システムエンジニア(SE)が転職する時、人によっては空白期間があります。激務から逃れたりまとまった学習時間を取ったりするために、職歴に隙間ができる可能性が高いのは、SEという職種の特徴です。
しかし、空白期間を恐れる必要はありません。日本のエンジニア不足はこれからも続くため、ITスキルや社会人の基礎を身につけているエンジニアであれば、面接官も空白期間に寛容になってくれるからです。
また、空白期間は延びれば延びるほど、その後の面接に悪影響を及ぼします。そのため、仕事を再開する気があるのであれば、今日この瞬間から行動を起こすのが正解になります。
そこでこのページでは、「空白期間があるSEが履歴書で自分を良く見せるコツ」について解説するので、閲覧後すぐに行動を開始してください。
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直近で仕事をしている人は、そこまで問い詰められることはない
過去に空白期間があったとしても、現在仕事をしているなら、そこまで空白期間を気にする必要はありません。今、社会人として一人前の働きをしているなら、ある程度の社会性は身についていると判断されるからです。
ただし、職歴に空白期間がある分、同年代と比較してスキルが足りないと思われる可能性はあります。そこが不安なら、自分のスキルを証明できるアウトプットを残しておき、面接官の不安を払しょくするように気をつけてください。
例えば、インターネット上に学習ブログを立ち上げたり、自分のスキルを証明する簡単なソフトウェアを開発したりするのが有効な手段です。
このようなアウトプットがあれば、いつ失職しても焦らず転職活動を行うことができるため、これから空白期間が追加される可能性を減らせるのです。
空白期間から復帰する場合
空白期間が最もネックになるのは、現状空白期間から復帰するために転職活動を行っている場合です。
面接さえクリアできれば普通に働くつもりでも、その面接で空白期間をつつかれるのが辛いため、ついつい求職を先延ばしにしてしまいがちです。
ここで意識しておきたいことは、「空白期間を後悔しても仕方がない」ということです。過ぎ去ったことを振り返るぐらいなら、これからどうしようと考えることを癖付けてください。
現在では、新卒で入社した企業で定年まで働くことのほうが珍しい時代になりました。ほとんどの人が転職を経験する中で、一時的に数年間働かなかった時期があるだけです。
実際に、管理人も履歴書の空白期間があったりIT業界から離れてリハビリのように工場で勤務したりした経験がありました。
しかし、その後は問題なくIT業界に戻ることができています。
留学や社会人の学び直し以外で、空白期間のイメージを上げることは難しいです。
ただ、上手に現状を伝えることで、空白期間を面接官に意識させない方法論は存在します。
そこで、ここからは、「空白期間を履歴書にどう落とし込むか」を解説しています。具体的には以下の点に留意してください。
- 空白期間は正直に書くこと
- 空白期間末期(現在)には、スキルアップに取り組んでいること
順を追って解説させて頂きます。
空白期間のことは正直に書くこと
空白期間のことは正直に書く必要があります。ここで、経歴を偽ったり通ってもいない学校に通学していたことにしたりすると、経歴詐称(犯罪)になってしまいます。
また、正社員として入社する場合、経歴を偽っても雇用保険や年金の手続きで会社側にばれてしまうのがオチです。
必ず、履歴書の空白期間は正直に書くようにしてください。
ここで、長期的な空白期間(3ヶ月以上が目安)がある場合、面接官は「空白期間に何をやっていたか?」を聞いてくることでしょう。
そこも、正直に「親の介護で失職していた」・「学び直しのため、スクールに入学していた」・「人生に疲れていたため、生活費を貯金した上で退職した」などの理由を説明してください。
うつ病で失職していた場合、特別な説明が必要になるため、以下の記事も必ず確認してください。
空白期間を、そこまで心配する必要はありません。
SEが身につけているITスキルは多くの会社で求められているため、基本的な社会人のマナーやコミュニケーション能力が身についていれば、空白期間には目をつぶってもらえるのです。
SEのような技術職ならそれほどマイナスにならない
SEのような技術職で、あなたがすでにITスキルを身につけているなら、空白期間はそれほどマイナスにはなりません。入社後に給与以上の働きをすれば問題ないため、スキルや社会性があれば多めにみてもらえるのです。
しかし、面接前には自分の職歴を振り返って、「スキルの再確認をする」ことを心がけてください。
