(今日の結論:ブラック現場はたしかにあるが、ブラック現場を見極める手法があれば問題なし!)
客先常駐ITエンジニアという働き方は、IT業界において一般的です。すでに当サイトでも、客先常駐の働き方にメリットがあることはお伝えしています。
しかし、世の中には、「客先常駐は地獄だよ」「客先常駐のストレスで鬱になった」という言説があるのも事実です。
もし、このようなブラック現場に当たってしまっては、あなたの人生が壊れてしまいます。
そこでこのページでは、「客先常駐は地獄という噂は本当か?」「どのような現場が地獄なのか?」「ブラック現場を全力で回避する方法」について解説します。
Contents
客先常駐は地獄という噂は本当か?
(運悪くブラック現場に当たってしまった日には、飲まなやってられん。えぇ、本当にもう、飲まなやってられん…。)
はじめに、「客先常駐の仕事は地獄という噂は本当か?」という疑問に結論を出しておきます。
答えとしては、「客先による」としか言いようがありません(笑)。
しかし、それではあまりにも大雑把な答えなので、僕の体験をもとにどのような客先があるかを語らせて頂きます。
まず、僕が経験した地獄の現場は、リーダーが感情でしか判断できない女性で、チームのメンバーが頻繁に入れ替わるような現場でした。
ありとあらゆる企業からITエンジニアを派遣させるのですが、あまりにも悪評が立ちすぎてしまい、長く付き合いのある企業からも嫌がられる現場へと成り下がっていたのです。
結局、僕が抜ける寸前には、よく分からない外資系の派遣会社にまで声をかける始末…。
感情的なリーダーに辟易して、精神状態も追い詰めらます。僕も3ヶ月でドロップアウトしましたが、最後には円形脱毛症になってしまいました。
このような現場に当たってしまい、もはやIT業界から離れようと考えてしまうほどでしたが、次の現場はホワイトそのものだったのです。
システム運用の現場だったのですが、余計な単純作業を繰り返さなくてもよいように、細かな作業はExcelのマクロや自動化ツールでロボ化されていました。
常にバッファを持って仕事をするのが正しいという思想のリーダーの元で働くことができたおかげで、地獄の現場時代の精神状態が嘘のように回復しました。
この経験から察するに、結局の所、現場次第で天国にも地獄にもなるのが客先常駐という働き方でしょう。
ただし、客先常駐であるが故に、その企業のプロパーとは違い、出向する客先を変更しやすいのも事実です。
「客先常駐 = 地獄」と単純に考えてしまうと、選択肢を狭めてしまいます。
どのような客先が地獄なのか?
ここからは、どのような客先が地獄なのか?について解説していきます。
- 日常的に忙しい(プロジェクトが炎上している)
- 客先が外注ITエンジニアのことを使い捨てだと思っている
- 何のスキルも身につかない
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.日常的に忙しい(プロジェクトが炎上している)
プロジェクトが炎上している等の理由で日常的に忙しい現場は、地獄の現場となり得ます。締切までの作業量が多すぎると、一人あたりの業務量は必然的に増えるからです。
基本的に、忙しい現場においては、新人を教育する時間も確保できません。
そこで、場当たり的に人員を増やしたからといって、その分作業が2倍の速度で進むようにはならないのです。
このような状況では、すでに業務を理解している人間が、気合で仕事を終わらせるしかありません。
もちろん、たまにプロジェクトが炎上するだけなら、現場の責任者にも悪気はないでしょう。
しかし、日常的に十分な人員に教育を施せていない場合、確信犯か経営者の実力が乏しいとみてください。そのような地獄現場からは、一刻も早く抜け出すべきです。
2.客先が外注ITエンジニアのことを使い捨てだと思っている
客先が外注ITエンジニアのことを使い捨てだと思っているときも、地獄の現場となります。人を人だと思わない現場では、そこで働くITエンジニアも辛い思いをするものです。
僕が経験した現場では、外注ITエンジニアの座席だけ、長机に椅子を並べた最悪の開発環境を用意している企業がありました。
プロパー社員が悠々自適に仕事をしている中、外注ITエンジニアだけ劣悪な開発環境で働く企業が、天国であるはずがありません。
ほかにも、上位会社の人が外注ITエンジニアに対して高圧的に接していたり、外注のみ短期間で離職を繰り返していたりする場合、使い捨て扱いされている可能性が高いでしょう。
客先だから仕方がないと考えず、優良客先に巡り会えるまで現場を変えるのが、地獄から逃れる方法です。
3.何のスキルも身につかない
何のスキルも身につかない現場も、捉え方によっては地獄の現場となります。実力がないまま年齢だけ重ねてしまうと、どんどん市場価値が落ちるからです。
例えば、運用ITエンジニアの仕事の一つに、監視オペレーターと呼ばれる仕事があります。
