IT業界で働くシステムエンジニア(SE)の性別をみると、その多くが男性SEです。IT業界が女性を拒んでいるわけではありませんが、コンピュータの文化と親和性が高い男性がIT業界を支えているのが現状です。
しかし、IT業界を10年以上みてきた僕としては、「女性がもっとSEを目指しても良いのにな…」と感じています。
男性SEにはないメリットを享受できる立場を、羨ましく感じることも多いです。
そこでこのページでは、「男性の立場から見た女性SEのメリット・デメリット」について解説します。
Contents
女性SEにはメリットが盛りだくさん
女性SEには、男性SEにはないメリットが盛りだくさんです。
普通は男性社会に入ると、セクハラまがいのことをされる悩みを持つ人も多いのですが、IT業界に限定すると大人しいタイプの人が大勢います。
誠実に接してくれる人の多さに、驚くことでしょう。
そして、女性SEになると、以下のようなメリットを受けられます。
- 結婚・出産後も仕事探しに困らない
- 指導で男性からキツく当たられない
- 職場での出会いに困らない
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.結婚・出産後も仕事探しに困らない
結婚・出産後も仕事探しに困らないのは、女性SEになるメリットです。技術力を身につけることで、多少のブランクがあっても再び採用されやすくなります。
例えば、正社員で働けるスキルがあれば、派遣社員などの仕事も簡単に見つかるのが女性SEです。ハードな仕事が嫌なら、以下のような派遣の仕事をして、他の主婦にはない高時給を実現できます。
子供が小さいうちは週2~3日程度働いて、手がかからなくなった後に正社員に復帰する生き方もあるでしょう。
また、近年ではリモートワークと呼ばれる働き方も生まれています。
これは、企業と雇用契約を結びながら、在宅で仕事をする働き方です。
リモートワークで働けば、自宅を出ることなく働けるため、家庭と仕事を両立しやすいのです。
リモートワークの詳細を知りたいなら、以下の記事も参考にしてください。
女性が技術力を身に付けることで、正社員として復帰しやすいだけでなく、高時給派遣やリモートワークなど働き方を選べるようになります。
2.指導で男性からキツく当たられない
指導で男性からキツく当たられないのも、女性SEのメリットです。IT業界において、男女比は9対1程度であり、女性は大切なものとして扱われます。
僕がIT業界にいた実感として、僕には強く当たってくるような上司でも、若くて可愛らしい女性SEには誠実(なふり)な態度で接していて、上司に絶望した経験があるほどです。
ようするに、女性が少ない場所で働くことで、女性扱いを受けられます。
このとき、真面目な女性SEの中には、「対等な立場で働きたいから、女性扱いされるのは不本意だ」と感じてしまうかもしれません。
しかし、一個人の意見として「利用できるものは遠慮なく利用すれば良い」ということをお伝えしておきます。
ある程度若手の女性SEという限定にはなりますが、女性扱いしてもらえるなら自己成長のチャンスです。
男が質問したら「自分で調べろ」と突き放されるような場面でも、女性SEであれば許されるなら、ストレスなく自己成長できます。
また、長年IT業界にいた体感として、女性SEは平均的なスキルがあるだけでも男性から喜ばれるものです。やはり、コンピュータサイエンスに精通しているのは男性が多いというところで、技術的に困難な場面では男性が踏ん張っている状況があります。
そこで、平均以上のスキルを女性が身に付けていれば、それだけで凄く立派にみえるのです。
さらに、女性はコミュニケーションが得意な傾向があり、顧客との折衝などでも活躍できる可能性があります。他チームとの連携でも、強く当たられずに危機回避できる力もあるでしょう。
女性という性が、武器にも防具にもなるのが女性SEです。
3.職場での出会いに困らない
職場での出会いに困らないのも、女性SEのメリットです。IT業界を女性目線でみると結婚適齢期の男性が大勢います。
もしかすると、「あくまで職場は働きに行くところだ」と考える人もいるかもしれません。
しかし、企業の中では、昔から職場で出会った人と結婚する人が一定数います。
自分では、職場で大恋愛の末に結婚したと思っている人たちでも、実際には会社がお膳立てしているものです。男性の総合職と女性の一般職との結婚など、最たるものでしょう。
社会人になると、人生の大半を会社で過ごします。そこでの出会いがあるかどうかで、人生レベルの影響があるのです。
