新卒でシステムエンジニア(SE)やプログラマーに就職した人の中には、すでに辞めたくなるほど仕事が嫌になっている人もいます。
- ITの仕事自体が向いていない
- 嫌な先輩や上司がいる
- 希望部署に配属されなかった
- 入社前に聞いていた条件と違う
上記のように、さまざまな理由で会社に居続けられない新卒SEもいるのです。ここで退職願さえだせば、仕事は簡単に辞められます。
しかし、辞めた後は新しい仕事を見つけないと、生きていくことができません。
次につながる形で退職しなければ、正社員にすら戻れずに、非正規社員やニートとして生きるハメになってしまいます。
そこでこのページでは、「入社一年目の新卒SEが辞めたくなる状況」と「入社一年目で辞めたくなったときに意識すべき3つのこと」について解説します。
Contents
入社一年目の新卒SEが辞めたくなる状況
入社一年目の新卒SEが辞めたくなる状況は、いくつかのパターンがあります。まずは、どのようなときに辞めたくなるのかを整理していきます。
最もありがちな理由として、「SEの仕事が向いていない」と感じたとき、仕事を辞めたくなるものです。
例えば、同期のレベルについていけなかったりプログラミングが全く楽しくなかったりすると、「向いていない」と自分の中で結論付けてしまいます。
本当に自分にSEの仕事が向いていないかどうかを確認する手段は、以下の記事にまとめています。仕事が向いていないと感じているなら、一度閲覧してみてください。
ほかにも、「自分が希望する部署に配属されなかった」という理由で辞めたくなることもあります。
例えば、開発者志望で入社したのに、運用SEやコールセンターなどに配属されることがあるのです。会社に定年まで守ってもらうという概念がない限り、技術力の高いSEとなって市場価値を高めたほうが、将来につながります。
さらに、会社がブラック労働すぎて辞めたくなる新卒SEもいます。1日の業務量が多すぎて残業が常態化していたり、上司の叱責が毎日続いたりする場合、あなたの責任ではなく会社がおかしいことがあり得ます。
上記のように、入社一年目でもさまざまな理由で会社を辞めたくなる状況が発生するのです。
入社一年目で辞めたくなったときに意識すべき3つのこと
ここからは、「入社一年目で辞めたくなったときに考えること」について解説します。
具体的には、以下の3つのことを意識してください。
- 数年以内に希望の部署に異動できる可能性があるか探る
- 会社がブラックか確認する
- 現在の仕事を続けながら仕事を探す
それぞれ、順を追って解説させて頂きます。
1.数年以内に希望の部署に異動できる可能性があるか探る
数年以内に希望の部署に異動できる可能性がないか探るのは、希望職種に就けずに辞めたくなったときに真っ先に考えるべきことです。配属された部署で適性がない場合も、別部署への異動を試みてください。
ここで部署異動できるか否かを探ることで、会社が自分のことを考えてくれているかどうかを判断できます。
例えば、あなたが本当は開発者になりたいのに、運用の部署に回されたとします。
このとき、口約束で「ここで頑張ったら、開発に回すことも考える」といわれても、絶対に信じてはいけません。
ここで観察すべきポイントは、「前例として、所属部署から別の部署に配属された事例がどれだけあるか?」です。
会社の中で希望部署への移動が日常的に行われているなら、あなたも部署移動できる可能性はあります。より詳しく部署移動の条件を探って、希望職種への転身を実現してください。
反対に、前例がないところから自分の力で部署移動の前例を作るのは、あまりにも労力がかかりすぎます。
自分の希望職種に就くのを実現するために、会社の文化を変える必要はありません。
よほどの優良企業でない限り、転職によって希望職種に就くほうが手っ取り早いのです。
なお、ここでズルズルと仕事を続けてしまい20代後半になってしまうと、希望職種に就くことがますます難しくなります。
転職市場は、すでに業務を経験している人間が好まれるものです。未経験を育てるなら、若いほうが給与も安くて扱いやすいと経営者は考えています。
それに、新人と同じことに歳を取ってから取り組むのも、精神的に辛いものがあるでしょう。
同年代の中で、無駄に遅れをとっているような気持ちになります。
このような事態にならないためにも、以下の2点に気をつけてください。
- 数年以内に部署移動できるか
- 部署移動が文化として確立されているか
上記に当てはまる場合は、しばらく仕事を続けたほうがよいといえます。
2.会社がブラックか確認する
会社がブラックか確認するのも、新卒でSEを辞めたくなったときに意識すべきことです。ブラック企業は、あなたのキャリアのことを考えずに使い捨てにしてくるため、急いで逃げなければなりません。
例えば、僕の経験したブラック企業は、雇用の安定を実現していないのに、エンジニア職で入社した若手を約束とは全く違う部署に配属するような会社でした。
本来の日本企業は、「定年まで雇うことを約束する代わりに、転勤などの拒否ができない」のように、何かの等価交換として理不尽な扱いを受け入れるのが普通でした。
給与だって、「若手のうちは会社に貯金しているようなもので、歳を重ねたら若いうちに預けたお金を会社から引き出している」といわれたものです。
