フリーランスエンジニアになるためには、それ相応の準備が必要です。社員を雇わないとはいえども、会社員とは明確に違う立場で働くため、思い付きで始めるものではありません。
ここで、フリーランスになる前にやっておかなければならないことを忘れてしまうと、人生レベルの後悔が残ります。
先にお伝えしておくと、クレジットカードや住宅ローンの審査などは、フリーランスになる前に通しておかないと痛い目にあいますよ!
上記のようなことを、あなたは気がついていましたか? 盲点ではありませんでしたか?
フリーランス転身後に後悔しないように、このページでは「フリーランスエンジニアになる前の準備」について解説します。
Contents
フリーランスエンジニアになる前にやっておくこと
まずは、フリーランスエンジニアになる前にやっておくべきことについて解説します。正社員を辞める前にやっておかないといけないこともあるため、最も気を付けるべき準備です。
具体的には、以下の5点はフリーランスエンジニアになる前にやっておくべきでしょう。
- 半年~数年分ぐらいの生活費の貯金をしておく
- クレジットカードを作っておく
- 賃貸審査・住宅ローンを通しておく
- スキルの棚卸をしておく
- 複数のフリーランスエージェントに登録しておく
それぞれ、順を追って解説させて頂きます、
1.半年~数年分ぐらいの生活費の貯金をしておく
フリーランスエンジニアになる前には、半年~数年分ぐらいの生活費の貯金をしておいてください。正社員より不安定な立場になるため、仕事を失ったときのセーフティネットを作っておいたほうが良いのです。
理想をいえば、5年程度の生活費があれば最高です。独身が年間200万円で切り抜けると仮定すれば、1000万円ぐらいでしょうか。既婚者なら倍ほど必要になるかもしれません。
2008年のリーマンショックで始まった世界的不況も、2013年頃には回復していました。5年分の生活費があれば、不景気を乗り越えられるでしょう。
しかし、これはあくまで理想です。1000万円単位で貯められる人はほとんどいないことは分かっています。
フリーランスエンジニアになれば、報酬が上がって貯金もできるわけですから、最低でも半年生活できるだけの蓄えがあれば、野垂れ死ぬことはないでしょう。
フリーランスエンジニアの場合は、ある月の仕事の報酬がよく翌々月の末日に支払われることも多いです。仕事を探してから見つかるまでに3ヶ月かかったとすると、半年ぐらいは無給になる覚悟はしておいてください。
そう考えると、やはり半年分の生活費ぐらいは貯金する必要があることが分かります。
2.クレジットカードを作っておく
クレジットカードを作っておくのも、フリーランスエンジニアになる前にやっておかなければなりません。正社員という立場や勤続年数が、信用を測るのに使われるからです。
これは、フリーランスエンジニアに限らず自営業全般にいえることですが、クレジットカードが資金繰りに役立つことが多々あります。
例えば、友達と呑みに行ったとき、友達からお金を徴収してクレジットカードで支払えば、手元に現金を作り出せるのです。
もちろん、そのようなことをする機会は滅多にないでしょう。
しかし、会社員からフリーランスという名の一人社長に転身したという自覚を持ち、何がなんでも生き延びる姿勢を持つことは悪いことではありません。
現在では、年会費無料のクレジットカードが山ほどあります。その中から、5枚程度作っておけば十分です。
3.賃貸審査・住宅ローン審査を通しておく
賃貸審査・住宅ローン審査を通しておくのも、フリーランスエンジニアになる前に検討してください。理由は、前述のクレジットカードの話と同じで、信用の有無です。
特に住宅ローンの場合、何十年というローンを組む必要があり、信用力が大切といえます。僕の知り合いのフリーランスエンジニアの中には、「嫁が看護師だから嫁がローンを通した」という人もいました。
運良く自分のパートナーが堅い職業についていたら、このような対処もあります。
しかし、そうでない場合は、フリーランスエンジニアになる前に、将来の住まいについて検討してください。
4.スキルの棚卸をしておく
スキルの棚卸も、フリーランスエンジニアになる前にやっておいてください。これも、自分のスキルがフリーランスの世界で役に立つのかどうかを知るために必要不可欠です。
これは僕の実体験になりますが、フリーランスエンジニアの面接では、スキルシートが重要視されます。
フリーランスエンジニアの面接で、学校のことを聞かれた経験が一度もありません。
