40代のシステムエンジニアが転職するとき、自分の年齢に悩む人は多いです。巷では、35歳以上の転職が難しいといわれているため、「そこに当てはまっている自分も転職は難しい」と判断してしまうからです。
しかし、自分が企業に提供できる価値によっては、40代からでも転職に成功することはあり得ます。40代SEの転職は、挑戦する前に諦めるようなことではないのです。
僕がIT系ベンチャー企業に在籍していたときも、年齢制限を突破して入社した強者社員が存在しました。社長の年齢が26歳で、「自分より10歳以上の人は雇わない」と公言していたのにも関わらず、です。
このように、会社にとって利益になると経営者が判断すれば、年齢の壁を突破することは可能です。
そこでこのページでは、僕がみてきた40代転職者の実例を元に、「40代のSEが転職する際の、掟破りのテクニック」を解説していきます。
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昔の40代と今の40代では位置づけが違う
ひと昔前と現在では、40代の位置付けが変わっています。日本の高齢化が進んでいるため、企業の平均年齢も上がっているのです。
少し前まではIT業界でよく耳にしていた、「SE35歳定年説」も、今ではあまり耳にしなくなりました。
現に、当サイトで紹介している優良転職エージェントでも、49歳まで登録できるところや、場合によっては50代も登録できるところまであります。
この年代のSEは家庭があることも多いため、ホワイト企業で働いているなら、条件を上げる転職は難しいです。
しかし、現状の職場に未来がないなら、積極的に転職を検討しても良いでしょう。
そこで、40代SEの転職では、以下のことに気をつけるのがセオリーです。
- 無理やり面接までこぎつける
- 中高年は頑固で前職の経験に固執するというイメージを払拭する
- 弱みをメリットに変える
順を追って解説させて頂きます。
1.無理やり面接までこぎつける
40代の転職では、年齢制限があったとしても、ダメ元で企業に連絡を取ることをおすすめします。仮に年齢制限をかけていても、絶対に中高年を採用しないと決まっているわけではないからです。
例えば、僕が以前働いていたIT系ベンチャー企業では、当時の社長は26歳でした。
その社長は、「扱いづらいから、自分より10歳以上年上の人材は採用しない」と公言していました。
しかし、ある時ハローワークに出している求人をみて、「年齢制限があるが、何とか面接だけでも受けられないか?」と直談判してくる人がいました。
当時の僕は、面接の日程調整業務を任されていました。本来なら機械的に不採用にする人ですが、「面接だけでも受けたい」と言われて判断が難しかったため、社長に相談しました。
すると、社長が直々に面接することになり、結局採用することに決まりました。
当時の社長に採用の理由を聞くと、以下のような回答がありました。
- 大企業で10年以上働いてきた経験があるため、組織が大きくなってきたときのマネジメントで活躍することができる
- かつて独立していたことがあり、経営がいかに大変なことかを知っている。そのため通常の40代とは違い、年下の社長であっても、素直に尊敬できて指示に従うことができる。
このように、大組織の経験者だからこそベンチャー企業に足りないところを補完でき、なおかつ社長の指示に素直に従えるというところが売りになり、採用が決定したということでした。
これは、40代の会社員にとって掟破りのテクニックといえます。
面接希望を直談判し、社長に直接会うことで、数少ないチャンスを掴みとっているのです。
保守的な日本の大企業のようにルールがガチガチに決まっている企業でなければ、企業のホームページから直接コンタクトを取ることで、案外面接だけなら受けることができます。
いざ面接までこぎ着けることができれば、そこからは自分の価値をアピールすることで、採用されることもあるのです。
2.中高年は頑固で前職の経験に固執するというイメージを払拭する
中高年が転職市場で受け入れられたいなら、「中高年は、頑固で前職の経験に固執する」という先入観を払拭する必要があります。
若者と比較したときに、「素直さが足りず、過ちを犯しているときも指摘がしにくい」というのは、中高年を採用する上で大きなデメリットだからです。
ここで、「この人は経験に固執せず、常に新しいことを吸収する意欲がある」と解釈されると、イメージアップにつながります。
例えば、以下のようなアピールは有効です。
大学卒業後も、自分にとって必要な自己開発は常に行っています。近年では、顧客との折衝でITスキル以外のスキルを求められる機会が増えたため、話し方教室に通いプレゼンテーション能力の向上につなげました。
そこの先生は私より年下の方でしたが、今までITスキルの向上に片寄っていた私からすれば、私の知らなかったことに気づかせてくれる恩師でした。 (ここで、それとなく年下からでも素直に学ぶことをアピール) そこで貪欲にスキル向上に取り組んだため、教育受講後は取引先の方から、「あなたの会話には力がある」といって頂けるまでになりました。 この能力を、御社の◯◯という場面で活かし~… |
上記のように、常に新しいことを学んでいるところを示すと、経験に固執しない人材であると判断されます。
また、素直であることをアピールするために、年下からも貪欲に吸収しているところを見せるのも有効です。
ようは、中高年のマイナスイメージを払拭することが重要になります。
3.弱みをメリットに変える
自分の職歴に弱みがあると感じている人も、「弱みをメリットに変える」ことを意識してください。完璧なキャリアを築いてきた人などいないからです。
例えば、あなたが「転職回数が人より多い」SEだったとします。ここで、一つの仕事が続かないと考えてはいけません。
「それだけ多くの企業から有能と判断されるだけのスキルを身につけてきた」と考えるべきなのです。
反対に、あなたが40歳になるまで転職経験がなかったとします。この場合も、転職市場で通用するスキルがないと考えるのではなく、「一つの会社で理不尽な目にも耐えられる忍耐力がある」と考えてください。
上記の2つの例は、まったく正反対のことをポジティブに解釈しているだけです。つまり、「自分の人生をネガティブに捉えるか、ポジティブに捉えるか?」だけの違いです。
他者から何と言われようが、「自分はこれが売りである」という思い込みを持つことで、自信を持った態度を面接官に示すことができるのです。
最後に:採用は確率で決まると割り切る
ここまでの施策を実施しても、やはり不採用になることが多いのが40代の転職です。これは、中高年は給与が高くなるところにも起因しています。
企業は、給与が高いと相応の見返りを求めるものです。
そこで、「給与は安くても良いので雇ってくれ」と要求しても、安い賃金で体力もある若者には勝てないのです。
40代SEの転職では、「自分の価値を企業に提供することで、企業に利益をもたらす」ということを示さなければならないのです。
しかし、数十社不採用になったからといって、落ち込む必要はありません。
冷静に考えると、新卒採用の場面では、ハタチ前後の若者が数十社の面接を受けて頑張っているものです。
彼らは、仮に30社落ちても31社目を受けにいくでしょう。
未来ある若者は輝いて見えるものですが、それでも彼らは内定を得るために、大量に企業から不採用を突きつけられています。
若者でもできていることなのだから、40代SEにできないことはありません。
「転職など、しょせん確率である」と割り切ることで、精神的に落ち込むことを防いでください。
以上のように40代SEの転職では、ポテンシャルではなく実力を示して、採用後すぐ会社に利益をもたらすことを証明する必要があります。
また、中高年特有の使いづらいイメージを払拭することで、採用のハードルを下げることが重要です。
面接までこぎ着けることができれば、後は実績と会話力でどうにでもなるということを、忘れないようにしてください。