フリーランスエンジニアとして働くとき、「どのようにキャリアを形成していこうか?」と悩む人は多いです。正社員よりもステップアップの方法が見えにくく、身近な例が少ないことから、悩みを解決できずに悶々とすることもあります。
ここで、キャリアを意識せずに漠然とフリーランス活動を行ってしまうと、年齢を重ねるごとに選択肢がなくなっていくものです。
人生がじり貧にならないようにするために、「フリーランスエンジニアのキャリア形成」に関して知っておく必要があるでしょう。
そこでこのページでは、「フリーランスエンジニアのキャリア形成に関する考察」をお伝えします。
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フリーランスエンジニアとして最も働き盛りなのは、20代中盤~45歳ぐらい
はじめにお伝えしたいことは、「フリーランスエンジニアとしての働き盛り」についてです。
結論からいうと、20代~45歳ぐらいまでなら、何も問題なく仕事をこなせます。この時期が、フリーランスエンジニアとしての働き盛りです。
例えば、当サイトで紹介してるレバテックフリーランスでも、「40代までは大歓迎」という言葉を頂いています。
レバテックフリーランスに興味があるなら、以下の記事を参考にしてください。
企業常駐型フリーランスエンジニアであれば、40代までは働けると考えてください。
例えば、以下のような案件は、企業常駐型フリーランスエンジニアの世界で一般的なものです。
また、50代になっても、40代の頃から在籍している現場で仕事を続けている人もいます。現場から気に入られているなら、50代を過ぎても問題なく働けるものです。
ただし、2008年に起きたリーマンショックのような経済危機が訪れた場合、フリーランスは切られやすい立場にいます。
その後、経済が回復しても、50代で企業常駐型フリーランスの仕事を探すのは難しくなるでしょう。
ですが、これは正社員にも同じことがいえます。50代以降のITエンジニアのキャリアに関しては、すべての人が直面する悩みです。
そこで、フリーランスエンジニアという立場で生きるなら、50歳からのキャリアも何となく見据えておく必要があります。
50歳までには開発系エンジニアから別の職種への転身を検討するべき
それでは、具体的にフリーランスエンジニアは50歳以降のキャリアをどうするべきなのでしょうか?
結論からいうと、50歳を過ぎても世の中から求められる職種に転身するのが無難です。
例えば、運用SEという職種は、開発系のフリーランスエンジニアより高年齢でもこなせます。現場によってはシフト勤務などもありますが、開発者のように無理な残業などが発生しにくく、体力が低下した50代でも従事できるのです。
ちなみに、以下のような仕事が、典型的な運用SEの仕事といえます。
仕事内容としては、現場によって全く異なるシステムを使用するため、一から仕事を覚えていく必要はあります。
しかし、開発者をやっていたなら、ITスキルが足りないという状況は少ないでしょう。
50代以降を見据えると、40代からは単価を落としてでも運用SEに転身する生き方もあります。
ほかにも、「マネージャー」に転身して、待遇を上げる転身も不可能ではありません。
企業常駐型フリーランスエンジニアであっても、状況次第では、一チームのリーダーを任されることもあります。その後、以下のような案件を受ければ、マネージャーとして活躍できるのです。
ただし、マネージャーの仕事は通常のエンジニアよりも案件数が少なく、何の信用もなくマネージャーを任せてくれる会社も多くありません。
そこで、開発が得意でフリーランスエンジニアをやっているなら、「受託開発」にシフトするのもよいでしょう。
40代の頃から、休日などに小規模な受託開発をこなして、受託開発のみで継続的な収入を得る経験を積んでください。その後、50代になる頃までに受託開発のみで生きていける算段がつけばよいのです。
現代では、インターネットのマッチングサイトを利用することで、在宅のみで仕事の受注が完結します。
最後に、ITエンジニアから離れてもよいなら、「教育者」として生きる道もあります。
例えば、かつて僕が通っていたIT系専門学校では、50代以降の教師もたくさんいました。元々フリーランスエンジニアとして働いていた人から、教師とゲームプログラマーを何度も行き来している人まで、多様な教師陣だったのです。
