが、転職希望者を企業に採用させて代金を受け取っている」という事実が、マイナスに作用することもあるのです。
具体的には、ブラックな転職エージェントは、転職希望者のことを「市場価値」のみで判断します。そして、市場価値があると判断すれば、無理やり転職する方向に持っていくのです。
あなたの意志を尊重しない転職エージェントの言いなりになる必然性は、どこにもありません。
本当に、あなたの人生のことを考えてくれている転職エージェントと、長い付き合いになる必要があるのです。
当サイトがおすすめする転職エージェントを知りたいなら、以下の記事を参考にしてください。
悪い転職エージェントを見極める方法
悪い転職エージェントには、「強引なところがある」という共通点があります。
例えば、自分の転職の目的と合わない企業のことを、強くすすめてくるようなエージェントが存在します。
エージェントにもノルマがあり、無理やり数字をあげようと躍起になっているのでしょう。
実際に、僕も強引なエージェントに萎縮してしまいました。前段階で面接予定の企業が、ブラック企業である可能性が高かったのにも関わらず、強引に押し切られて面接に行ってしまったのです。
ここからどうなったかは、前述の転職失敗談の通りです。
相手の思惑通りに自分が動かないと、相手が不機嫌になってしまうような場合、他の転職エージェントに登録してください。
また、転職の経験が増えるとわかるのですが、どこの転職エージェントにも、良い担当もいれば悪い担当もいるということが理解できます。
そして、誰が担当になるのかを、こちらで指名できないことがほとんどです。
もちろん、おすすめの転職エージェントは存在します。
しかし、誰が担当になるかがわからない以上、本質的には転職エージェントよりも、そこの担当者を見極めてください。
重要なことなので繰り返しますが、会社より人を重視することが大事です。
だからこそ、複数の転職エージェントに会員登録してください。その後は、メールの文面や電話対応のみで良し悪しを判断せずに、実際に転職エージェントを訪問して、良い転職エージェントを見極めてください。
ここで、手抜きをしてはいけません。
転職するのは簡単ですが、転職を成功させるのは難しいことです。
必ず、丁寧な転職を心がけてください。
まとめ:複数回の転職で、転職を成功させようとすると失敗がなくなる
転職活動で最も気がかりなのは、現在勤めている会社と、将来転職するであろう会社の比較ができないところです。特に、現在そこそこの会社に勤めているほど、失敗のリスクを避けるために、今の会社に残る傾向があります。
しかし、「1回の転職で成功させようと思わないこと」を意識すれば、失敗が失敗ではなくなります。
転職市場で求められる年齢制限のこともあるので、遅くても40歳までには落ち着ける会社にたどり着きたいところです。裏を返せば、40歳までは複数回転職してもかまわないということです。
転職の途中で、「この会社への転職は失敗だった…」と感じても、最終的に自分に合う会社に到達できれば、途中の失敗は学びになります。僕も、転職では失敗が続きましたが、最終的には納得のいく働き方を選択できるまで成長しました。
失敗が成長に変わることさえ意識していれば、転職することによって効率的にスキルを高め、キャリアアップを果たせるのです。
転職に失敗したなら再転職を検討すること
あなたが転職に失敗したと思ったなら、再転職するのが一番です。すでに一度は転職しているため、転職に対するハードルは下がっているでしょう。
ただし、転職前には、「自分が転職によって何を得たいか?」をリストアップしてください。それを、優良転職エージェントに相談すれば、親身に転職をサポートしてもらえるのです。
ここからは、「転職失敗をリカバーしてくれる」という観点で、転職エージェントを紹介します。
・マイナビエージェント×IT
業界トップクラスの求人を抱えているのが「マイナビエージェント×IT」。また、首都圏だけでなく全国に対応していることも、大手ならではの魅力です。
取り扱っているIT業界の職種が、以下のように大量にあるところも大手企業ならではです。
- プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- システムエンジニア(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- プログラマー(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- 社内SE
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
- データベースエンジニア
- システムコンサルタント(業務系、テクニカル系)
- パッケージ導入コンサルタント(ERP、CRM、SCM等)
幅広い職種・多くの求人から辛抱強く優良企業を探せば、次の転職では成功させられます。
対象年齢 | エリア | 未経験 |
20~30代 | 全国(首都圏・関西圏多数) | 〇 |
・TechClipsエージェント
首都圏での高年収案件に特化しているのが「TechClipsエージェント」。利用者の93%が年収アップしたという折り紙付きのエージェントですから、とにかく年収をアップさせたいなら、ぜひ登録してください。
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対象年齢 | エリア | 未経験 |
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