未経験からシステムエンジニア(SE)になりたいと考えたとき、ほかの業界と比較したときのメリットが気になります。会社や年金に期待できなくなった今、入社する会社ではなく仕事内容に着目する人が増えているからです。
結論から言うと、SEに限らずIT業界には多くの将来性があります。
- IT業界の中でも、これから伸びていくところを狙って就職する
- 数年間スキルを磨いて、フリーランスとして独立する
- 会社で磨いたスキルで、副業を始める
IT業界なら、上記のような選択肢があります。
ただし、普段の仕事からどのようなメリットを受けられるかを意識しておくか否かで、自分がIT業界から吸収できるスキルや知識に違いが出るものです。
そこでこのページでは、「未経験からSEになるか迷っている方に送る、IT業界で働くメリット」を解説します。
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未経験からIT業界で働くメリット
当サイトの管理人である僕は、IT業界で10年ほど働いてきました。プログラマ、業務系SE、運用系SE、ベンチャー企業のIT担当など、多くの職種を経験した結果、IT業界で働くメリットを実感しています。
具体的には、以下の3点はIT業界ならではのメリットだといえます。
- 会社に依存しないスキルを身につけられた
- 伸び盛りのIT業界を深く知ることができた
- 性格の合う大人しい系の仲間と働けた
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
会社に依存しないスキルを身につけられた
会社に依存しないスキルを身につけられるのは、SEの良いところです。このスキルがあれば、いつでも会社を辞められるという心の安定になります。
例えば、SEの世界には企業常駐型のフリーランスの仕事があります。これは、サラリーマンと同様、企業内で開発者として働くが、個人事業主として企業と契約してはたらく形態です。
この企業常駐型のフリーランスであれば、開発者としてのキャリアを3年ほど積めば転身できます。
SEの独立のしやすさは、他の業界と比べても群を抜いています。
これは、開発者として身に付けるプログラミングスキルや設計スキルが、どこの会社でも通用する汎用的なスキルだからです。
必ずしもフリーランスになる必要はありませんが、どこでも通用するスキルを身につければ、転職も容易になります。
言い換えると、多くの企業から求められるスキルがあれば、ブラック企業にこちらからNOを突き付けることができるのです。
伸び盛りのIT業界を深く知ることができた
世の中には、衰退していく産業と、発展していく産業に分類できます。SEが働くことになるIT業界は、これからも伸び盛りだといわれています。
例えば、ロボット産業の2018年の市場規模は1兆円程度です。これが、2025年には10兆円程度に伸びると言われています。
現在の日本では、高齢化が進んでいるため、若者の労働力不足が指摘されています。さらに、外国人の移民にも反対する日本人が多いこともあり、労働力不足を改善する手立てがありません。
このような時代が続くと、人手を使わずに機械で置き換えるように、世の中の流れが加速していくことでしょう。
そこで重要になってくるのがIT業界です。現在の機械には大抵コンピュータが組み込まれているため、ITスキルが重宝される時代が続くのです。
ほかにも、EC市場(インターネット上の商取引)が伸び続けているほか、国際的な電子商取引である「越境EC」が注目を集めるなど、IT業界は可能性が溢れています。
このような業界に長くいると、「IT業界の中でも次にどのような分野が芽を出しそうか?」という見当がつくようになるのです。
管理人ヤマダの独立話
もしかすると、この記事を読んでいるあなたがIT業界でチャンスを掴みたいと考えているかもしれないので、少しだけ僕の話をさせてください。
当サイトの管理人であるヤマダは、現在IT系ライターとフリーランスエンジニアの二足のわらじで生活しています。そして、IT系ライターとして独立できたのはIT業界で10年ほど働いていたおかげなんです。
僕がIT業界で働いていたときは、主に業務系のSEとしてのキャリアを積んでいました。運用SEとして、ネットワーク系の知識などを積み上げていたものです。
しかし、運用SEとしてフリーランスになっても、結局のところ企業と契約を交わして企業内で働き続ける形の働き方しかできないことはわかっていました。せっかく独立したのに、会社員と同じようにしか働けないのです。
そこで、IT業界ではWebの世界に可能性があることを見出して、そこで活躍できる場所を探しました。Webデザイン・Webプログラミングなど、多くの可能性がありましたが、近年ではユーザーに有益な情報を発信する「Webメディア」が伸びていると感じ、Webライターという職業に着目しました。
SEとしては並みのスキルしか身につけていなかった僕ですが、IT系の知識が豊富なライターというのは数が少なく、独立してすぐにクライアントに重宝されるまでに成長できたのです。
最終的に、自宅で作業ができる仕事を見つけることができて、とても納得のいく働き方ができるようになりました。さらに、「少しでも多くの方がIT業界で活躍していてほしい」という思いから、余った時間で当サイトを制作しています。
わずか10年足らずで、フリーランスSEになるスキル、Webライターになるスキル、当サイトのようなWebメディアを立ち上げるスキルなど、多くの力を得ることができました。
やはりIT業界は、可能性を秘めた業界です!
