システムエンジニア(SE)が転職をする際、企業に履歴書を提出する必要があります。企業によっては、履歴書のクオリティだけで不合格を決めるため、たとえ一枚の紙きれでも、真剣に作成する必要性があるのです。
しかし、転職に精通していないと、以下のような悩みは必ず生まれます。
- SE転職では、履歴書は手書きでなければならないか? それとも印刷で良いか?
- 空白期間は正直に記入するべきか?
- 資格は全て記入するべきか?
このような疑問を解消しないまま不用意に履歴書を提出してしまうと、面接官に悪い印象を与えてしまうこともあります。
そこでこのページでは、「SEが履歴書を作成する時の正しい書き方と、押さえておくべきポイント」を解説します。
Contents
履歴書のフォーマット選びでは、書きたい項目と書きたくない項目の大きさに注目すること
SEが転職のために履歴書を用意する際、履歴書のフォーマットを選択する必要があります。現在では、手書き・Excelデータを含めて多くのフォーマットが存在するため、自分にとって適切な履歴書を選ぶ必要があるのです。
ここで大事なポイントは、「書きたい項目が大きく、書きたくない項目が小さい履歴書」を選択することです。
例えば、どうしても入社したい会社がある場合、志望動機の欄で「なぜ、御社に入社したいのか?」を詳しく書きたくなるものです。この場合、志望動機が大きい履歴書を選択する必要があります。
一方、どうしても入りたい会社があるわけではなく、相性の良い人たちと働きたいと考えるのであれば、趣味や特技の欄でアピールする方法があります。この場合では、志望動機はあえて小さめにして、趣味や特技の欄を大きくする必要があるのです。
つまり、面接官に自分の強みを強調できるような履歴書の選択が必要になります。
SEの転職では、手書きでなくても良い
(ワードを使えば、書き直しもラクラク!)
自分の書きたい項目を大きくする履歴書を作成するなら、手書きではなくExcelやWordのデータで作成するのが最適です。電子データなら、各項目のサイズを調整することができるからです。
SE以外の職種では、「履歴書は手書き・職務経歴書は印刷でもOK」という文化になっていることが多いです。
しかし、SEという職種では、データの履歴書を印刷することに面接官の抵抗はありません。僕は何度も転職活動を行いましたが、手書きで履歴書を作成しなくても、問題なく採用されていました。
SEの現場には、多くの協力会社からの社員が常駐しています。「彼らの経歴を確認するとき、手書きではなくデータで確認することがほとんどのため、データの履歴書に抵抗がない世界なのだろう」と、僕は推測しています。
ただし、あなたが不安なら履歴書を手書きにするのも手段の一つでしょう。これから応募する会社の志望度で判断してください。
また、これから応募する会社に、「手書きかデータか?」を聞くことはできないため、転職エージェントを利用しているなら、転職エージェントに聞いてみることをオススメします。
職歴は最重要 同時に職務経歴書を提出することが多いため、矛盾がないように気をつける
SE転職の履歴書において最も重要なのは、「職歴」です。アルバイト採用や新卒入社とは違い、ポテンシャルよりも実務能力が求められるからです。
年齢を重ねるごとに、経験に裏打ちされた実務能力が重要視されます。
ただし、詳細な職歴は、履歴書と同時に提出する「職務経歴書」で記載することになります。そこで、履歴書に記載する職歴は、以下の3点に気をつけてください。
- 簡潔に書くこと
- 職務経歴書と矛盾がないこと
- 漏れがないように記載し、空白期間も正確に書くこと
順を追って、解説させて頂きます。
1.簡潔に書くこと
履歴書の職歴欄は、「ひとつの職場につき、一行から二行」で記入するようにしてください。職歴の詳細は、職務経歴書で詳しく記入するため、履歴書では概要だけを伝えるようにします。
例えば、運用SEとしてのキャリアを積んでいる僕であれば、以下のような記載になります。
201X年XX月 株式会社○○入社 データセンターにおいて、ネットワークの運用保守業務に従事 201X年XX月 一身上の都合により退職 |
このように、簡潔に概要を説明してください。これを、自分が在籍した会社の数だけ書き進めて、履歴書を完成させましょう。
