システムエンジニア(SE)が転職する際、すでに転職したSEがどのような行動を取ったのかを知りたいものです。特に、転職後に待遇が改善された場合、どのようにして優良企業への転職を成功させたかを知ることができれば、自分の転職に活かせます。
一方、転職に失敗したSEのことも深く知る必要があります。転職に失敗したSEのことを分析すると、「〇〇だから、失敗したんだよな」と思われるような行動を取っています。
あなたが、周囲のSEから笑いものにならないためには、転職に成功する人の特徴と失敗する人の特徴を知り、成功者と同じ行動を取る必要があるのです。
そこでこのページでは、「SE転職で成功する人・失敗する人の違い」を比較することで、「正しい選択と行動とは何か?」を解説します。
Contents
失敗する人は誰にも頼らない 成功する人は信頼できる人に頼る
失敗する人の特徴
SE転職で失敗する人は、誰にも頼らずに転職する傾向があります。他者からの助言を軽視していることもあれば、耳の痛い意見を聞きたがらないこともあるからと推測できます。
例えば、転職活動を行うときに、専門家から意見を貰えるハローワークや転職エージェントを活用せず、登録すれば直接企業に応募できる転職サイトだけで転職活動を開始する人がいます。
しかし、これでは自分の履歴書や面接の受け答えに間違いがあったときに、客観視ができずに失敗を繰り返してしまいます。
フィードバックを受ける機会がないからです。
僕の例でいえば、人生で初めて就職したベンチャー企業を退社するとき、自分の独断で決めました。
「もうIT企業は向いてない…」と勝手に解釈して、一年ほど製造業で働くことを決めたのです。
しかしその後、「このままでは将来性がない」と考えを改めて、再びIT業界に戻りました。
すると、次の企業では前職のような長時間労働やマニュアルの不備による突発的な残業などが全くありませんでした。
つまり、IT業界が向いていないのではなく、長時間労働に向いていない体だっただけなのです。
誰かに相談していたら、もう少し効率よくキャリアを積むことができたのではと、自分のキャリアを振り返って感じています。
成功する人の特徴
一方、SE転職で成功する人は、信頼できる人にどんどん頼るという特徴があります。転職を成功させることが目的のため、自分一人の力で成し遂げる必要はないと考えるからです。
例えば、新卒採用と中途採用では、履歴書の記載内容や面接で聞かれることが大きく異なります。
中途採用では、ポテンシャルよりも経験やスキルが重要になるのですが、初めての転職では勝手がわからないものです。
そこで、履歴書を添削してくれる転職エージェントに登録すれば、プロによるフィードバックを受けることができます。
仮に、その後転職エージェントを経由せずに転職を成功させるとしても、初めての転職でプロの指導を受けるという経験は役に立つことでしょう。
他にも、SE転職では、適職を判別するために自己分析を行うことがあります。SEの中でも仕事が細分化されているため、自分にとって最適な職種を判断する必要があるからです。
このようなとき、自分の身近な友人の意見がとても参考になります。
例えば、僕はフリーランスSEになる前、複数回の転職を繰り返していました。そのときの僕は、「最終的に落ち着ける会社を見つけないといけないのかもな…」という焦りがありました。
しかし、そのことを友人に相談すると、以下のような答えが返ってきました。
「ヤマダは複数回の転職に成功している。つまり、それだけのスキルが身に付いているということ。無理して定年まで働ける職場を探さなくても、フリーでやってみる手もあるのではないか?」
この意見は、目から鱗でした。
他にも、自宅に友人を招いたときに、「ヤマダは、読書量が多いな」と高学歴の友人に言われたことがあります。
このような友人からの指摘を受けて、文章の読み書きが得意であることが判明しました。今ではフリーランスSEとIT系ライターの二足のわらじで生活が成り立っています。
このように、身近な友人の一言で自分の人生が好転することがあります。積極的に人に頼るようにしてください。
相談相手は、あくまでも信頼できる人に限定してください
転職を相談する相手は、必ず「信頼できる人」に限定する必要があります。さらに付け加えるならば、職場の外の人間が良いでしょう。
例えば、会社の上司に転職を検討していることを伝えると、上司の目からは「いつ転職するのかわからない人材」と映ってしまいます。
現在の職場に不満があり、退職を覚悟で条件の改善を要求するとき以外では、転職を検討していることを伝えないほうが無難です。
同僚であっても同様です。悪意ある同僚であれば、ほかの同僚や上司に告げ口する可能性があります。
また、転職すべきかを親に相談する人は多いですが、これも注意が必要です。あなたの親の世代では、「一つの企業で定年まで働くのが普通」という価値観を持っている割合も多く、考えなしに反対されることもあるのです。
では、誰に相談するのが正しいのでしょうか?
