IT業界には、「将来的に世の中を動かすようなプロダクトを作るぞ!」と意気込んで、プログラマーになった人たちがいます。
彼らの全てが、プログラマーとして卓越してくれれば理想なのですが、現実には「プログラマーとしての適性がない」こともあり得ます。
このような時、自分にプログラマーとしての適性がないと感じた人はどう振る舞うべきなのでしょうか?
- 根性論で続ける?
- 潔くプログラマーを辞めて、違う仕事に転職?
- 新小岩駅からダイブ?
頑張っているのに結果が出ないと、精神的にも追い詰められていくばかりです。その気持ちは、心から理解できます。
何を隠そう、当サイトの管理人ヤマダも、かつては「プログラマー 向いていない」と仕事中に検索するほど、思い詰めていました。
あなたは今、プログラマーが向いていないと思ったから、このページを読んでるんですよね?
もしそうなら、少しだけ僕の実体験を聞いてください。
Contents
20代中盤の僕も、「プログラマー 向いていない」で検索していた過去がある
20代中盤の頃、僕はただひたすらに絶望していました…。
30代になった今なら笑い話にできますが、いつも持ち歩いている仕事用の鞄にウォッカを入れて、退勤後に近くの公園で呑んだくれていたほどです。
悩みの種はただ1つ。
「プログラマーに向いていない」
どうしてこうなったのか。
子供の頃の僕は、頭が悪いながらも、これからIT業界が最も伸びると考えていました。
IT系専門学校にも通い、ITベンチャーで仕組み作りを経験した僕は、開発者としての能力を身に付ける算段でプログラマーに転職したのです。
それなのに、自分は全くプログラマーとして通用しない。プログラミングが楽しくもないし、向上心が沸いてこない。
「専門学校では成績も悪くなかったのに、こうも伸び代がないものか…」
僕は、IT業界がこれから伸びることは分かりきっているのに、プログラミングができないという絶望の中で、人生を破滅の道に進めてしまっていたのです。
自分に向いてない仕事についているだけで、今まで培った自信も粉々になりました。
最終的には、逃げるようにやめてしまい、IT業界から去ることを考えるほどでした。
運用SEの仕事に転身して平均以上の結果を出せるようになった
プログラマーが向いていないからといって、僕にはほかにやるあてのある仕事などありません。貯金もすぐに底をつく程度にしかありませんでした。
IT系専門学校では応用情報技術者まで取得したこともあり、何かしらITスキルを活かせる仕事があればと考えました。
そこで、ITの活用だけで生きていける運用オペレーターの仕事につくことにしました。
運用オペレーターを一言で説明すると、すでに出来上がったシステムを運用してシステムを正常に回すほか、何か異常があったときに対応する仕事です。
この仕事は、ネットワークエンジニア志望の人などが、IT業界の始めの一歩として選択する職種でした。
そこで数ヶ月働いていると、国家資格を持っていることが評価されて、日勤の運用SEに引き抜かれました。
「運用オペレーターをマネジメントしたり顧客と折衝したりして、業務を円滑に回すような仕事」といえばわかりやすいでしょう。
そこではからずも運用SEの仕事を経験するうちに、気が付けば平均以上のスキルを持つSEに成長していたのです。
今ではステップアップのために別の現場で働いていますが、面接する前に「あなたなら受かるだろうね」と言われるぐらいになれました。(少しだけ自慢)
これは、スキルだけが身に付いたわけではなく、表情から自信が溢れた結果だと考えています。
こうして、僕はIT業界から去らずに済んだのでした。
本当にプログラマーに向いていないのかを確かめる方法
ここからは、あなたが本当にプログラマーに向いていないのかどうかを確認していきます。
僕の実体験や友人などの情報交換から、プログラマーを辞めても良い判断基準が、僕にはある程度分かります。
具体的には、以下のポイントは必ず意識しておくべきです。
- プログラミングの経験は一年以上あるか?
- プログラミングが心から苦痛か?
- 暇な時間に何を考えているか?
1.プログラミングの経験は一年以上あるか?
プログラミングの経験が一年以上あるかどうかは、辞める上での判断基準となるでしょう。
特に、未経験からプログラマーになった人の場合、学生時代からプログラミングを経験している人よりスタートラインが違います。
情報系の学校に通っていた人間と比較すると、どうしたって最初は差があるものです。
例えば、2年生の情報系専門学校に通っていた場合、1日1時間学習していたとしても、700時間以上のアドバンテージがあります。
社会に出てからプログラミングを始めた人が、いきなり追い付けるような差ではないはずです。
しかし、スキルというのはある一定のレベルまで到達すると、習熟度が上がりにくくなります。
学生時代のテストを思い出してください。0点から80点ぐらいまでは少しの勉強で簡単に点数アップしたはずです。
しかし、90点前後から点数を伸ばそうとすると、難しい問題を解く必要があり、なかなか点数が上がらなくなります。
つまり、ゼロの状態からソコソコの状態になることさえできれば、おのずと周りとの差は縮まるのです。
まずは一年程度プログラミングを続けてみて、その時に全く周囲のレベルに追いつけなかったときは、再度プログラマーを辞めることを検討するとよいでしょう。
2.プログラミングが心から苦痛か?