2.職務経歴書と履歴書の間に矛盾がないこと
職歴の詳細は、職務経歴書に記入することになります。そこで職務経歴書と履歴書に差異があると、本当に正しい経歴なのか疑われてしまいます。
面接官は、「応募者が嘘をついていないかどうか、見抜こうとしている」ため、履歴書の不備は厳しく指摘されると考えてください。
仮に、悪意がなかったとしても、履歴書と職務経歴書に差異があると、「適当な性格をしている」と判断されかねません。
入社年月日や退職月など、履歴書と職務経歴書の間に矛盾がないことを、入念に確認してください。
3.職歴に漏れがないように記入し、空白期間も正直に書くこと
よほど職歴が多くない限り(履歴書に書ききれる量である限り)、アルバイト経験なども正確に記入するようにしてください。空白期間があると、必ず面接では突っ込まれるからです。
また、空白期間がある場合も、基本的には正直に書いたほうが良いです。
ただし、自分から言い訳のようなことを履歴書に記載する必要はありません。
空白期間は面接中に指摘されるので、そのときに「○○というスクールに通っていた」や「人生で自信を失っていた時期で、今後の人生の方向性を探っていた」など、淀みなく受け答えができる練習をしてください。
志望動機は、自分本位ではなく会社に貢献する動機を意識する
志望動機を記載するときは、「自分本位ではなく、会社に貢献する動機」を心がけてください。会社の利益のことを考える人材だと認識された方が、イメージが良くなるからです。
例えば、あなたが本音では、「マネジメントスキル」を高めたいと考えていたとします。ここで、バカ正直に「マネジメントスキルを高めるために、貴社に応募した」と書くと、「会社に対してどう貢献できるか?」という視点が抜け落ちています。
また、志望動機が自分本位になってしまうと、面接官から「この人は、スキルが身についたら、また転職してしまうのではないか?」と思われてしまいます。
そこで、以下のように書くことをおススメします。
前職では、ITスキルや社会人としてのビジネスマナーを含めた多くのスキルを磨くことができました。そこで、後輩や部下たちに指導する中で、ITスキルだけでなくマネジメントでも力を発揮できることがわかりました。 今後は10年間を目安に、長期的にマネジメントスキルを伸ばして、プロジェクトマネージャーになることを目標としています。 しかし、現在の会社では、マネジメントを経験できるキャリアが用意されていません。 そこで、貴社のような、長年SEをマネジメントする会社に「プロジェクトを管理する場」を頂くことで、私に適性のあるマネジメントスキルを最大限発揮して、継続的に貴社の利益に貢献したいと思います。 |
こちらの志望動機のほうが、印象が良いことは間違いありません。
また、以上のような志望動機に加えて、より具体的に、「なぜ、その会社を選んだのか?」を付け加えると、印象の良い志望動機となります。
なお、面接では、「部下や後輩を指導した経験」や「現在、マネジメントスキルを向上させるために取り組んでいる活動」などを聞かれることになるので、必ず準備しておきましょう。
より詳しい志望動機の書き方が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
資格はイメージアップにつながるもののみ
資格を記入する際は、イメージアップになるものだけを厳選する必要があります。適切に取捨選択しなければ、面接官から資格マニアだと思われてしまうからです。
ここで必ず記入すべき資格は、「難関資格かつ、キャリアに関係があるもの」です。
例えば、SEであれば、エンジニアとしての素養を証明するために、応用情報技術者の資格は有効です。僕も、この資格があったおかげで、多くの内定を得ることができました。
他にも、プロジェクトマネージャー(PM)になりたいのであれば、情報処理技術者試験の「プロジェクトマネージャ」を取得しておくと、PM未経験でも評価されます。PMになるために行動を起こしていることが評価されるのです。
反対に、PMになりたいのに、「ネットワークスペシャリスト」や「エンベデッドスペシャリスト」などの資格を手当たり次第に受けていると、「本当は何になりたいのか?」などと勘ぐられてしまいます。
- キャリアを形成するにあたって一貫性のない資格
- 取得が簡単すぎる資格
