今までシステムエンジニア(SE)の職種を経験したことがないあなたが、SEに転職したいと考えたとします。
このとき、何の戦略も立てずに面接を受けても、採用されないことが多いです。
通常であれば、転職者は自分の業界経験を生かして転職します。そのため、未経験がSEを目指す場合、厳しい目でみられることもあるからです。
しかし、だからといってSEになることを諦める必要はありません。
ITエンジニアの人手不足はこれからも続くことが予想されていて、未経験者を受け入れる土壌自体はあるのです。
ようは、「面接官がSE未経験者に何を求めているか?」がわかれば、嘘のように採用されていきます。
そこでこのページでは、「面接官が未経験者に求めていること」と「SE面接に採用されるコツ」を解説します。
Contents
未経験から採用されたいなら、「なぜSEになりたいのか?」と「ポテンシャル」を示す
SE未経験のあなたが企業に採用されたいと思ったら、以下の2点を面接官に伝える必要があります。
- 真っ当な志望動機
- SEとして一人前に成長できるポテンシャル
なぜ、真っ当な志望動機が必要かというと、「この人は、SEとして一人前になる覚悟がある」と面接官に思ってもらわなければならないからです。
仮に、「この人は、前職から逃げてきたんだろうなぁ」と解釈されてしまうと、面接には通りません。ここで採用しても、また嫌なことがあったら逃げると思われるからです。
さらに、真っ当な志望動機だけでなく、「SEとして一人前に成長できるポテンシャル」を証明しなければなりません。
「この人材は、うちの企業では通用しない」と判断されると、たとえ真っ当な志望動機があっても落とされてしまいます。
ここで、志望動機は千差万別ですが、ポテンシャルを証明する方法にはいくつかのコツがあります。
SE未経験者の、面接官の心に響く志望動機の作り方は、以下を参考にしてください。
具体的には、面接前に以下のことを実施すると、面接に通過しやすくなります。
- 自分でソフトウェアをつくってみる
- プログラミングスクールに通ってみる
- ITパスポート試験に合格する
- 今までの職務経験をSEという職種につなげる
順を追って解説させて頂きます。
1.自分でソフトウェアを作ってみる
最も確実で、面接官に好印象を与える手段は、「プログラミングを独学して、ソフトウェアを作ってみること」です。主体的に学習する態度を示すことができるからです。
例えば、Microsoftが提供しているVisualStudioという開発ソフトであれば、機能を制限した無償版が配布されています。
このソフトウェアを使用すれば、普段からあなたが使っているGUIのソフトウェアを開発することができます。
(GUIとは、グラフィカルユーザーインターフェースの略称です。端的に説明すると、ボタンをクリックすると動作する、あなたが普段使っているソフトウェアになります。)
上記は、Windowsの標準アクセサリである電卓です。これと同じような簡易的な電卓を作ってみるだけでも、かなりの成長があるでしょう。
(ちなみに、全くプログラミングを経験したことがないなら、VisualBasicをおすすめします。Excelのマクロで使用するBasicに似た言語だからです。)
自分で環境をセットアップして、1つのソフトウェアを完成させた経験は、面接官に好印象を与えることでしょう。
また、このやり方だと、プログラミング未経験から職種未経験にステップアップしているところもポイントです。
2.プログラミングスクールに通ってみる
前述のように自分でソフトウェアを作ってみるのは、想像以上にハードルが高いです。初心者が一人で開発しても、規模の大きなソフトウェアはつくれませんし、大抵のアイデアはすでに実現されています。
そこで、「プログラミングスクール」に通ってみるという手もあります。近年では、企業全体のエンジニア需要とエンジニアになりたい方を近づけるための、質の高いプログラミングスクールが多数存在します。
その中には、通学不要でWeb上で完結するようなスクールもあります。このようなスクールに入会すれば、何もわからない初心者の状態から、企業内でのOJT(オンザジョブトレーニング:業務の中で仕事を覚えていくこと)に脱落せずについていけるレベルにまではスキルを高めてくれるのです。
ここでプログラミングを経験すれば、SEの適性があるか否かを転職せずとも判断できるようになります。
完全独学でプログラミングを始めるのはハードルが高いと感じているなら、間違いなくおすすめの手段です。