例えば、空白期間の前に開発系SEとして、プログラミング言語を学んでいたとします。このとき、自宅のPCに開発環境などをインストールして、スキルの復習をするのです。
ようは、ブランクを埋めるための努力をしてください。
また、空白期間ができると、自分がどのような業務に従事していたかを忘れてしまうようになります。本番の面接で職歴の詳細を答えられるように、事前に過去の仕事の記憶を振り返っておいてください。
空白期間末期(現在)にスキル向上に取り組んでいることを伝える
空白期間が後ろめたいと感じたときは、面接を始める1カ月ほど前から、何かしらのスキルを向上させる努力をしてください。
面接官も、今までの職歴に空白ができたことに関しては仕方がないと解釈してくれます。
しかし、「本当に、社会に復帰してから頑張ってくれるのだろうか?」と考えるのも事実です。そこで、向上心があることをアピールする必要があります。
例えば、あなたが開発系SEとしてのプログラミング言語などはマスターしているが、Excelのマクロなどは使ったことがなかったとします。プログラミング経験者であれば、マクロを組むスキルを身につけるのに1カ月も必要としないはずです。
このようなスキルを積極的に身につけて、「開発者としてだけではなく、会社で発生する各種業務を引き受けるつもりです」とアピールすれば、やる気があると捉えてもらえるでしょう。
ようは、「学習意欲をアピールして、今学習している内容以外にも、会社で必要になるスキルがあれば積極的に身につける」という姿勢を見せるのです。
ただし、「取得に数カ月~数年かかるような難関資格に合格」・「自分の実力をみせるために大規模なソフトウェアを開発」など、時間がかかりすぎる取り組みは避けてください。
空白期間を延ばす原因にもなりますし、必要とされない資格やスキルを習得しても仕方がないからです。
あくまで、「入社後も継続的に学習する意欲がある」という点をアピールするのが順当です。
僕自身、何度も空白期間を聞かれたことがある
ここからは、管理人の転職体験談をお伝えします。かくいう僕も、無職だった時期やIT業界から離れていた時期があるため、面接では毎回突っ込まれていたからです。
最初は、面接官の空白期間の質問に対して、「意地悪な質問をするなぁ…」と考えていました。
しかし、面接官側(企業側)の立場から考えてみると、別に面接官は意地悪でやっているわけではないと気がつくことができました。
企業が従業員を正社員で雇う場合、通常の日本企業であれば、10年程度は雇用することを想定して採用します。このとき、年収が400万円であれば10年で4000万円を支払うことになります。
また、機材や厚生年金などの各種費用も会社が支払うことを考えると、4000万円では済まされません。
さらに、日本では解雇規制が諸外国よりも厳しいため、一度雇ってしまうと、よほどのことがない限り雇い続けることになるのです。
つまり、面接官は意地悪ではなく、「面接の相手が、不良社員にならない人材かどうかを見極めている」だけなのです。
この大事な決断を、数回の面接だけで判断しなければならないと考えると、面接官の苦労が伺えます。
僕の例であれば、転職時には、この面接官の心情を逆手に取ったアピールを毎回していました。例えば、以下のようなアピールになります。
僕は、〇〇というスキルを持ち、さらに国家資格の応用情報技術者に合格している実績があるため、継続的に知識とスキルを高めて、会社に利益をもたらすことができると考えています。
しかし、企業と従業員の間には当然相性もあります。 仮に、御社にとって僕が給与以上の働きをしないと判断された場合、遠慮なく申し付けください。 その後も、僕が社内で成果を上げられないのであれば、退職勧告も受け入れます。向上心の強い僕にとっても、成果を上げられない状況が続く中で、会社にしがみつくことには意味がないと感じています。 転職経験が複数あるため、今後数十年、御社で働き続けられるかどうかは、現状判断ができません。ただ、今まで転職活動で採用されてきた実績がありますので、お荷物社員になるぐらいなら会社を去るぐらいのことはできます。 |
上記は極端な例ですが、ようは「必要ないならクビにしてくれても良いし、会社にしがみつくつもりなど毛頭ない」ということを示すのです。
すると、会社に合わない(仕事ができない)社員だったとしても、その後のフォローが楽になると面接官から判断される可能性が高まります。
このように、SEのような技術職の場合、多少のブランクがあってもITスキルや社会人としての基礎ができていれば、それほど空白期間を気にする必要はありません。
ただし、これから仕事を頑張るつもりでいること・過去の実績、などは入念に洗い出したうえで、面接官に正しく伝わるように努力する必要はあります。