上記2点を避けた上で、イメージアップにつながる資格だけを厳選してください。
資格を有効活用する方法に関しては、こちらの記事も参考にしてください。
趣味はイメージダウンを避けること
趣味に関しても、イメージダウンにつながる趣味は避けてください。生産的な趣味や自己開発的な趣味が好まれる傾向にあります。
例えば、僕であれば「ランニング・読書」という趣味を必ず書くようにしています。
- ランニングで体力をつけている
- 最近読んだビジネス書の知識を、実生活につなげている
このようなエピソードを用意しておくことによって、面接官に好印象を与えるようにしてください。
ここでの注意点は、「濃い趣味には、相性がある」ということです。
例えば、SEの中にはオタク系の趣味を持っている人が多いです。
しかし、大企業になればなるほど、そのような趣味は隠す傾向にあります。
面接の場で、このようなオタク趣味をさらけ出してしまった場合、面接官の間でも賛否両論になることは間違いありません。
イメージダウンを避けたいのであれば、生産的・自己開発的な趣味を記入することが大切です。
写真は写真撮影機のモノでもよいが、スーツを着用すること
履歴書の写真は、スピード写真と呼ばれる写真撮影機で撮影しても問題はありません。スーパーやコンビニの前に設置されていることも多いはずです。
ここで気をつけるべきポイントは、「スーツを着用しておくこと」です。
現在では、スーツを必要としない職場も増えました。場合によっては、面接でもオフィスカジュアルで来社することを求める企業があるかもしれません。
しかし、面接の写真は、現在でもスーツで撮影するのが通常です。
ようは、悪目立ちしないように気をつけるということです。
これは、写真に限らず履歴書すべてにいえることですが、悪い意味で目立ってしまっても意味がありません。
健全な履歴書に仕上げた上で、より経歴を深く掘り下げて、面接官に注目されるようになってください。
このように、履歴書の書き方には抑えておくべきポイントが複数存在します。面接官を良い意味で唸らせるような、質の良い履歴書を作成することを心がけて、希望の会社の内定を手に入れましょう。
それでも履歴書の書き方に不安を感じているなら転職エージェントに相談してはどうですか?
本記事を読んでも、履歴書の書き方に不安を感じることはあると思います。それは、臆病でもなんでもなく、それだけ転職と誠実に向き合っている証拠です。
もし、履歴書を第三者に見てもらいたいなら、転職エージェントに相談するのが最善策といえます。
本来は、求職者と企業を上手くマッチングさせるのが転職エージェントですが、履歴書の添削や希望職種のヒアリングを行うことで、満足のいく転職を実現するお手伝いまでしてくれるのです。
下手な知り合いに見せて履歴書を笑われるよりは、大量の履歴書を見てきた専門家に見せたほうが安心できませんか?
そこで、ここからは「履歴書を添削してくれる」という観点から、おすすめの転職エージェントを紹介します。
・マイナビエージェント×IT
業界トップクラスの求人を抱えているのが「マイナビエージェント×IT」。また、首都圏だけでなく全国に対応していることも、大手ならではの魅力です。
取り扱っているIT業界の職種が、以下のように大量にあるところも大手企業ならではです。
- プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- システムエンジニア(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- プログラマー(WEB、オープン、汎用、制御・組込)
- 社内SE
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
- データベースエンジニア
- システムコンサルタント(業務系、テクニカル系)
- パッケージ導入コンサルタント(ERP、CRM、SCM等)
対象年齢 | エリア | 未経験 |
20~30代 | 全国(首都圏・関西圏多数) | 〇 |
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対象年齢 | エリア | 未経験 |
20代~49歳 | 首都圏・関西圏・九州圏 | × |