しかし、職歴の中でLinuxを経験していたとすると、「知ってるコマンドを今言ってみて?」「手順書に従って作業できるレベル? それとも考えてコマンドを叩ける?」など、具体的に技術力を掘り下げる質問が飛んできます。
このような質問が飛んできたときに理路整然と答えられると、「この人はできる」と判断されるのです。
そして、理路整然と答えるためには、スキルシートに経験した技術を書くだけではなく「あのときは、こういう仕事をしたなぁ…」と思い出すのが重要です。
スキルシートに細かいことは書けませんから、習得スキルを口で説明できるように、頭の中で整理しておかなければなりません。
5.複数のフリーランスエージェントに登録しておく
複数のフリーランスエージェントに登録しておくのも、フリーランスエンジニアになる前に済ませてください。エージェントによって得意分野が全く異なるため、1つのエージェントに依存するのは危険です。
例えば、当サイトでも紹介しているレバテックフリーランスは、初心者向きの転職エージェントといえます。
仕事を終えてから報酬の支払い日までが15日しかない便利なエージェントである一方、首都圏・関西圏・九州圏の仕事だけが対象エリア、という特徴を持ったエージェントです。
仮に、自分が仕事を探しているエリアに当てはまっていないなら、別のエージェントを活用する必要があります。
PE-BANKというエージェントなら、北海道圏・東北圏・中部圏など、より広いエリアをサポートしています。案件内容は業務系に限定されますが、マージン率を公開しており、不当な搾取が行われないのが、PE-BANKの特徴です。
このように、一言でフリーランスエージェントといっても、エージェント毎に特色があります。下手に、「自分と相性の良いエージェントを探さないと…」と考えるのではなく、気になったエージェントには全て登録してください。
複数のフリーランスエージェントと取引した結果、自分にとって最も条件の良い仕事を紹介してくれたところと取引すれば良いでしょう。
実際にフリーランスエンジニアになることが確定したら
次に、実際にフリーランスエンジニアになることが確定したら、必ずしなければならないことを解説します。怠ってしまうと、法を犯してしまいかねない話なので、注意して聞いてください。
具体的には、フリーランスエンジニアになるために以下の2つを実施する必要があります。
- 開業届の提出・青色申告の手続き
- 国民年金・健康保険の手続き
面倒だとは思いますが、テキパキ動けば1日で終わる話です。
1.開業届の提出・青色申告の手続き
開業届の提出と青色申告の手続きは、フリーランスエンジニアになるなら必ず行ってください。個人事業主として仕事をする上で、様々な恩恵を受けられるからです。
開業届を出すことで、「青色申告ができる・税金の案内が来る・屋号の銀行口座が持てる」などのメリットがあります。
青色申告は、「確定申告が少し複雑になる代わりに、税金が安くなる申告方法」ぐらいの認識でよいでしょう。青色申告をするためには、税務署に対して、「青色申告をします」という届出を提出する必要があります。
詳しい方法は、国税庁のホームページをみるのが一番です。
2.国民年金・国民健康保険の手続き
国民年金・国民健康保険の手続きも、フリーランスエンジニアになるなら必要です。会社員であれば、会社が強制的に天引きしてくれますが、個人事業主になると自分で支払う必要があります。
国民年金・国民健康保険は、共にお住まいの市役所(区役所)で手続きしてください。
たまに、年金に入りたくないという人をみかけますが、僕の個人的な意見としては加入を強くおすすめします。万が一体に障害が残るような病気になったときも、「障害年金」のような老後の年金以外の年金がもらえるからです。
健康保険も、病気になったときのことを考えると、加入しておいたほうが無難でしょう。
まとめ
本記事では、フリーランスエンジニアになる前の準備について解説してきました。今一度、フリーランスとして独立する前に大切なことを確認しておきます。
- 半年~数年分ぐらいの生活費の貯金をしておく
- クレジットカードを作っておく
- 賃貸審査・住宅ローンを通しておく
- スキルの棚卸をしておく
- 複数のフリーランスエージェントに登録しておく
また、独立することが確定したら、以下を忘れないようにしてください。
- 開業届の提出・青色申告の手続き
- 国民年金・健康保険の手続き
総括すると、フリーランスエンジニアになる前は大抵会社員として働いているのだから、「会社員としての信用は使えるうちに使っておけ!」ということです。
フリーランスから会社員に戻ることも可能ですが、一から信用を築くハメになってしまうでしょう。そうならないように、独立前の準備を進めておくことをおすすめします。