プログラミングが心から苦痛かどうかも、意識しておくべきポイントです。頭では頑張らなければと考えていても、心が拒否反応を起こしていたら体調にも現れます。
もちろん、どのような仕事も、辛いことのほうが多いです。
しかし、それでも本当に向いている仕事であれば、楽しいと思えるところが必ずあります。
- 効率的なアルゴリズムが考案できて嬉しい
- 自分の発想がソフトウェアという形で具現化して嬉しい
- 知らない技術を教えてもらって嬉しい
プログラマーに向いている人は、上記のような感情を持つものです。
一方、プログラマーに向いていない人は、心が拒否するような症状が出ます。
- アルゴリズムを考えるのが億劫
- 私財で技術書なんて絶対に買いたくない
- 会社にいきたくない
このようなことを考えてしまった場合、プログラミングが心から苦痛になっている可能性があります。
あなたの考え方に、よほどの転換がない限り、これからもプログラミングが苦痛であり続けるでしょう。
3.暇な時間に何を考えているか?
暇な時間に何を考えているかも、プログラマーを辞める判断基準になります。プログラマーに向いている人は、ついつい技術を使って何かを便利にしたいと考えるものです。
例えば、僕のゲーム好きの先輩は、ブラウザゲームを自動で動かすボットを作って、自宅で動かしていました。畑をクリックするとアイテムが収穫できるゲームで、ひたすらランダムで画面をクリックするプログラムです。
先輩は、仕事では運用の仕事をツールで自動化させて、現場をホワイトにしています。
プログラマーの適性がある人は、プライベートの暇な時間にも、プログラミングを活用することが頻繁にあります。
一方、僕の場合は休みの日はプログラミングのことを考えたくないレベルでした。
ただし、ITを活用するのは得意であり、「ITの力ですべての人の生活を便利にできれば」という妄想には耽っていました。
その結果、運用SEに転職して、平均以上の結果を残しています。
また、IT業界が素晴らしい場所であることを世の中に伝えたいという思いも強く、IT系ライターとして仕事をしていたこともあります。
当サイトも、「IT業界で働くことが素晴らしい」ということをあなたに伝えたくて、日々通勤電車内で執筆しているぐらいです。
このように、暇な時間に無意識下で何を考えているかを思い出してください。自分が本当に興味があるものが、簡単にわかるはずです。
仮に、暇なときにプログラミングのことを考えるのも嫌なレベルなら、プログラマーは向いていないでしょう。
しかし、プログラマーになる前に感じていたIT業界への熱意を取り戻すことができれば、別職種で活躍できる可能性はあります。
そのための方法論は、今から伝えていきますね!
プログラマーに向いていないならどうするか?
実際にプログラマーが向いていないなら、最終的には仕事を辞めるしかありません。
しかし、IT業界で働いた経験があるなら、その経験を生かさない手はありません。
というのも、IT業界で働いていたら、知らず知らずのうちにITスキルが身に付いているものです。このスキルを活かして、プログラマー以外の仕事に就けます。
例えば、ヘルプデスクの仕事であれば、社内のITエンジニアのサポート側であり、プログラミングが必須ではありません。
ほかにも、運用オペレーターや運用SEの仕事であれば、たまにExcelのマクロで単純作業を自動化するマクロを組める程度で重宝されます。もちろん、プログラミングを全く必要としない運用SEの現場もあるため、安心してください。
開発者と変わらないほどの高報酬がほしいなら、インフラエンジニアもおすすめです。使われている技術がどこの現場でも大差なく、開発者以上に市場価値が高いといえます。
そこで、ITエンジニアとしての経験を積めば、マネジメント側にステップアップしていく道も開けます。
そもそも、開発者側であろうと運用側であろうと、最終的にはマネジメント側に回るのが王道のルートです。歳を重ねる毎に、ITスキルではなく、マネジメントスキルや顧客との折衝スキルが重要になってきます。
あなたは今、プログラマーとして適性がないだけで、IT業界全体に向いていないと思い込んでいませんか?
マネジメントスキルや折衝スキルが人並み以上にあれば、IT業界で活躍できる場は大いにあります。
いきなりIT業界を離れたりせずに、職種を変えることを検討してください。