真面目に仕事をしていても、「定年まで会社が存続しているのか…？」と不安に思っている人は多いです。
特に、SEとしてIT業界で働いているあなたは、「自分のスキルを磨いたほうが、倒産やリストラの不測の事態に対応できる」と考えたことがあるでしょう。
また、会社の垣根を超えてステップアップをするために、転職を考える人は多いです。
しかし、実際に転職できる人は少数です。一時的に年収が下がる不安から、最初の一歩を踏み出せないことが原因でしょう。具体的には、以下のような悩みが挙げられます。
- 生活水準を下げたくない
- 家族の生活費を稼がなければならない
- 新しい環境でやっていけるか不安
たとえ将来を見据えたら「転職をする」という判断が正しくても、今の生活を安定化されるために、会社に依存しなければならないこともあります。転職したい気持ちがあっても、今よりも現状が悪くなることを考えると不安は消えません。
しかし、正しい転職の考え方を身につければ、必ず年収を上げたうえで転職を成功させることができます。
例えば、同一業界のステップアップ転職や利益を上げている会社への転職では、確実に年収を上げることができるのです。
そこでこのページでは、「転職時に必ず意識するべき価値観の軸と、年収を上げる転職方法」を解説します。
Contents
転職時には、自分の価値観に仕事を合わせる
転職を考える際は、年収が「上がる」か「下がるか」に関係なく気をつけなければならないことがあります。
それは、転職の目的です。
仮に年収を上げたとしても、自分の価値観と仕事がマッチしていないと、不本意な退職につながるからです。
給料だけ上がっても、やりがいのない仕事を行うのは苦痛以外のなにものでもありません。
転職を考える人の目的は、以下で説明する3パターンの価値観で説明できることがほとんどです。
プライベートの時間を確保できるか考える場合
SEが転職する場合、プライベートの時間を確保するための転職が多いです。開発職の場合、納期に追われることが多く、月の残業時間が100時間を超えることもある業界だからです。
「自分の時間」を優先する場合、残業の少ない開発系企業・社内SE（一般企業のシステム運用部門）や運用系SEに転職するのが最適でしょう。突発的なスケジュールの変更や締め切りに追われる仕事が、開発職と比較して少ないからです。
なお、現在開発職として働いている場合、年収を上げるのは難しい傾向にあります。開発職は、企業側が人材を求めているのにそれを満たすエンジニアが足りておらず、IT業界の中でも給与が高い職種だからです。
そのため、転職に「時間」、あるいは「お金」のどちらを必要としているのかを今一度考えてください。
仕事にやりがいを求めて転職を希望する場合
当然、仕事にやりがいを求めて転職する人もいます。
例えば、ゲーム業界に対する憧れを捨てることができず、「給与」や「プライベートな時間」などの条件を度外視して転職する人はいます。他にも、運用SEからネットワークエンジニアになるような転身がIT業界には多いです。
さらに、やりがいのために全くの異業種にチャレンジする人も中にはいます。どちらも、仕事に対する「やりがい」を求めて転職を希望しているのが特徴です。
しかし、このような転職を行う場合、今よりも年収が下がる覚悟をしておく必要があります。スキルや経験がないことがほとんどだからです。
そのため、やりがいはもとより、お金のこともしっかりと考えておくようにしましょう。
年収を上げるために転職を考える場合
当然のことながら、より高額な報酬を求めて転職する人も多いのがIT業界です。どこの会社でも歓迎されるスキルを身につけることによって、学位がなくても稼げる魅力があります。
また、報酬が上がるということは、それだけ求められるスキルの水準も高いということです。
年収を上げることを意識することは、決してお金の亡者ではありません。どこの会社でも通用するスキルを獲得する行為でもあるのです。
年収を上げる転職を意識しているなら、転職エージェントに登録して、自分のスキルを客観視してもらうのがオススメです。転職エージェントは多くのエンジニアを企業に紹介した実績があるので、エンジニアに見合った会社や条件を提示してくれるからです。
そこで提示される会社のレベルに不満があっても、自分にどのようなスキルが足りないかを見つめなおすきっかけとなります。すると、将来の転職で年収を上げるための具体的な計画ができるのです。
確実に年収を上げる転職を成功させる方法
現在、日本のエンジニア不足は深刻な問題になっています。そのため、根気よく転職活動を行えば、必ず年収を上げることができます。
ここからは、SEが年収を上げる方法を解説していきます。
同職種（同一業界）へのステップアップ
もっとも一般的な年収の上げ方は、現在と同職種の仕事に転職することです。現在の職場でスキルを身につけているなら、そのスキルを欲しがる企業は多いからです。
特に、たまたま業績の悪い会社で働いている場合、同じポジションで転職するだけでも年収アップが期待できます。
他にも、「金融系プログラマから金融系SE・オープン系SEからオープン系プロジェクトマネージャー」のようなステップアップ転職では、年収が上がる傾向にあります。
IT業界では、現在働いている企業で今以上のステップアップを望めない場合、転職によってステップアップすることが一般的です。