性格の合う大人しい系の仲間と働けた
これは盲点になりやすいのですが、業界毎にどのような人たちが働いているのかという傾向は必ずでます。
不動産なら体育会系、美容やアパレルはリア充系、建築はオラオラ系など、もちろん絶対ではありませんが、住み分けが存在します。
(人としての優劣をつけているわけではありません。あくまで、人のタイプを分類しています。ご了承ください。)
そしてIT業界は、オタク系や大人しい系との親和性が高いです。大企業になればなるほど表向きにはスマートに振る舞っていますが、よくよく話を聞いてみると、実はオタクだったという話はよくあります。
「ネットゲーム、アニメ、動画投稿サイト」などを趣味に持つ人にとっては過ごしやすい業界と言えるでしょう。
もちろんオタク系のSEばかりではありません。ただ、周囲にそのような人が多いため、少なくともオタク系だからという理由で排除される心配はありません。
僕の主観ですが、卓球部率もすごく高い気がします。コンピュータを選択する人も、卓球部を選択する人も、大人しい系の人が多いということでしょうか(笑)
何を隠そう、僕も卓球部です!
SE転職期間中に、短期アルバイトで「建築現場、工場、物流倉庫」などの仕事を経験してきた身としては、やはり「オタク系は住み心地の良いIT業界へ向かえ!」といっておきます。
理科系としての素養がなければ、SEになってはダメ?
未経験からSEになりたい方の中には、初めの一歩を踏み出せない人もいます。「理系ではないのだけれど、プログラミングを覚えられるものなの?」と悩んでしまう方が一定数いるのです。
あなたも、もしかすると文系であるということを気にして、IT業界に行くことを躊躇しているかもしれませんね。
しかし、そんな心配は無用なんです!。IT業界と一言でいっても幅は広く、あなたが活躍できる場所は必ず見つかります。
もちろん、IT業界の中でも数学をバリバリ使用する業種はあります。
- 組み込み系(ロボット関係)
- ゲーム開発のグラフィックス処理
このような業界は、電気回路の知識・数学や物理学の知識などを活用する機会が多く、文系が苦労する分野です。
一方、以下のような分野では、高度な理科系の知識は必要としません。
- 業務系SE(企業内のシステムを作る仕事)
- 運用系SE(完成したシステムを運用する仕事)
- ITサポート(顧客のトラブルを解決する仕事)
特に、運用系SEやITサポートの場合、プログラミングスキルすら必要ありません。コミュニケーション能力や調整能力のほうがはるかに重要視されるのです。
このような仕事でも、長年働いてキャリアを積めば、十分スキルとして認められるものです。現に、僕には運用SEとして数年のキャリアがあり、最終的にフリーランスSEとして仕事を受注できるまでに成長しています。
プログラミングスキルは特筆すべきところがない僕ですが、運用SEとしてミスなくシステムを運用できるスキルを身につけて、理系の素養がイマイチでも活躍できているのです。
このような経験から、「自分がIT業界に向いているかどうかを勝手に自分で判断するのは間違い」だと自信を持っていえます。
IT業界に不安を持っているのなら、未経験者を歓迎している転職エージェントに登録すれば、開発者・非開発者を含めて、さまざまな職種の紹介を受けられます。
たとえ非開発者であっても、漠然とアルバイトしているより、高い給与と多くのスキルを獲得できるのがIT業界です。
特に、あなたがまだ若いなら、思い切ってはじめの一歩を踏み出してください。IT業界で複数の転職を繰り返して、最終的に自分の居場所を見つけた僕だからこそ、あなたにも積極的に挑戦してもらいたいのです。
最後に
IT業界で働くことを検討したとき、インターネットで評判を確認する人は多いです。そこで、「残業時間が200時間を超えるデスマーチ」「35歳で使い捨てられる」などのネガティブな情報を真に受けてしまい、エンジニアへの転身を躊躇してしまう人がいます。
僕は、そのことに憤りを感じています。
たしかに僕の経験でも、ネット上のネガティブな情報の通り、上司からの怒声が絶えない職場に遭遇したこともあります。
しかし、僕は多くのスキルを身につけていたため、そのような職場には早々に見切りをつけ、優良企業に転職した実績もあるのです。有能な先輩だと、50歳以上のエンジニアも大勢いました。
そもそも、「会社」と「そこで働く人材」のレベルは概ね一致します。会社に対して愚痴しか言えず、現状を改善する行動が取れないエンジニアは、所詮その程度の人材だということです。
そのようなエンジニアの戯言に騙されて、有望な人材がIT業界に来なくなることを、僕は恐れています。
実際には、どこの会社でも通用するスキルを身につければ、自分の身を自分で守ることが容易いのがIT業界です。大企業に入社して会社に依存するのではなく、自分のスキルに依存できる仕事と言い換えることができるでしょう。
あなたが今、IT業界で働くかどうか迷っているなら、勇気をふり絞って行動を起こしてください。特に、年齢が若いのであれば、失うものなどありません。
この業界で一生懸命仕事を頑張れば、必ずチャンスを掴めます!