僕のおすすめは、「価値観の合う長年の友人」です。彼らは、あなたのことをよく見ているので、あなたよりもあなたのことを知っている可能性があります。
また、高校以降の友人であれば学力レベルも一致していることが多く、同じような悩みを抱えていたり、すでに転職を経験していたりすることもあるのです。
このような友人に相談すれば、有益な時間となるでしょう。
失敗する人は前職から逃げる 成功する人は、明確なキャリア構築の意識がある
失敗する人の特徴
転職に失敗する人は、前職から逃げるように転職活動をしてしまいます。辛いことがあると、隣の芝生が青くみえるものです。
あなたも、現在の自分の職場が嫌だから、転職を検討しているかもしれません。
SEの世界にはブラック企業が多いため、時には逃げ出す必要はあります。
ただし、ここで意識しておかなければならないことがあります。それは、「自分のレベル以上の会社には入社できない」ということです。
会社のレベルと人材のレベルは概ね一致するため、あなたがブラック企業でしか働けないような学歴やスキルしかなければ、転職先でも同じ目に遭ってしまうのです。
こうして、自分を磨かないまま転職回数だけが増えてしまうと、状況は悪化していくことでしょう。
成功する人の特徴
転職に成功する人は、明確なキャリア構築の意識を持って転職に踏み切ります。仮に、定年まで働く気がなくても、その会社で自分が得たいモノを見極めてから転職するのが特徴です。
例えば、IT業界の中には離職率の高い会社もあります。定年まで働きたいなら選択肢には入りませんが、激務の中でスキルを磨けるなら入社候補に上がることもあり得ます。
このように、明確な目的意識のもとに転職することで、自分の中に知識やスキルをストックすることもできるのです。
ちなみに、転職の目的は大きく分けて以下の3つに分類されることが多いです。
- お金
- プライベートな時間
- やりがい
あなたが転職を検討しているなら、上記のうちのどれかを得ることを考えて転職活動すれば、間違いが起こりにくいでしょう。
すべてが理想の転職先はどこにも存在しません。
しかし、自分にとって最も重要なものを手に入れることは、難しいことではないのです。
失敗する人は行動せずにダラダラと時間が過ぎる 成功する人は即座に行動しつつも慎重になる
失敗する人の特徴
転職に失敗する人は、具体的な行動を起こさずにダラダラと時間を浪費してしまいます。そうこうしているうちに、転職のタイミングを失ってしまうのです。
例えば、転職サイトを閲覧すれば、仕事内容や条件が記載された企業の求人が掲載されています。
しかし、実際には求人票から得られる情報は多くありません。
- 社風が体育会系か文化系か?