3.ITパスポート試験に合格する
ITパスポート試験に合格しておくのも、やる気をアピールする方法です。
この試験は、情報処理推進機構(IPA)という団体が主催する国家資格であり、IT資格の入門として位置付けられています。
他の試験が半年か1年に一度と決まっているのに対して、ITパスポート試験は、土日や夜間に開催していたり試験前日の正午まで応募できたりと、融通がきく試験であるところが特徴です。
この試験は難易度が低いため、独学でも数ヶ月あれば合格できるでしょう。
また、これ以上難易度の高い試験に臨むのは得策ではありません。合格できずに数年経つぐらいなら、とにかく若いうちに業界に潜り込むほうが得るものが多いからです。
- ストラテジ系
- マネジメント系
- テクノロジ系
この3つの分野から出題され、合格後はIT業界をなんとなく俯瞰できる程度のリテラシーが身に付くことでしょう。
試験に受かる勉強法
当サイトの管理人は、情報処理技術者試験の「応用情報技術者」に合格しています。
(当時はまだ、ソフトウェア開発技術者という名称でした。)
そのため、この試験に合格するためのノウハウは知っているつもりです。
ずはり、以下の二点を意識すれば、合格率が飛躍的に高まります。
- とにかく過去問を解く
- テキストや問題集は、切り離して数ページポケットに入れておく
1.について、情報処理技術者試験では、過去問から同じような問題が大量に出題されます(全く同じであることもしばしば)。そのため、先にある程度参考書に目を通したら、問題集をこなして本番の問題に備えるべきなのです。
2.について、情報処理技術者試験の参考書や問題集はボリュームがあります。隙間時間に学習するため、カバンの中に入れておくには大きすぎるのです。
そこで、カッターナイフで数ページを切り取って、常にポケットの中に忍ばせておくのです。僕はこのやり方で、バイトに授業に忙しかった時期でも、隙間時間に学習して応用情報まで一発合格するまでに至りました。
そもそも、資格試験は合格してナンボであり、綺麗に勉強する必要はどこにもありません。
合格すればテキストや問題集など捨てるのですから、最大限汚して使いましょう。
これで合格間違いなし!
4.今までの職務経験をSEという職種につなげる
未経験からSEになる人の多くが、20代でSEになることを検討するはずです。
このとき、学歴や今までの職務経験が重要になります。未経験人材のポテンシャルを測ろうとしたら、学習歴や今までの仕事ぶりを見て判断するしかないからです。
そこで、「今までの職務経験が以下に次の職場でも役に立つか?」ということを示す必要があります。
例えば営業職の場合、顧客とのコミュニケーションを取ってきた実績があるはずです。
この経験は、SEになっても重要です。顧客からヒアリングして求められているシステムを聞き出したり、システムの入れ替え時に顧客と調整したりする機会が、僕のSE経験でも頻繁にありました。
そこで、以下のようにアピールするのは有効です。
入社直後は、人の何倍もITスキルを学んでいく必要性があると思います。 しかし、顧客から上手に話をヒアリングするコミュニケーション能力は、前職で向上させることができました。具体的には、◯◯という経験から、△△のような力が身に付いているはずです。 将来的に発生するであろう顧客との折衝では、他のSEには出せない価値を出せると考えています。 |
上記のように、前職での経験がSEでも活かせることを証明できれば、面接官にアピールすることができます。
特に、一般的なSEが苦手とされている、「コミュニケーション」や「マネジメント」ができると伝えると、より有効でしょう。他の同僚の欠点を補完できるような人材は、SEに限らず歓迎されるものです。
まとめ
未経験からSEになりたい人が採用されるコツをもう一度振り返ります。
第一に、口だけでやる気を見せるのではなく、行動に移しているところを見せるのが有効です。
- ソフトウェアをつくってみる
- プログラミングスクールに通う
- ITパスポート試験に合格する
これらは全て、やる気を行動に変える行為です。
第二に、今までの社会人経験や人生経験から、組織の欠点を補完できることを証明するのがベストです。
組織には常に足りないところがあり、そのような穴を埋めるように立ち回れる人材は貴重だからです。
繰り返します。
- やる気を行動に移して、行動をアピール
- 今までの経験から、組織の欠点を補完できることをアピール
上記の2つを意識すれば、面接官の目からは有能な人材に映るのです。