管理人の報酬アップ経験談
僕はかつて、某官庁系のネットワークを一手に担う企業で働いていたことがありました。
クライアント先企業は官庁ですが、お金の出処は税金です。
そのため、どれだけ仕事を頑張っても、クライアントから頂けるお金は変わらないのです。むしろ、全国的に、予算は削減する方向性で世の中が動いているようでした。
しかし、転職して独立系のネットワーク系セキュリティ会社に勤めるようになってからは、同じ努力で年収も上がりました。また、会社全体で丁寧な仕事を心がけていたため、クライアントから新しい運用の仕事も受注できていたのです。
SEという仕事は、経営に直接携わるわけではありません。そのため、どれだけ努力しても会社の業績に直結するような成果を上げられないこともあります。
だからこそ、「正しい経営者の元で働くために転職する」という考え方を持ってください。
僕自身、正しい転職ができたことで、SEとして仕事に大きなやりがいを感じながら昇給できた事実があるからです。
フリーランスになる
フリーランスのエンジニアになるのも、年収を上げる手段の一つです。
一般的には、正社員や契約社員のエンジニアとして採用される場合、クライアントから受け取る報酬のうち、何%以上は天引きしなければならない、といった社内ルールがある企業が多いです。
これは、福利厚生を充実させて、現場がなくなったときに次の現場が決まるまでの生活保証をしなければならないからです。
しかし、フリーランスエンジニアの場合、エージェント企業の考え方は変わります。エンジニアに支払う報酬がクライアントから受け取る報酬よりも少なければ問題ないため、報酬の面で交渉の余地が大きいのてす。
独立してやっていけるスキルを身につけている人や、フリーランス後の人生設計ができている人にはフリーランスをおすすめします。
フリーランスは技術力がないとだめなのか？
フリーランスになるというと、高い技術力を求められるというイメージが強いです。これは、以下の2点の理由で案件が回ってくることがほとんどだからです。
- 教育が必要のない数合わせのエンジニアが欲しい
- 社員だけでは対応できないスキルを持つエンジニアが欲しい
このような理由から、スキルに不安があるのではじめからフリーランスを検討しない人もいます。
しかし、僕がフリーランスエージェントと面談した経験からいうと、ITスキルを必要としない案件も多数あるという印象を受けています。
開発系の案件と比較すると報酬は見劣りするのですが、運用系SEやユーザーに近い場所でのサポート業務の案件であれば、ITスキルではなくコミュニケーションスキルが重要視されることもあります。
また、IT業界はスキルの範囲が広いです。そのため、ある程度同じような経験をしていれば、後は現場で新しいスキルに対応することができると判断されます。
現状、派遣会社で働いている人であれば、同じ職種で「月20万程度から月30万後半」のように2倍程度の手取りになる可能性も秘めています。ダメ元でエージェントに登録することが年収アップにつながるのです。
ただし、フリーランスは全責任があなたに降りかかります。言い訳は一切通用しない上に、仕事がなくなれば収入はゼロになります。
このことを知った上で、フリーランスを候補として考えるようにしましょう。
下請けから元請けに転職する
IT業界の中でも、SI業界などでは独特のピラミッド構造があります。図に表すと、以下のような業界です。
あなたがこのような業界の下請け側にいるなら、ピラミッドの上に行く転職することによって年収を上げることができます。
しかし注意点として、こういった元請け企業や大企業に転職する場合、学歴が必要になることが多いです。
現在では、インターネットで全国の人たちが同じ求人を見ることができます。そのため、一つの求人に対する応募者数が増加している傾向にあります。
条件が魅力的な大企業の場合、応募者を迅速に振り分けるために、学歴によるフィルターがかかる機会があるのです。応募先企業の公式ホームページなどから採用実績を一つずつ確認して、自分の出身校が採用されているかを確認してください。
ただし、転職エージェントに登録すれば、このような煩わしい作業からは解放されます。転職エージェントはクライアント企業から学歴等の条件を細かくヒアリングしているからです。
転職エージェントを活用することによって、採用される可能性がない企業への余計なエントリーを減らすことができるのです。
まとめ:自己成長を前提とするなら年収にこだわるべき
あなたがスキルを身につけて、どこの会社でも引く手あまたのSEになりたいなら、年収には徹底的にこだわってください。年収を犠牲にせずともスキルを獲得することは可能だからです。
むしろ、年収の高いほうがスキルを獲得することができます。これは、企業の理屈を考えれば理解できるはずです。
企業が多額の給料を支払うということは、それだけ高いレベルの仕事を要求するということです。このような環境下で働き続けると、自然と高いレベルのスキルを身につけることができます。
すると、どこの会社でも通用するSEとなり、勤務している企業と対等な関係で仕事に取り組むことができるのです。
転職エージェントを利用すれば、やりがいを感じながら年収を上げられます。効率よく転職を成功させるために、できる限りの最善を尽くしていきましょう。
