システムエンジニア(SE)の転職では、新卒採用ほどではありませんが、自己PRを問われる機会があります。自己PRを記載する欄がある履歴書を使用することもあれば、面接中に問われることもあるからです。
そこで、正しい自己PRを準備しておかないと、準備不足だと面接官から判断されることもあり得ます。また、自己PRは面接の最初のほうに問われるため、ここで失敗してしまうと面接の序盤で不採用が確定してしまうかもしれません。
そこでこのページでは、「SEのための、履歴書や面接で通用する自己PRの作り方」を解説します。
Contents
自己PRとは何か?
自己PRとは、面接官に自分の長所やアピールポイントを伝える行為のことです。自分が応募先企業にとって、給与以上の働きをすることを証明するために必要になります。
- エピソード込みで長所を伝える
- 長所が転職先でどのように役に立つのか伝える
上記を意識すると、優れた自己PRが完成します。また、履歴書に自己PRを記載することもあれば、口頭で伝えることもあるため、口頭でも伝えられるように練習しておく必要があります。
具体的には、以下のようにして自己PRを作成します。
(技術者としてのキャリアを積みたい人が、協調性をアピールする自己PR)
私の強みは、チームのリーダーが仕事をしやすいように配慮して仕事を進められる協調性です。 特に、業務の報告においてリーダーがチームの状況を効率よく把握するために、この力を発揮していました。 通常、報連相は定例会議で行う以外にも、突発的に発生します。例えば、「任せている仕事は順調?」などの声かけをリーダーから頂くことがあります。 このとき、常にリーダーの質問に対して、「順調か否か?」を結論ファーストで返すことを心がけました。 その結果、リーダーは現状を把握しやすくなり、その後の対応策を考えることに集中できるようになりました。 貴社でもこの協調性を発揮して、技術者としての人生を追求しつつも、常にマネジメント側の事情に配慮した仕事をしていきたいと考えています。 |
上記の自己PRは、「営業マンが自分という商品を売り込む」ように管理人が作成したものです。
技術者としてスペシャリストになりたいからといって、自己PRでもひたすら技術力をアピールした場合、協調性がないと判断されてしまいがちです。企業はチームプレーのため、技術一辺倒な態度はマイナス評価になることがあり得ます。
そこで、技術に関するアピールは履歴書の別項目や、場合によってはGithubなどの活動で証明することにして、自己PRでは組織人として正しく振る舞えることを長所としています。
重要なことなので繰り返しますが、自己PRは、「営業マンが自分という商品を売り込む」ように作成すると、面接官の心に響く可能性が高まります。
また、上記の自己PRでは、文章を書く順番は以下のようになっています。
- 強み(結論)
- これから話すエピソードの概要
- 前職での問題点
- 問題を解決するための行動
- 行動の結果
- 強みを元にした転職先での貢献
どこから書き始めたら良いか迷っているなら、このフォーマットを参考にしてください。
長所と短所は表裏一体
あなたの長所と短所は表裏一体だと考えてください。あなたが短所だと考えていることも、場合によっては長所になるのです。
例えば、あなたが「自分の意見がない」という悩みを抱えていたとします。一見すると、短所に見えるはずです。
しかし、裏を返せば、「リーダーの意見に柔軟に合わせられる」ということになります。これは、リーダーの決断に従えるというアピールポイントになる可能性を秘めています。
これからあなたが就職する企業が、物事がワンマンで決まる傾向の強い企業だった場合、短所がアピールポイントに変わるでしょう。
入社後に社風に合わせられない人なら、正直に言って相性で判断してもらうこと
面接を突破したいなら、社風に合わせて自分のスタイルを会社に寄せていくことが重要です。企業はチームで仕事を進めるため、入社後に協調できるかどうかが重要になってくるからです。
しかし、求職者の中には、あまり社風に合わせられない人もいます。どこにいっても、自分のやり方しかできない人です。
このような場合、自己PRで自分が有能であることをアピールするのではなく、自分のパーソナリティを伝えることに全力を尽くすのもひとつの手段です。
例えば、どのような出来事にも独自の主張を持ってしまう人がいるとします。この性質は、企業によって「自分の意見を持っている」と「空気を読まない」の評価に二分されがちです。
しかし、このような人は、基本的に社風に柔軟に自分を合わせることが困難であることも多いです。
そこで、正直に「常に自分の意見を主張して、正否は同僚やリーダーの意見を聞く性格です」と伝えることで、後の判断は面接官に委ねるのも良いでしょう。
企業側も、自社でも受け入れられそうと思うなら採用するでしょう。また、案外「社風に風穴をあけられるような人物を求めていた」と面白がってくれる可能性もあります。
経験に紐付く自己PRを考える