それがブラック企業では、「若手のうちは本人の希望しない部署でコキ使う。歳を取ったら、追い出しにかかる」という美味しいとこ取りをする傾向がみられます。
ほかにも、中途採用や協力会社の社員がすぐに辞めていく現場も、ブラック企業の可能性が高いです。新卒以外の社員であれば、その会社のおかしなところに気がついて、すぐに抜け出すのです。
そこで、洗脳しやすい新卒を大量に採用して、辞めていく人間を罵倒し始めるのもブラック企業の特徴といえます。
最もブラック企業にありがちな上司(先輩)のセリフは、「ここで通用しないなら、どこでも通用しない」です。これは、辞めていく人たちを負け組扱いすることで、新卒を留まらせようとする最低のテクニックです。
教育した使い勝手の良い新卒を辞めさせないようにしているか、それとも上司(先輩)自身が、過去に同じ手口で洗脳されている可能性があります。
20代の頃に多くの会社を渡り歩いた僕だからいえることですが、ブラック企業とホワイト企業では、同じ給与でも仕事の疲労度がまったく違います。ホワイト企業であれば、ブラック企業の10分の1程度の疲労度といっても過言ではありません。
ちなみに、自分が働いている会社がある程度大手であれば、企業の口コミサイトで自社を確認するのもよいでしょう。
例えば、僕が勤務したこともあるブラック企業は、以下のように「人材の長期育成」などの項目が低い評価となっています。
このように、会社全体がブラックなのか、たまたま自分の上司だけがおかしいのかを確認してください。
仮に会社自体がブラックであれば、洗脳された上司には騙されずに、新しい職場への転職を検討しましょう。
より詳しくブラック企業の見極め方を知りたいなら以下の記事も参考にしてください。
3.現在の仕事を続けながら仕事を探す
今の会社で続けられないと判断したときも、現在の仕事を続けながら仕事を探してください。入社一年目で退職してしまうと、「嫌なことからすぐに逃げるのでは?」と思われてしまうからです。
今日では、第二新卒の転職も盛んなため、早い段階で会社に見切りをつけるのも珍しくなくなってきました。
しかし、面接する側が社会情勢に疎く、昔の価値観で接してくることもありえるでしょう。
ここで、彼らとの価値観の違いを嘆いても仕方がありません。
むしろ、彼らの価値観を利用することで、新卒一年目での転職でも強烈なアピールを残せます。
例えば、現在の会社でも一生懸命働いていることをアピールしつつ、勤務時間外でもプライベートな時間を削って転職活動に取り組む姿勢を見せることで、「根性がある」と思わせることができます。
そのとき、転職先で必要になりそうな知識やスキルを学習していると、さらに根性アピールにつながるのです。
ほかにも、普段は大阪で勤務している人が東京で働くために有給を使って転職活動に望むなど、労力が必要なことをするだけで「この求職者は本気だ」と判断されます。
このように、現在の仕事を続けながら転職活動を行うことで、新卒一年目でも「やる気」を視覚化できることを覚えておいてください。
最後に 今の職場で得られるものは得ておくこと
入社一年目というのは、希望に溢れている時期です。僕も若い頃は、「ベンチャー企業に挑戦して成功するぞ!」と息巻いていました。
それが、実際に入社してみると、理想と現実が異なることに気がつきます。従業員は会社に利益をもたらすために働かなければならず、自分の自尊心に気をかけてはくれません。
自分が会社でやりたいことがあっても、会社がやってほしくないことはできないのです。
あなたも、入社一年目で辞めたくなっているなら、自分の理想とはかけ離れた状況で働いているのでしょう。その会社から、一刻も早く離れたい気持ちは、僕もよくわかります。
しかし、あなたは入社一年目です。あなたが会社から学ぶべきことは、まだまだ大量にあります。
- ビジネスマナー
- コミュニケーション能力
- 指示されたことを確実にこなす実行力
- 技術力などのビジネススキル
仮に会社を離れたくなったとしても、実際に退職するまでは、貪欲に吸収できるものを吸収してください。
例えば、僕であれば開発系企業でVBを使っていたことがあります。その後、仕事で毎日プログラムをやるのは嫌になり運用SEに転身しましたが、運用の現場では開発時代に学んだVBの知識が「ExcelVBAで便利ツールを作る」という形で活かせているのです。
「非開発者から開発者になる」パターンもあり得ます。つまり、開発者になりたいのに非開発系現場にいるなら、そこの業務を自動化するツールを作っていれば、開発者に転身するときの経験となるのです。
仮に、嫌な先輩や上司がいても、彼らがあなたより優れているところは必ず見つかります。「彼らの人格ではなく、スキルに頭を下げているんだ!」と考えて、嫌いな人間からもスキルを盗んでください。
こうして得たスキルは、会社を退職した後も必ず役立ちます。
なお、退職を検討しているなら、「転職エージェント」に相談するのも一つの手段です。自分の希望職種を伝えたら、あなたのレベルにマッチした求人の紹介を受けられます。
そこで希望職種に転身するために足りないスキルが視覚化されれば、現状在籍している嫌いな会社は「お金を貰いながら、足りないスキルを身につける場所」に変わるのです。