フリーランスエンジニアになって、会社から解放されたいと考える会社員は多いです。制約のない自由な立場で働くことで、高報酬・自由な時間など多くのものが手に入るからでしょう。
しかし、フリーランスエンジニアと一言でいっても、その働き方は様々です。
自分に合ったフリーランス活動を知らなければ、独立後に後悔してしまいます。世の中には、フリーランスエンジニアになった後、正社員に戻るITエンジニアもいるのです。
そこでこのページでは、「フリーランスエンジニアの多様な働き方」について解説します。
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フリーランスエンジニアと一言でいっても、働き方は様々
フリーランスエンジニアの世界は、正社員だった頃よりも総じて報酬が高く、夢のある世界です。労働時間も決められておらず、いくらでも働ける一方、週休3日を作ることもできます。
ただし、フリーランスの契約形態次第では、会社員と同様の働き方しかできないこともあるのです。
フリーランスエンジニアの世界では、主に以下の3つの働き方があると認識してください。
- 企業常駐型フリーランス
- 受託開発
- リモートワーク
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.企業常駐型フリーランス
企業常駐型フリーランスとは、会社員と同じように、企業のプロジェクトに参画する働き方です。フリーランスエージェントを活用して、「月〇〇時間働く対価として、報酬を○○万円支払う」という契約で仕事をします。
正社員が面接するのと同様、現場の担当者と面談した上で、現場に入場できるかどうかが決まります。
しかし、正社員面接ではないため、志望動機や自己アピールは存在しません。たんたんと、経験スキルを伝えるような面談になるのが一般的です。
実際の働き方も、正社員と同様に現場の出退勤時間に合わせます。つまり、正社員と企業常駐型フリーランスの違いは、雇用形態の違いでしかありません。
ただし、優良フリーランスエージェントを使えば、マージン率を抑えて手取り報酬を増やせるのが、フリーランスエンジニアのよいところです。
そもそも、IT業界はピラミッド構造を取っていることが多いです。エンドユーザーが大金を払っていても、多重請負の構造となっており、中抜きによる搾取構造が生まれます。
(ピラミッドの下層にいるほど、労働条件が悪くなります)
一方、優良フリーランスエージェントは、「企業 → エージェント → エンジニア」のような直請け案件を扱っており、搾取が少ないです。
同じように働いていても、下請け企業で働くのと、フリーランスエンジニアとして働くのでは、報酬に差が出ます。IT業界の搾取構造に呆れているなら、今すぐ企業常駐型フリーランスに転身したいところです。
具体的には、以下のような案件が、企業常駐型フリーランスエンジニアの典型的な仕事です。
上記の案件はPE-BANKというフリーランスエージェントの案件ですが、このエージェントは10%前後しかマージンを取りません。80万円で契約すると72万円の手取りになり、正社員で搾取されていた頃と比べて、報酬が倍増します。
メリット
- 面接時に、無意味な自己PRや志望動機を問われる機会が少ない
- マージン率を少なくして、高報酬で働ける
- 好きな現場を選べる
- 開発系のエンジニア以外でも、フリーランスとして働ける
デメリット
- 正社員よりも雇用が不安定(失業保険などがない)
- 働き方自体は正社員と同じ
2.受託開発
受託開発とは、個人で企業から小規模な開発案件を受注して、ソフトウェアを開発する働き方です。会社に出社する必要もなく、仕事量や労働時間も自分で決められます。
受託開発を始める場合、大抵は会社員時代の勤め先・取引会社から仕事を貰って仕事をするものです。
また、近年ではインターネットのマッチングサイトもあり、仕事を受注するのが簡単になりました。以下のような案件を請け負うのも、今ではインターネット上で完結するのです。
(マッチングサイトでは、随時案件が募集されています)
なお、受託開発は自由度が高い一方、自分で仕事を取ってくる必要もあり、営業力が求められます。
さらに、仕事量の調整が難しく、仕事がなくなる恐怖から仕事を請けすぎてしまうことが多々あります。
相当品質の高いソフトウェアを作れるようになれば、優良顧客から継続的に仕事を受注できて、仕事量の調整も可能になるでしょう。
そのような状況になれば、自宅から離れてコワーキングスペースで海外リゾート地で仕事ができる余裕ができます。
メリット
- 好きな場所で働ける