ちなみに、男性エンジニアを結婚相手としてみたとき、以下のようなメリットがあります。
- 平均以上の年収
- 会社が倒産しても次の会社がすぐに決まる
- 女性慣れしていない一方、浮気の心配がない
このようなメリットを持つ人が大勢いて、普段の仕事ぶりから人柄を見れるというのは、職場での出会いを考えている人にとって貴重な機会です。
女性がSEになるデメリット
次に、女性がSEになるデメリットもお伝えしておきます。
どのような仕事にもデメリットはありますが、考え方次第ではメリットになり得るものもありますので、過剰に不安がる必要はありません。
具体的には、以下の3点は女性SEのデメリットです。
- 男性と同様に長時間労働がある
- 産休・育休に理解がない現場が多い
- 自分の境遇をわかり合える仕事仲間を作りにくい
あらかじめデメリットを知っておくことで、デメリットを上手く回避してください。
1.男性と同様に長時間労働がある
男性と同様に長時間労働があるのは、女性SEにとってデメリットです。仕事量が多くなりすぎると、プライベートの充実度が下がります。
今でこそ、女性も男性と同じようにキャリアを積み上げる時代となりましたが、それでも女性が仕事一筋で働く世の中ではありません。
結婚適齢期になると、「○○さんは結婚したのに、あなたはまだなの?」といった質問がとんでくることでしょう。
そこで、仕事が忙しすぎて出会いがないということになろうものなら、「何でそんな仕事してるの!」ということにもなりかねません。
同じ職場で働く以上、女性だからといって労働時間は短くならないものです。入社する会社を間違えてしまうと、長時間労働で人生を消耗してしまいます。
2.産休・育休に理解がない現場が多い
産休・育休に理解がない現場が多いのも、女性がSEになるデメリットです。男性が圧倒的に多数派なので、女性が産休・育休で抜けることを現場が想定していません。
理解がないというよりは、身近な例として育休から復帰した女性SEなどを見てきていないため、具体的なイメージがついていないと説明するのが分かりやすいでしょう。
僕の経験した現場で言っても、結婚したら一度会社を退職してしまう人も多かったです。
その後、出産が済んだらIT企業に戻るのかもしれませんが、体力のない会社において産休・育休制度を充実させられないのは事実としてあります。
優良大企業で制度が整っている会社であれば、産休・育休もしっかりしていると考えればよいでしょう。
3.自分の境遇をわかり合える仕事仲間を作りにくい
自分の境遇をわかり合える仕事仲間を作りにくいのも、女性がSEになるデメリットです。職場の同僚がほぼ男性ということもあり、異性ということで一線を引かれてしまうのです。
どこの職場でも、仲良くなった同僚と仕事終わりに飲みに行くようなことがあります。
さらに仲良くなると、休日に遊びに行くこともあるでしょう。
しかし、男性の立場から言わせてもらうと、女性は大変誘いづらいものです。特に、現代ではセクハラ等コンプライアンスも厳しく、先輩や上司の立場では余計に誘いにくいんですね。
ゆえに、大抵の女性SEは、職場にいる数名の女性たちとその場ではつながっています。
そこでの人間関係で相性が悪ければ、自分の境遇をわかり合える仕事仲間は作れないのです。
ただし、見方を変えると、女性が多い職場特有の、ドロドロした人間関係がないため、女性の世界が嫌いな人には向いているかもしれません。
まとめ
本記事では、女性がSEになるメリット・デメリットについて解説してきました。
再度おさらいすると、女性SEには以下のようなメリット・デメリットがあります。
■メリット
- 結婚・出産後も仕事探しに困らない
- 指導で男性からキツく当たられない
- 職場での出会いに困らない
■デメリット
- 男性と同様に長時間労働がある
- 産休・育休に理解がない現場が多い
- 自分の境遇をわかり合える仕事仲間を作りにくい
スキルを身につけることで家庭を持った後の仕事も見つけやすい上に、同僚にも優しくしてもらえるなら、将来設計を大切にする女性に最適です。
また、デメリットに関して、長時間労働が嫌ならスキルを身につけて転職すれば良いだけです。仮に産休が取れないなら、子育てが落ち着いた後、再就職すれば良いでしょう。
会社で仲間を見つけにくいかもしれませんが、女性特有のドロドロした人間関係が嫌いなら、願ったり叶ったりといえます。
メリットが多数あり、デメリットもメリットに変えられるのですから、女性にとってSEが素晴らしい職種であることは間違いありません。