ITエンジニアとして働くとき、「自分はコミュ障気味なんだけど、それでも勤まるのだろうか?」と不安に感じる人がいるものです。
あるいは、すでにITエンジニアとして働いているが、皆みたいに上手くコミュニケーションが取れないと落ち込んでいる人もいるでしょう。
結論からいうと、人格障害レベルの異常者でなければ、ITエンジニアとして必要なコミュ力は身につくものです。
僕も学生時代はコミュ力の低さで周囲に迷惑をかけてきた人間ですが、今ではITエンジニアとして活躍できています。
しかし、意識してコミュ力向上に取り組まないと、いつまでたっても改善されないのも事実です。そこでこのページでは、「コミュ障を不安視するITエンジニアが意識すべきこと」について解説します。
Contents
ダメなコミュ障と何とかなるコミュ障あり
結論からいうと、ITエンジニアならコミュ障でもなれます。僕も、IT以外に様々な仕事を経験しましたが、ITよりコミュ力が必要ないのは工場の単純労働ぐらいのものです。
しかし、コミュ障の中でも「ダメなコミュ障」と「何とかなるコミュ障」があります。
そして、ダメなコミュ障とは、以下の2点につきるでしょう。
- 必要なことすら言わずに他人を怒らせる人
- 必要以上のことを言って他人を怒らせる人
「1.必要なことすら言わずに他人を怒らせる人」に関しては、報連相のような基本的なことができていないタイプのコミュ障です。問題が発生しても報告しない・上司から聞かれた質問に答えられない等、最低限必要なことすら伝えられないと、いくら技術力があっても協調作業ができません。
「2.必要以上のことを言って他人を怒らせる人」に関しては、喋るコミュ障と表現できそうです。
会議中に相手の会話に割り込む・イジっているつもりで人が傷付くことを言うなど、余計な発言を積み重ねてヒンシュクを買ってしまうタイプのコミュ障も、協調作業ができません。
上記2点に当てはまる場合、早急に改善する必要があります。IT業界に限らず、このようなコミュ障が活躍できる仕事は少ないです。
自分がコミュ障気味なら気をつけたいこと3選
前述の通り、どうしてもダメなタイプのコミュ障はいます。
しかし、それを除けば、多少コミュ障気味でもIT業界で働けるのです。自分がコミュ障という自覚があるならば、以下の3点を意識してください。
- 結論ファーストを心がける
- イエス・バッド法、イエス・アンド法を実践
- 集団の中心になろうとしない
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.結論ファーストを心がけて会話する
結論ファーストを心がけて会話するのは、コミュ障気味のITエンジニアが真っ先に意識すべきことです。伝えたいことを結論から話すことで、端的に状況を伝えられます。
例えば、結論から話す癖が身についていないと、以下のような会話が想定できるでしょう。
上司
この間任せた仕事、進捗は順調?
あなた
ええっと。今まさに取り組んでいるところでして、今は○○というお客様に連絡を取っているところなのですが、まだ返事がこないんですよね。ただ、締切までは、まだ時間がありそうです!
上司
つまり、順調か順調ではないかの、どちらよ…。
上記では、上司は順調に仕事が進んでいないなら、何らかのフォローを入れないといけないと考えているわけです。
その気持ちを汲み取って、以下のように伝えればよいでしょう。
上司
この間任せた仕事、進捗は順調?