- 通勤する必要もなく、労働時間も決められていない
デメリット
- 仕事量が安定しない
- 技術力だけでなく営業力も必要になる
3.リモートワーク
リモートワークは、近年台頭してきた新しい働き方です。自宅からリモートで職場環境に接続して、通勤しないで仕事をします。
企業は交通費やオフィス代を節約できて、労働者は通勤する必要がないため、双方にメリットがある働き方です。
例えば、以下のような案件がリモートワークの典型例です。
また、週5日ではなく、週2~3日からできるリモートワークも存在します。
現在では、感染症リスクのために正社員ですら自宅で勤務する流れが出ている時代です。ならば、開発者が自宅でリモートワークする流れも、加速していくことでしょう。
メリット
- 自宅勤務ができる上に、特別な営業活動を必要としない
- 週5日勤務だけでなく週2~3勤務も選択できる
デメリット
- 運動不足になる
- 人と話す機会が減り、社会性が欠けてくる
本業 + 副業を組み合わせてもよい
ここまでの説明で、フリーランスエンジニアには「企業常駐型」「受託開発」「リモートワーク」の3種類があることがわかりました。
あなたがフリーランスになりたいと思ったとき、「どれをやろうかな?」と考えてしまうかもしれません。
しかし僕は、複数のフリーランスを同時にこなすことを提案します。
例えば、正社員として数年働いていたら、企業常駐型フリーランスエンジニアには簡単になれるものです。そこで収入の大半を稼ぎながら、休日に小さな開発案件をこなせば、複数の収入ができます。
そこで、受託開発の経験・信用を積めば、ゆくゆくは受託開発一本で食べていけるようになるかもしれません。
ようは、企業常駐型フリーランスとして収入を安定させながら、裏では受託開発の土台をつくるわけです。
ほかにも、「リモートワーク + 受託開発」という組み合わせを使えば、家から一歩も出ずに仕事ができるようになります。
こうなると、都会に住居を構える必要もなくなり、インターネットが使える程度の田舎で優雅な生活を楽しむことも可能です。
35年の住宅ローン・首都圏に向かう通勤ラッシュという、一昔前の会社員なら当たり前のように許容していた生き方とは違う、ゆとりのある生き方ができます。
当サイト管理人のフリーランス生活
ここで少しだけ、当サイトの管理人が、どのようなフリーランス生活を送っているかを紹介させてください。
僕の本業は、企業常駐型の運用系フリーランスエンジニアです。勤務形態が特殊で、1日12時間勤務(休憩含む)で2勤2休の体制で働いています。
月の収入は、運用SEの相場通りと考えてください。
この勤務形態だと、月の半分が休日になるため、休日には別のフリーランス活動をしています。
具体的にいうと、過去にIT系Webライターとして一年ほど生活していた実績があり、今でも不定期でWebライティングの仕事をしています。1ヶ月あたり10万円前後のお金を稼いでいるのが現状です。
ちなまに、本業のフリーランスエンジニアで、十分暮らしていけるだけの金額は稼げています。
つまり、副業Webライティングで稼いだお金は、貯金に回したりプチ贅沢に使ったりできるのです。
正社員として週5日間働いていたら、Webライティングに取り組む元気が残りません。そもそも、会社の規定で副業が禁止されていることも多々あります。
企業常駐型フリーランスとして、労働条件の恵まれた現場で働いているからこそ、豊かな生活が実現できるという話でした!
まずは企業常駐型フリーランスになってください
フリーランスの世界は、企業の正社員と比べると、働き方に多様性があります。「プログラマ → SE → マネージャー」とステップアップしていくのが一般的な正社員とは違い、「開発を極める人」「週3日だけ働いて、ゆるく生きる人」など、人生を自由にデザインできるのです。
彼らフリーランスエンジニアの働き方をみていると、正社員をやりながら副業にチャレンジしてみて、受注開発などを経験してみたいと思うかもしれません。
しかし、現実問題として、多くの会社で「副業禁止」になっている以上、新しい働き方を模索することも簡単ではないのです。
そこで、まずは「企業常駐型フリーランスエンジニア」になることをおすすめします。
企業常駐型フリーランスエンジニアであれば、働き方が正社員時代と代わりありません。
ただし、フリーランスになったということで、副業などの規定が一切なくなります。メインのフリーランス活動の時間以外では、自由に動き回ることができるのです。
そこで、小さな開発案件を自宅でこなしたり、実力を証明するWebサイトを運営したりすれば、仕事の幅は大きく拡がるでしょう。