この仕事は、サーバー等の異常を監視して、異常検知時に決まった手順で対処する仕事です。ITエンジニア職の入り口としては最適なのですが、歳を重ねても続けていると、あまり高度なスキルは身につかないまま、若くて給料が安い若手に追いやられてしまいます。
ほかにも、無駄に業務量が多いだけで社内でしか役に立たない業務をやらされているなら、即座に現場を変更してください。
例えば、僕が現場で目撃した最悪の仕事は、「その企業でしか扱っていない機器のデータの流れから、お客様の誤った操作を見つけ出す」というものでした。
このような仕事は、外の現場に出ても、一切役に立たないです。通常なら、外では役に立たないと割り切った上で相場より高い報酬を得るものですが、ブラック企業は使い捨てるつもりで安い報酬でやらせようとします。
また、自社は高い報酬を受けているのに、あなたに還元していない場合も同様です。
以上のように、スキルが身につかない現場はブラック化しやすいと心得て、最悪の場合でも報酬とのトレードオフにしてください。
ブラック現場を全力で回避する方法
ここからは、ブラック現場を全力で回避する方法を語らせてください。
僕も、何度かブラック現場を経て優良現場にたどり着いていたため、平均的なITエンジニアよりも現場を見極める力があると自負しています。
具体的には、以下の2点は、今の僕なら必ず確認する項目です。
- 面接時に現場を見学させてもらう
- 自社の営業にヒアリング
あなたも客先を選ぶ際は、絶対に意識してください。
1.面接時に現場を見学させてもらう
面接時に現場を見学させてもらうのは、ブラック現場を見極めるために最も効率的な手段です。現場で働いている一人一人がホワイト・ブラックを創り上げるため、ブラックにはブラックらしい証拠が必ずあります。
例えば、そこで働いている社員の表情やスーツの着こなしを観察してみてください。
ブラック現場の場合、面接に来た自分を睨めつけてくることがあります。厳密には睨みつけているというより、仕事に余裕がなさすぎてピリついている顔を面接者に見せてしまうのです。
スーツ1つ取っても、自分のサイズに合ったスーツをアイロンの型が残る形で着こなせているか、それともサイズの合わず汚れた格好をしているか、等は注意深く観察すれば気がつけます。
ほかにも、机やキャビネットなどが整理整頓されているかという情報から、プロジェクト全体の仕事量に余裕があるかないかも分かるでしょう。
そこで、現場の多数派に対して違和感を感じるようであれば、その直感に従って現場への入場を断ってください。
ようは、「こいつらとは一緒に働きたくないな…」と思えば、それはブラック現場なんです。
2.自社の営業にヒアリング
自社の営業にヒアリングするのも、ブラック現場を見極めるために有効です。営業のほうが先に現場の情報を得ているため、営業経由で伝わっている事実があります。
例えば、「現場のリーダーは論理的にマネジメントするタイプですか? 高圧的なところはありませんか?」などと聞いてみてください。
ややこしい人間がいる現場では、大抵の場合、その人間の噂が流れています。
営業であれば、その現場がどの程度荒れているかも知っていることが多いです。
そこで、滅茶苦茶な現場に入れられそうになったなら、「こんな現場に入場してもスグに辞めるだけ。もう少しマトモな現場を探したい」という姿勢を持ちましょう。
人間というものは、「こいつは何も言ってこないな」と判断されると、無茶を押し付けてくるものです。
一方、「こいつとやり合うと面倒なんだよ。」と判断されると、こちらには危害が及ばないようになります。
ようするに、善良に生きていたら良い仕事が舞い込むなどという幻想は捨てて、ブラック現場を弾き返してホワイト現場を主体的に奪い取ってください。
まとめ
本記事では、「客先常駐は地獄なのか?」「ブラック現場の特徴」「ブラック現場を回避する方法」について解説してきました。
結論、客先常駐だからといって、全てがブラック現場というわけではありません。お客様現場で働くことになるため、確率的にひどい使われ方をする可能性が高まるぐらいです。
それでも、ブラック現場をどうしても回避したいなら、「現場に入る前に、念入りに現場の状況を聞くこと」でしょう。
基本的に、ブラック現場は「人がすぐ抜けていく」「メンタル疾患が頻繁に出ている」等、必ずブラック特有の特徴が出ています。
僕も、面談時に第一印象は良い現場だったが、話を聞いていると「怒られるのが仕事」という単語が出てきて、エンドユーザの倫理観が低いと判断したことがあるものです。エンドユーザの倫理観が低いと、労働環境の改善が最も難しいため、丁重にお断りしました。
次の現場が決まっていないからと焦らず、じっくり腰を据えて働ける現場がどうかを見極めてください。
また、どうしても自分一人ではホワイト現場を見極められない場合、転職エージェントに相談する方法もあります。
あなたのスキル感を把握した上で、給与・スキル・労働環境などの希望をヒアリングして、最適な企業を紹介して頂けるサービスです。
そこで、「とにかく労働環境が第一」という条件を出せば、あなたにとってのホワイト現場を探してくれます。