- 経営方針
- 職場の雰囲気
このような情報は、求人票からはわからないのです。ここで、少ない情報を元に転職の可否を判断してしまうと、失敗の元になります。
そうならないためには、転職エージェントのような「応募先企業の情報を多く持っている人たち」の力を借りて、自分の転職の目的と求人を出している企業とがマッチしているかを判断するのが得策です。
悩むと考えるの区別をつける
転職しようかどうか悩んでいる人は、今すぐ悩むのをやめて「考える」ようにしてください。悩むと考えるは、似ているようで全く異なります。
悩むとは、思考が同じ場所を堂々巡りする行為です。これでは、人生が前に進みません。
一方、考えるとは具体的な選択肢を列挙して、いくつかの選択肢を実行する行為です。今から、転職のときだけではなく、あなたの人生に役立つライフハックをお伝えするので、ぜひ活用してください。
はじめに、紙とペンを用意してください。次に、以下の順番で、自分をコントロールするのです。
- 悩んでいる事柄をくわしく書き記す
- それについて自分ができることを書き記す
- どうするかを決断する
- その決断をただちに実行する
すると、自分の人生が嫌でも前に進むはずです。
例えば、今回は転職を悩んでいるので、上記のフレームワークを用いて考える行為に移行します。
1.悩んでいる事柄をくわしく書き記す
転職に必要なスキルは身についているか?
年齢に不安があるか、何歳までなら転職できるか?
初めての転職なので、履歴書の書き方がわからない
2.それについて自分ができることを書き記す
転職サイトに登録して、求人をチェックする
転職エージェントに登録して、エージェントの客観的な意見を伺う
ハローワークに通う
3.どうするかを決断する
大学卒業後に優良企業で働いていたので、次も大企業で働きたい。
ゆえに、大企業の求人が多数掲載されている「転職サイト」「転職エージェント」に登録する。
4.その決断をただちに実行する
今すぐ、転職サイトに登録して、求人をチェックする
週末に、転職エージェントに登録して、エージェントの客観的な意見を伺う
「悩みを書き出す→解決のための選択肢を列挙→どれを実行するか決める→即座に実行に移す」
これだけで、ダラダラと悩む時間をカットできます!
成功する人の特徴
転職に成功する人は、即座に転職市場においての自分の価値を確かめる行動を起こします。仮に自分の実力が不足していても、数年後にキャリアアップするための計画が立てられるからです。
しかし、即座に行動に移すからといって、必ずしも転職を即決する必要はありません。むしろ、必ず転職を成功させるためには、したたかさが必要になります。
例えば、転職エージェントに登録するときも、一つのエージェントとしかやり取りしないと、エージェントの言いなりになってしまいます。ときには、ブラックエージェントに当たってしまうこともあるでしょう。
そこで、複数の転職エージェントに登録して、自分にとって最適なエージェントを見極めるところからスタートするのが賢い行動です。エージェントごとに得意な求人なども違いもあり、はじめての転職では、驚くことも多々あります。
ようは、転職を検討するまでは心理的な敷居は低いが、実際に転職に踏み切るまでに失敗する確率を極限まで減らしているのが、転職に成功する人の特徴です。
転職サイトに登録したからといって、絶対に応募しないといけないルールはありません。
転職エージェントにお世話になったからといって、必ずその転職エージェントを活用しないといけないルールもありません。
求人に応募して内定を受けたからといって、必ず入社する必要もないのです。
変なところで真面目にならずに、最大限サービスを使いこなして転職を成功させてください。
まとめ
転職に成功する人と失敗する人では、行動パターンが異なります。転職に成功する人を一言で説明すると、「自分の人生に真剣な人」です。
- 自分の人生に真剣だからこそ、だらだら悩むのではなく詳しい人に相談してみる
- 自分の人生に真剣だからこそ、次の職場で何を実現したいかを明確にする
- 自分の人生に真剣だからこそ、複数の転職エージェントに登録して視野を広げる
転職を成功させたいなら、余計な悩みを捨てて、「自分の人生に真剣になる」ことからスタートしてください。
おそらく転職を成功させるために転職エージェントに登録することになると思います。そこで、あなたの真剣な気持ちは必ずエージェントにも伝わるので、勇気を出してはじめの一歩を踏み出しましょう!