経験に紐付く自己PRを考えることも重要です。アピールポイントは面接官に掘り下げられることが多いため、自称ではなく自分の人生が反映されたものにすると、面接官の心に響きます。
例えば、自己PRで以下のようなものがあるとします。
私は、納豆のように粘り強い人間です。
私は、潤滑油のように人間関係を良好にします。 |
このような比喩表現で説明しても、経験に紐付いていない言葉は、どこか軽薄に感じます。
そこで、以下のような自己PRを作成すると良いでしょう。
前職に新卒で入社した当時は、技術力の高いITエンジニアとしてスペシャリストになることを目標としていました。しかし、どれだけ努力してもトップ層には勝てないことがわかりました。
ただし、社会に出てから理解できたことですが、世の中では技術力が卓越したSEだけが求められているわけではありません。 そこで私は、技術者と顧客様の橋渡しになるようなSEになるという目標を定めました。そこで、技術用語などを使わずに顧客様に分かりやすくシステムの説明を行う経験を積んだことで、会社にとってなくてはならない存在に成長することができました。 ……(後は、転職先企業の利益に貢献することを述べる) |
このように、比喩表現を使わずとも具体的な経験から、「粘り強さがあること」や「人間関係を良好にしていること」をアピールすることが可能です。
ここで面接官が興味を示したら、さらに前職での経験を語ることで、面接官に好印象を与えることができます。これが、経験に紐付いている自己PRの強さです。
強みは他人に見つけてもらうもの
自己PRを考えるとき、多くの人が自分の頭で考えようとしてしまいます。履歴書は自分の力で作るものという思い込みがあるからです。
しかし、自分の強みは他人に指摘されて初めて自覚することがよくあります。
例えば、管理人は、20代のうちに複数回転職を経験しました。自分では、一つの職場が続かないことをデメリットのように感じていました。
しかし、居酒屋で話した友人の目線からすると、「行動力がある・転職して採用されるだけのスキルを身につけている」という、まったく違った評価を得ていることが判明しました。
他にも、高学歴の友人から「読書量が多い」という評価を得たことが、IT系ライターの仕事を始めるきっかけになりました。
このように、他者の視点が自分の強みを発見することは多々あります。
自己PRを考える際は、自分のことをよくわかってくれている家族・転職に理解をしてしてくれる友人など、身近な人に相談してみるのが良いでしょう。
また、身近にそのような人がいないのであれば、転職エージェントに登録して履歴書の書き方から指導を受けるのがベストな選択肢になります。
転職エージェントは、企業の面接に通るSEを強く求めているため、ヒアリングからあなたの強みを引き出してくれるでしょう。
具体例や客観性を入れて根拠を強くする
具体例や客観的な指標を入れて、主張の根拠部分を強くすることが重要です。主張だけだと、都合の良い嘘をついていると思われても仕方がないからです。
例えば、「継続的に目標に邁進することかできる」という強みをアピールしたいとします。以下のどちらが、説得力があると思いますか?
A
私は、継続的に目標に邁進することができます。前職でも、毎日仕事を頑張っていたからです。 貴社でも一生懸命仕事に取り組むことかできます。 |
B
私は、継続的に目標に邁進することができます。 私は過去、情報処理技術者試験の初級シスアド・基本情報技術者・応用技術技術者の試験にそれぞれ一発合格しました。それも、試験期間を空けずに継続的に学習して成し遂げました。 このとき培ったIT業界の普遍的な知識と、継続して物事に取り組む強みを生かして、貴社でも長期的に利益をもたらすSEになるつもりです。 |
上記の例でいえば、Bの志望動機のほうが、客観的な指標を使って継続的に目標に邁進できる強みを説明できています。自分の主張には必ず根拠をつけることを意識しましょう。
このように、自己PRは自分の強みが企業にとって利益になることをアピールできるチャンスです。
新卒採用以外では、面接官から自己PRを求められる機会は減ります。
しかし、たとえ聞かれなくても、自分の強みを再確認するために、自己PRは常に考えておくようにしてください。
自己PRだけでなく、面接で採用を勝ち取る方法を知りたいなら以下の記事も参考にしてください。
自己PRに不安があるなら転職エージェントに相談しよう
あなたが考えた自己PRに不安があるならSE専門の転職エージェントに相談するのが一番です。転職エージェントは、企業ごとに「どのような人材が好まれるか?」というデータをストックしています。
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また、転職活動の際は複数企業の面接を受けるため、求人サイトで転職するときのような不安感や孤独感が解消されます。
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対象年齢 | エリア | 未経験 |
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