実際に、50歳から教師になるのは難しいかもしれませんが、そこそこの年齢でフリーランスエンジニアを切り上げるつもりなら、教師になる道も残されているでしょう。以下のような案件が、教育者の労働条件の例になります。
エンジニア時代に後輩への教育が得意だったなら、教育者への転身を検討する価値があります。60歳まで働ける仕事ですし、キャリアの終着点として良い選択肢です。
こうして、フリーランスエンジニアとして最大限輝ける時期を終えたら、別職種への転身を検討してください。
場合によっては、50歳の直前に転身するのではなく、あえて条件を下げても40歳前後で職種を変えたほうが、残りのキャリアが充実することもあり得ます。
独身ならセミリタイアを検討しても良いかも
仮にあなたが独身なら、 フリーランスエンジニアとして稼げるうちに稼いで、セミリタイアを検討しても良いかもしれません。養う家族がいないのなら、定年まで働く必要性がないからです。
ちなみに、セミリタイアとは「人生から労働を減らせるだけ減らして、後は自由時間を増やす生き方」のことです。
フリーランスエンジニアとして活動すると、年収は一気に上がります。この年収の殆どを貯蓄や投資に回すことで、フリーランスエンジニアとしてのピークを過ぎる50歳ぐらいでセミリタイアするのも手段の一つです。
具体的に、30歳~50歳までフリーランスエンジニアとして活動したとして、稼ぎをどのように運用すればよいか考えてみましょう。
- 月報酬65万円 × 12 = 年間780万円
- ここから所得税・住民税・国民健康保険料などが230万円引かれて、およそ550万円
- 年間250万円で生活(1ヶ月あたり20万円程度の生活)
- 年間300万円の貯金 × 20年間のフリーランス生活 = 6000万円の蓄財に成功!
上記のような人生プランでいくと、フリーランスエンジニアとして輝いているうちに、6000万円の蓄財に成功できます。
仮に、このうちの1000万円を緊急用のお金として残し、残り5000万円を高配当安定株で運用したとします。
利回りが4%であれば、年間200万円の配当金を受け取れるため、月16万円超の自分年金を作れるのです。株式を持ち続ける限り永久にお金が減ることもなく、死ぬまで毎月16万円の収入があるなら、慎ましい生活なら送れます。
さらに年齢を重ねると国民年金も受け取れますし、フリーランスエンジニア時代から小規模企業共済などの年金に加入するのもよいでしょう。
ITスキルがあるなら、時々プログラミング・動画編集・Webライターなどでお金を稼げば、暇つぶし程度の労働にも困りません。
こうして、フリーランスエンジニアの高収入という特性を活かすことで、多くの人が頭を悩ませる「50歳からのキャリア」の悩みから解放されます。
独身なら、「フリーランスエンジニア → セミリタイア」というコースを検討してもよいかもしれませんね^v^。
世の中が変われば、フリーランスとして働ける年齢も伸びる
本記事では、フリーランスエンジニアのキャリア戦略について解説してきました。
要点をまとめると、20代中盤~45歳ぐらいまでがフリーランスエンジニアとしての黄金期です。50歳ぐらいになると、新しい案件を得るのが難しくなるため、それまでには他の職種に転身したり受託開発で生活したりするなど、身の振り方を考えなければなりません。
また、独身として生きるなら、50歳までに資金を貯めて、仕事からのリタイアをゴールにするのも悪くないでしょう。
なお、50歳ぐらいから案件探しが厳しくなるとはお伝えしましたが、今後は年齢の壁が変わるかもしれないことには留意してください。
というのも、一昔前は「SE35歳定年説」と呼ばれるものがありました。
「体力がある若者を低賃金で使い倒して、35歳で使い捨てにされるという悪習」を35歳定年と揶揄されたものです。
しかし、今では35歳定年説を唱える人もいなくなっています。
それぐらい、35歳を越えてSEを継続する人が多いのです。
今後、日本が高齢化していく上で、50歳を過ぎても普通にフリーランスエンジニアとして働ける時代が来ても、おかしくありません。
また、現在は終身雇用が崩壊しており、会社員でも定年まで働ける時代ではなくなっています。どのみち会社が守ってくれる時代が終わるのなら、「世の中は不安定である」という前提で、スキルを身に付けたほうが危機的な状況において武器になるのです。
そう考えると、フリーランスエンジニアになることを真剣に検討したいと思いませんか?