あなた
結論からいうと順調です。(結論)
締切まで一週間があり、後はお客様からの回答を待つだけだからです。(順調である根拠)
ただし、昨日にお客様に送った質問メールに回答がきておりませんので、週明けに回答が届かなければ、電話にて確認するつもりです。
パソコンのタイマーもセットしています。(現状の問題点と、解決策の提示)
上記のような順番で伝えれば、上司も安心して仕事を任せてくれるものです。
このようなコミュニケーションで複数の仕事を完遂させると、上司からの信頼も得て、コミュニケーションを取る必要すらなくなるかもしれません。
2.イエス・バッド法、イエス・アンド法を実践
イエス・バッド法、イエス・アンド法を実践するのも、コミュ障気味のITエンジニアが意識すべきことです。否定から入る癖がある人間は、どこのコミュニティでも嫌われます。
例えば、口癖が「いや、…」のようになっていると、無意識下で相手に不快感を与えてしまうものです。
そこで、イエス・バッド法とイエス・アンド法を活用しましょう。それぞれ、以下のような手法です。
イエス・バッド法
一旦相手の意見を肯定してから、否定する意見を言う手法
イエス・アンド法
一旦相手の意見を肯定してから、否定後に聞こえない繋ぎ方をして自分の意見を言う手法
共に、頭ごなしに相手を否定せず、共感を示しているのが特徴です。
コミュ障にかけているのは実は共感であり、論理と正論で相手を叩きのめすと、やられた相手は感情的にあなたを責めることになります。
そうならないように、たとえ相手の意見が明確な間違いであっても、相手の意見を包み込むイメージでコミュニケーションを取ってください。
上記のイエス・バッド法を使わない場合と、使う場合では、それぞれ以下のような会話になるでしょう。
否定から入る会話
Aさん
私の経験上、○○なことが多いんですよ!
あなた
それは○○大学の研究によって、すでに否定されてるからあり得ないわ!
イエス・バッド法
Aさん
私の経験上、○○なことが多いんですよ!
あなた
たしかに、そういう経験って多いよね。僕も、そう感じたことは多々あるよ。
でも、実は○○大学の研究によって、すでに否定されてる話だから、実は統計的には△△が正しいんですよ。
上記の2パターンでは、どちらのほうがマイルドに伝えたいことを伝えていると思いますか?
当然、後者ですよね!
これが、コミュ力が高い人の話術です。こうして、相手の意見をやんわりと肯定してから自分の意見を伝えるだけで、好感度は向上します。
3.集団の中心になろうとしない
集団の中心になろうとしないのも、コミュ障気味のITエンジニアが意識すべきことです。人間関係の中心になるのは、卓越したコミュ力を必要とします。
例えば、学生時代にクラスの中心人物になる人間がどうだったかを思い出してください。
容姿端麗で見た目も華やかで、声をかけられただけで良い気持ちになる人が多かったのではないでしょうか?
あるいは、面白い人で皆から好かれていた人もいるでしょう。
いくらコミュ力を身につけたいからといって、彼らと同じ方法を取ってはいけません。彼らはそういう星のもとに生まれています。
元々コミュ障を悩んでいるなら、集団の中心人物を目指すのはやめてください。
それよりも、他人に不快感を与えない程度の人間になり、コミュニティから排除されないのが先決です。
そのためには、リーダーが困っている仕事を解決したり、仕事に行き詰まった後輩に解決策を示したりすることで、コミュ障なりのポジションを確保してください。
そうして、「誰かのために何かをしてあげよう」という姿勢は、中途半端なコミュ力に勝ります。
考えてみてほしいのですが、コミュ力を悪用して仕事をサボろうとする人間と、多少口下手だが仕事をしっかりする人間。
あなたなら、どちらを味方につけたいですか?
口下手でも仕事をしっかりする人間に決まっています。集団の中心人物・リーダーなど、所詮一人しかいません。
彼らのようなコミュ力を身につけるより、「集団のために何ができるか?」を考え続けることが、結果的にコミュ力向上につながるのです。
まとめ
本記事では、「コミュ障気味でもITエンジニアとしてやっていけるか?」という不安を解消するために、コミュ障なりの処世術をお伝えしてきました。
結論を出すと、コミュ障気味でもITエンジニアとして活躍できます。
ただし、以下の2点に当てはまるようなら、早急に改善してください。
- 必要なことすら言わずに他人を怒らせる人
- 必要以上のことを言って他人を怒らせる人
そして、コミュ力を高めるために、以下の3点を意識すればよいのでしたね。
- 結論ファーストを心がける
- イエス・バッド法、イエス・アンド法を実践
- 集団の中心になろうとしない
これだけのことを気にかけていれば、コミュ力に自信があると勘違いした人よりも、よほど社会を円滑に回すコミュ力が身についていることでしょう。